先日、S様に首の後ろ辺りの「盛り上がり」が気になるというご相談を受けました。S様は細い方に近い標準体型です。でも確かに首の後ろに少々盛り上がって、「ぜい肉」がついている感じがありました。
首の後ろの盛り上がりは、英語ではよく「neck humpネックハンプ」と呼ばれます。ハンプは「こぶ」です。日本語では何か特別な呼び方はあるのかな~と思い調べたみたら、ありましたよ、恐ろしい呼び方が・・・
「カバ肩」です😱😱😱確かに、画像を見るとカバの首らしき部分に盛り上がりが見えますね・・・。カバ肩という呼び方はちょっと切ない気持ちになるので、ここからはネックハンプでいきたいと思います。
なぜよりにもよって首の後ろなんかに脂肪が集まるのでしょうか。原因の1つに「血流の悪さ」があるかもしれません。
ではなぜ血流が悪くなるのか・・・それは「背中の筋肉を十分に使えていないから」というのが考えられます。
ネックハンプは「首の後ろの盛り上がり」という形で現れましたが、猫背、巻型、ストレートネック、肩こり、こういった上半身のお悩みに共通する原因として「背中の筋肉の弱さ」があります。
いつもならここで「背中の筋肉を強化するためのトレーニング」をご紹介するところですが、今日はちょっと視点を変えて、「寝る時の姿勢」について考えてみたいと思います!
というのも「姿勢」というのはある日突如として現れるものではなく、長い期間その形でいたがためにそれを体が覚えてしまい、そのうち直し方さえも忘れてしまい、気づけばその姿勢がすっかり「完成」してしまう、というものだからです。毎日7時間程度は寝るわけですから、その寝ている時の「形」は姿勢づくりに大いに影響を与えると言えると思うのです。
イラストのような姿勢を何と呼んだら良いのでしょうか・・・背中が丸まって猫背(円背)でもありますし、肩が前に出て巻き肩でもありますし、頭が前に出てストレートネックでもありますし、ネックハンプもあるかもしれません。
体の後ろにばかり目がいってしまいますが、体の前面ではどんなことが起きているでしょうか。こんな姿勢の時には、間違いなく胸は「閉まっている」状態です。起きている時にこんなふうに胸が閉まった姿勢になりがちな方は、せめて寝ている間だけでも胸を開くことが大切だと思います。
寝る時の形にはさまざまありますが、「胸を開いて寝る」というのが目的であれば、仰向けがおすすめです。3番、4番、5番のような横向きの寝方では「胸の閉まり」が助長されてしまいます。
9番、10番、11番のようなうつぶせ寝はどうでしょうか。意外な感じがしますが、うつぶせ寝は呼吸がしやすくなり、いびきの軽減になるそうです。ただし、腰椎が反りやすく腰へ負担がかかりがちなので、うつぶせ寝をするなら骨盤の下に枕を入れると良いかもしれません。また、うつぶせ寝は枕の高さによってはネックハンプを助長しかねないので、今日の主旨から考えると、仰向けの方がおすすめです。
次に枕について考えたいと思います。枕については色々な考え方がありますし、「今現在どんな姿勢か」が影響するので万人に合う枕というのは存在しないと思います。また、首や肩に痛みを抱えている方や喘息などをお持ちの方は、その症状が悪化するような枕は当然いけませんので、あくまで痛み等がなく、「胸を開く」というのを優先させるとしたら、というスタンスで考えたいと思います。
上記のイラストは立っている状態ですが、寝ている時も左端のような形になることが理想的ですよね。
よく外国映画で見るような枕をいくつも重ねた寝方はどうでしょうか。こんな寝方は上記イラストの真ん中や右端の姿勢を支えることになってしまいます。悪い姿勢を支えているということです。
日中の姿勢がイラスト右端の姿勢に近い方が、いきなり左端のような姿勢に修正することは難しいですが、まずは真ん中の姿勢を目指し、徐々に左端の姿勢に寄せていくという努力をしなければ姿勢は直りません。
右端の姿勢に近い方のとっては、枕が高い方が楽かもしれませんが、それはあくまで枕が頭を支えてくれているだけで、本来であるならば頭がその位置にあることは好ましいことではありません。
では枕の高さはどれくらいが適切なのでしょうか。真木としては、
横から見た時におでことあごが大体同じ高さ、もしくはあごがやや低いくらい
が良いと思います。そして、ネックハンプや猫背、ストレートネックなどを本気で直したいのであれば、枕の高さを徐々に下げてみることをおすすめしたいと思います。画像の女性のように枕なしでも良い姿勢で熟睡できるのであれば枕なしもありかと思いますが、そういう方はそもそも姿勢が良い、背骨や背中の柔軟性が十二分にあるなど、どちらかと言うと少数派だと思います。
少しでも良い姿勢で眠れる寝方&枕の高さを模索してみて下さい😊
文:真木
コメントをお書きください