ボンジテッテイ

画像の女性はイギリス人歌手のシェール・ロイドさんです。(男性はご主人でヘアスタイリストのクレイグ・モンクさん)真木は存じ上げませんが、そこそこ人気のある方らしです。いつの写真かは分かりませんが、現在のお年は28歳。ロイドさんを見てどう思いますか?「細くて羨ましい」と思われる方が多いかもしれませんね。確かに華奢ですね~。にしても・・・姿勢が少々悪いような・・・いや悪いですね、悪過ぎです。姿勢は年齢や細さは関係ないということがよく分かる1枚です。

 

ロイドさんが直した方が良いと思われる箇所は多々ありますが、今日は肩周りに注目したいと思います!

こちらのイラスト、顔は男性ではありますが、顔の角度といい、頭の出具合とい、背中の丸まり具合といい、ロイドさんとそっくりです。そして、肩の丸まり具合もそっくり!

 

 

ロイドさんのような姿勢を「アッパー・クロス・シンドローム、上位交叉症候群」と呼んだりします。

 

上位交叉症候群の方は、イラストの赤の放射で表されている部位の筋肉が硬く、青の放射で表されている部位の筋肉は弱い、という特徴があります。

 

上記の部位に、十分な柔軟性と筋力があれば、さほどがんばらなくてもイラストの右側のような姿勢を保持できるはずなのです。「保持」と書きました。ほとんどの方は「一瞬なら、数分間なら」右のイラストのような姿勢になることはできると思います。ではその姿勢で、例えば映画1本見終えることはできますか?ということをご自身に問うてみていただきたく思います。

 

今回は上位交叉症候群の姿勢の特徴の1つである「丸まった肩、巻き肩」を直すためのエクササイズを1つだけご紹介します。

 

その前に1つ言わせて下さい・・・。巻き肩に限らず、「どうしたら姿勢が良くなるのか」という質問はよくいただきます。方法はたくさんあります。ただここだけは外してはいけないというポイントがあります。それが・・・「凡事徹底」です。

 

姿勢を直すための方法で「速効性があるもの」は存在しません。「1日1分で直る、すぐに直る」とかがあるとすれば、それは嘘だと思います。確かに瞬間的には直るかもしれませんが、それはすぐに元に戻るはずです。

 

また例えば「ソフトSM」のような巻き肩の矯正に効果的なレッスンはありますし、ご参加くださっている皆様には感謝ではありますが、やはり週1回のソフトSM「だけ」で巻き肩が直るかと聞かれたら、少々難しいのではと思います。

 

日々の生活の中で気づいたら直す、気づいたら直すを繰り返すことしか根本的な解決にはならないと思います。凡事徹底は「なんでもないような当たり前のことを徹底的に行う」という意味です。気づいたら直すという当たり前のことを徹底的に行う!これに尽きると思います😊

 

では最後に上位交叉症候群にピッタリのエクササイズご紹介します。

 

上位交叉症候群の方は、❶肩甲骨が背骨から離れている、❷肩甲骨が上がり気味、❸胸筋が縮こまって肩が前に引っ張られている、➍首の前側の筋肉が弱っているなどの傾向があります。それらの傾向を一気に解消するために真逆の姿勢をとります。それが画像の姿勢です。

 

①肩甲骨を背骨に寄せる、②腕を地面に向かって伸ばし肩甲骨を下げる、③胸を開いて胸筋を緩める(腰は反らないよう注意)、④あごを引いて弱くなっている首の前の筋肉を刺激する、という4点を意識します。

 

この姿勢をとった時、いつもの姿勢とは違う筋肉が働き、いつも縮こまっている部位が伸びている感覚がつかめるでしょうか?つかめたのなら・・・普段からその筋肉を使い、普段から伸びたと感じた部位を緩めておくべきです。

 

禅寺の中には作務(掃除などの労務)を非常に重視するところがあると聞いたことがあります。作務をおろそかにするような人は、いくら坐禅を組もうとも、本を読もうとも、高い境地までいくことはまずない、ということだそうです。

 

トレーニングにおいても同じことが言えるような気がします。ハードなトレーニング、難しいトレーニングなどなどありますが、基礎中の基礎である姿勢を正すということができていなければ、いくらハードなことや難しいことをやっても十分な効果は望めないのではないでしょうか。「基礎」の上に「応用」があるということを忘れてはいけないに思います。

 

凡事徹底・・・自分への戒めとして書かせていただきました。

 

文:真木