〇〇関節は安定感が大事

些細なことでイライラしたり、理由もないのに悲しくなったり・・・情緒不安定というのは困りものですが、あの関節も不安定だと痛みの原因になるかもしれません。

 

 

 

その関節がイラストの赤い部分、仙腸関節と呼ばれる部位です。関節は可動域が大きい方が良いというイメージがあると思いますが、仙腸関節に関してはそうではないのです。ドアをイメージしてみると分かりやすいかもしれません。押しても引いても開くとか、がたつきがあるとか、やたらめったら開くとか、そんなドアは良いドアではないですよね。仙腸関節も動けばよいというものではないのです。

 

 

イラストの白い糸の集まりは筋肉ではなく靭帯です。こんな風に仙腸関節の周りにはたくさん靭帯がついていて、強固に連結されています。そのため本来は仙腸関節というのはほとんど動かず、その動きはせいぜい3~5㎜程度と言われています。

 

この「強固な連結」を可能にしている靭帯に緩みが出ることがあります。それは妊娠や中腰での作業、片足で着地することが多いスポーツなど、繰り返し負荷を与えることによって生じます。

 

仙腸関節の安定性が落ちると腰痛のような痛みが出ることがあります。腰痛の原因が腰椎や腰椎周りの筋肉ではなく仙腸関節にあるとして、知らずにストレッチを重ねていくと・・・仙腸関節の安定性が更に落ち、腰痛が悪化する😣なんてことになる場合もあります。ストレッチをしても腰回りの重だるさが和らがないという場合には、もしかしたらもしかすると仙腸関節に原因があるのかもしれません。

 

 

 

そういう方がすべきことは「伸ばす」ではなく「鍛える」です。緩んでしまった靭帯はどうしようもありません。安定性を高めるためには、靭帯の代わりに筋肉にがんばってもらうしかないのです。

 

ちなみにこの理論は膝にも当てはまりますね。軟骨等が減って生じる膝の痛みというのは、中年期以降の方の多くが直面する問題です。減ってしまったものは仕方がありませんので、その分を筋肉で支えていくことが大切です。幸い、筋肉というのは鍛えれば強くなる、一旦弱くなってもまた強くすることができる、という大変にありがたい可逆性を持っています。復元光線がなくても、努力によっていくらでも時計の針を巻き戻すことができるのです😄

 

 ということで、最後に仙腸関節の安定性を高めるためのちょっとした動きをご紹介します。ちなみにこの動きは腰痛をお持ちの方だけでなく、筋トレをする全ての方が心掛けると良いと思います。なぜなら、仙腸関節の安定性を高めるだけでなく、プリっとしたお尻づくりに効果あり!だからです😆特に、お尻の下の方がたわんでくるお年頃の女性の皆様、とってもオススメですよ♡

 

Thrust(スラスト)と呼ばれる動きです。スラストには「押す、突き刺す」といった意味があります。何をどこに突き刺すのか・・・気になるところです。

 

このイラストの中にスラストが隠れています。椅子を使ったただのスクワットに見えますが、立ち上がった男性の骨盤にご注目下さい。最後に骨盤を一押ししているのが分かりますか?これこそがスラストです。

 

真木がよくレッスン中に「お尻を締める」と言いますよね?特にスクワット系の動きでは、立ち上がった最後にお尻を締めるようにキュー出ししています。あの時、皆様に行っていただきたいのが、このスラストなのです。

 

スラストで「突き刺す」のは恥骨です。「恥骨を前方に押し出す・突き出す・押し付ける」ようにします。言い換えれば、「骨盤の後傾」です。

 

恥骨を突き出す以外にもう1つポイントがあります。それは、股関節の外旋、つまり足裏をしっかりと床につけたまま太ももを外巻にする(膝のお皿が外を向く)です。股関節の外旋はスクワット系の動きの時には常に意識すべきポイントです。

 

 

なぜスラストがお尻の下のたわみに良いのか・・・それは、スラストを行うと、大殿筋のみならず、イラストの赤矢印の部分である深層外旋六筋という筋肉群が働くからです。深層外旋六筋はお尻の下の方についていますよね?ここをしっかり使うことが、たわみ改善にとって重要なのです😊

 

スラストは筋トレ中はもちろんのこと、普段の生活にも取り入れられますよね?椅子から立つ時、トイレから立つ時、いつでもどこでもスラストして、桃尻を目指しましょ~😆

 

文:真木