1週間椅子なし生活

今日は「1週間の椅子なし生活が私の体をどう変えたか」という動画を見ましたので、その内容をご紹介です~😊

 

 

画像の男性が「椅子なし1週間」に挑戦された『Exercising Health/エクササイジング・ヘルス』というYouTubeチャンネルの配信者クリストファーさんです。ただの健康マニアではなく、スポーツ科学の専門家です。

 

 

まずはクリストファーさんの母校でもあるイギリスのセントラル・ランカシャー大学にて、座っている時と立っている時の筋肉の働き方にどんな違いがあるかを測定してみました。

 

画像が小さいので数値は見えないかもしれません。スミマセン。座っている時に活動している筋肉は6つ(小さな赤い楕円)ですが、波形(指をさしている箇所)はほとんど波打っていません。筋肉の活動はほとんどないということです。

 

一方、立っている時に活動している筋肉は20あり、座位の3倍以上です。波形を見ても筋肉が活動していることがわかります。大きな赤丸は太ももとお尻の筋肉を表しています。座っている時には両者とも全く活動していませんが、立位では色が付き、特にお尻の筋肉が活動していることがはっきりと見て取れます。

 

 

クリストファーさんいわく、座っている時間が長ければ長いほど、「Gluteal Amnesia/殿筋群健忘症」に罹りやすくなるそうです。ちなみに殿筋群健忘症は医学用語ではありません。座っている時間が長いということは、それだけお尻の筋肉(殿筋)が働いていない時間が長いということ・・・そうなるとヒトはお尻の使い方を忘れてしまい、ヨワヨワ・ダルダルのお尻になってしまう、という概念です。

 

本来であれば強い力を発揮することができる体のパワーハウスである殿筋、その殿筋が弱化すると

 

💀骨盤が前傾する

 

💀腸腰筋や大腿四頭筋といった太ももの前側の筋肉が硬くなる

 

💀ハムストリング(裏もも)が弱くなる

 

💀腰痛

 

などを誘発します。

 

皆さんは1日のうち何時間くらいを座って過ごしているでしょうか。クリストファーさんが10人の知り合いに突然電話をかけて「今、立ってる?座っている?」と確認している場面がありました。

 

立っていたのは3人、座っていたのは7人でした。しかも立っていた3人のうちの1人は電話に出るために立ったとのことで、実質座っていたと言えます。

 

自分自身の1日を振り返ってみても、レッスン中以外はどうかと言うと、座っていることの方が圧倒的に多いな~と思います。レッスン前は皆さんがご来店されるのを座って待っていたり、レッスンが終われば事務所で座ってパソコン作業をし、家に帰ればまたまた座ってブログのネタ探し・・・立っているのは台所に立つ時くらいな気がします。

 

画像は立って食事をしているクリストファーさんです。クリストファーさんは椅子なし生活をした結果、1日の歩数が約3000歩も増えたそうです。散歩をしたというわけではなく、電話で会話する時や動画について考えている時、無意識で家の中をぐるぐると歩いていたために歩数が増えたのです。確かにじーっと立っているより、歩き回っている方が楽ですし、頭も働きますよね。1日3000歩増えたというのはなかなかの数ですね。年間で換算すると100万歩以上です。

 

こちらは座位と立位のカロリー消費量の違いを測定しています。座っている時のカロリー消費量は1分間で1.64kcalに対し、立位では1.8kcalとわずかに増えました。微々たる違いですが、1日で考えるとカロリー消費量の違いは約100kcalになるそうです。ちなみに歩くとカロリー消費量は4.57kcalまで増え、座位の約3倍となります。

 

クリストファーさんの場合、椅子なしにしたことで1日の歩数が3000歩増えたことも考慮すると、椅子なし生活では1日のカロリー消費量が約233kcal増え、年間に換算すると約8万5千kcalとなり、これは小さじ5300杯の砂糖に相当するそうです。正に塵も積もれば山となる、ですね😀

 

椅子なし1週間の間、クリストファーさんは常時、血糖値の測定も行っていました。なんと13.7%も血糖値が下がるという結果になっていました。食べ物を特に変えたわけでもないのに、素晴らしい変化ですね。

 

ある研究によれば、座っている時間が毎日2時間長くなると、肥満になる確率は5%増え、糖尿病になる確率は7%増えるそうです。座ることをやめたクリストファーさんの血糖値が下がったのも納得ですね。

 

 

ちなみに普段は運転するクリストファーさんですが、運転する時は座らなければいけませんので、この実験中は運転は友人に頼み、助手席で座面に足を乗せた空気椅子でしのいだそうです(笑)「早く着いてほしい・・・」とめちゃくちゃ辛そうでした。

 

ということで、椅子なし1週間での変化は、1日の歩数と消費カロリーが増えたこと、血糖値が下がったこと、この3つに集約されるようです。たった1週間でこの違いですから、これを継続すれば更なる変化が期待できそうですね。

 

動画の最後でクリストファーさんは「しゃがむことの大切さ」を語っていました。椅子の座位としゃがんだ時では、関節の使い方も筋肉の働き方も全く異なります。

 

 

乳幼児はよくしゃがみますよね。アジアやアフリカの一部の国では画像のような光景を今でも見かけます。日本人は和式トイレが減って、しゃがむ機会が随分と減ってしまいましたが、「使わない機能は失われる」わけですから、座りたくなったら可能であるならば椅子ではなくしゃがむ方が良いかもしれません。

 

クリストファーさんは次回は「100時間立ちっぱなしでいたらどうなる」に挑戦するつもりのようです。寝ないで立っているのでしょうか??詳細はわかりませんが、機会があればご紹介したいと思います。

 

文:真木