81キロ分の豆

クリスマスも終わり、次は・・・お正月!そしてお正月と言えば、おせち!おせちの中で一番好きなのは何ですか?

 

ネット上で見つけた5,252名に対して行ったアンケートによると、栄えある1位は栗きんとんです!伊勢海老(もしくは海老)が続き、第3位が同率で数の子と黒豆、第4位が伊達巻だそうです。どれも捨てがたいですね~。個人的には栗きんとんと黒豆で甲乙つけがたい・・・

 

ちなみに栗きんとんの意味は「一年の豊かさと勝負運の向上を願う」で、黒豆は「元気・丈夫・健康な生活を願う」らしいので、シャキットとしては黒豆に軍配を上げたいと思います😄ということで、今日のブログの主役は豆です。

 

 

オーストラリア在住のボウ・マイルズさんが自らの体重(81キロ)と同じ量の豆だけを食べた40日間の記録「The Human Bean:」のご紹介です。おそらく、「人間」を意味するHuman being(ヒューマン・ビーイング)とかけてヒューマン・ビーンという題にしたのだと思います。

 

ボウさんは「おけら部落(原題トルティーヤ・フラット)」という小説で、貧しくて毎日の食事が豆だけという9人兄弟がとても健康だったというシーンに触発され、自分の体で実験をしてみたくなったそうです。ちなみにボウさんの職業は、本を書いたり、短編映画を撮ったりする、「自由人」です。

 

挑戦を始めるにあたり、6種類の豆缶を大量買いです。実験中は血液検査もするのですが、ボウさんはランナーでもあるので、「血液検査でわかる数値よりも、食べ物が走っている時の自分の気持ちにどういう影響があるか」に興味があるそうです。ということで、40日後に開催される予定の50キロのトレイルランで最後の1缶を食べると決めています。

 

食べるのは豆缶だけですが、気がふれてしまわないよう、ミルクを入れた紅茶はOKにしたそうです。

 

自宅ではもちろんのこと、自転車に乗りながら豆缶、電車の中でも豆缶、出演したラジオ番組中も豆缶、いたる所で食べています。電車で豆缶を食べるシーンを見てオーストラリアに留学していた頃に見た光景を思い出しました。電車の中で食べ物を食べている人というのは普通にいたのですが、ある男性がビニール袋いっぱいの巨大ズッキーニを持って電車に乗り込んできて、そのズッキーニをおもむろに食べ始めたのです。周りの人は誰も気にしている様子がないのですが、私は目が釘付けになってしまいました。男性は1本目の巨大ズッキーニを簡単に平らげ、2本目、3本目・・・わずか数分の間に袋の中のズッキーニが次々消えていくではありませんか・・・!私の方が先に降りてしまったので、男性が果たして何本のズッキーニを平らげたかは不明ですが、あの男性ももしかしたら「ズッキーニだけ生活」でもしていたのかもしれません・・・。

 

話を戻します。豆缶のラベルは実験開始前にはがしているので、中身が何かはわかりません。こちらは缶を開けてみて2回連続で黒豆缶が出てきた時のがっかり顔です😅

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、食べ終わった豆缶に豆を植えて育てるということもしています。山内さんにも豆の栽培お願いしてみようかな~😄

 

肝心のボウさんの「気持ち」に関してですが、開始4日目くらいで「エネルギーが出ない感じ」になっているのですが、これはどうやら豆缶生活のせいではなく、それまで毎日何杯も飲んでいたコーヒーを飲んでいないため、カフェインの禁断症状だったようです。

 

時々、山の中を5~7キロほど走っている様子も流れるのですが、その時は「至って平均的」だそうです。2週間が過ぎたあたりで、少しイライラすることもあったようですが、そこを越えると、「詩人のような気持ちになったり、緑という色が違って見えたりして、この実験を楽しんでいる」と表現していました。

 

1日に食べる数は大体5~6缶(1缶は420g前後)なのですが、3週間目に7缶に増やし、次の日の朝のランニングがどうなるかという実験もしています。結果は、20年以上のランニング生活の中で最短の4キロしか走れませんでした。豆と言えども、食べ過ぎはよろしくないようです。

 

 

 

 

 

こちらの画像で持っているのは100缶目の豆缶です。挑戦が終わったら食べたいのは、バナナ、リンゴ、山盛りの野菜、たっぷりの牛乳、そして自分の頭と同じくらいのサイズのパン、だそうです。(ボウさんはベジタリアンではありませんが、元々、お肉や魚はそれほど食べない生活をしていました。)

 

 

 

 

 

さて、いよいよ50キロのトレイルランの当日です。リュックに豆缶を詰め込み出陣です。

 

レース中に最後の1缶を食べ切ります。実験開始から40日、食べた豆缶の総数は191缶です。(トマト味80缶、インゲン豆30缶、黒豆20缶、4種のミックス40缶、メキシカン10缶、バタービーンズ10巻、ギリシャ豆1缶)体重は約4キロ落ちました。

 

 

 

 

 

 

豆缶生活が始まる前の最後の食事でボウさんが食べたのはサンドイッチでした。そして、豆缶生活が終わったボウさんが最初に食べた食事もサンドイッチです。

 

40日間の実験でボウさんは自分自身に関する洞察を深めることができたようです。それは、豆だけでも十分にエネルギーを感じていられるということだけでなく、今後も楽ではない挑戦を続ける、そういう状況に自らを追い込みたくなるようになる、ということです。自分自身でもまだ知らない自分がいて、「未知の世界」に冒険した気持ちがあるそうです。

 

ということで、豆が健康に良いということは周知の事実だと思いますので、今回はそこは触れません。私も2022年は「楽な道」ばかり選ばずに、未知の世界に挑戦し続け、いまだ発見できていない自分自身を見つけられたらな~と思いました。その前に年末年始で黒豆をたっぷり補給したいと思います😄

 

文:真木