30日の超加工食品

米国糖尿病学会による「超加工食品」の定義は「糖分や脂肪、塩分を多く含む加工済みの食品、硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料など添加物を加え、工業的な過程を経て作られる、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」です。

 

日本で使われている食品添加物ってどれくらいあるかご存知ですか?厚生労働省が指定する指定添加物が約450品目、昔から使用されていて安全だと考えられている既存添加物が約360品目、植物や動物が原料の天然香料が約600品目、食品由来のもの約100品目など、合計で1500以上だそうです😱世界でもこの数は多い方に属するそうです。

 

食品添加物に関しては、安全派と危険派の両方の意見があり真実が見えづらいですが、「安全な量」というのは動物実験の結果から算出されたものであり、人間で調べたデータはない、ということは知っておく必要があると思います。また、「安全な量」と定められた数値も「1つの食品添加物」を摂った時の数値であり、「複数を長期間」摂り続けたらどんな影響があるかは定かではない、という点に怖さを感じます。「過度に恐れてはいないけど、自衛のために避けられるものは避けたい」というのが私個人のスタンスです。

 

 

今日はBBCの動画「イギリス人医師が30日間、1日の食事の80%を超加工食品にした」をご紹介します。

 

上記に食品添加物の長期的な影響は不明と書きましたが、30日後、一体どんなことが起きるのでしょうか・・・。

 

挑戦されるのは、医師でありテレビ司会者でもあるChris Van Tulleken(クリス・バン・タルカン?)さん、43歳です!ちなみに一卵性双生児の片割れ・アレクサンダーさん共々、イギリスでは有名な兄弟のようです。

 

普段の食生活はいたって健康的なクリスさんが、1日の食事の8割を超加工食品にし、30日後に体にどんな変化が起きるかを追うドキュメンタリーです。日本一国の数値は見つけられなかったのですが、現代は多くの国で超加工食品が一日のカロリー摂取量の25~60%を占めているそうです。また、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年の2月から3月の超加工食品の売り上げは、前年の同時期と比べると2割近く伸び、中でもインスタント麺やレトルトカレーが7割増を記録したそうです。家に閉じこもって太陽も浴びずに、食品添加物を沢山摂っていたら・・・体が弱って感染リスクが逆に上がりそうですね・・・😭

 

 

実験開始1日目の朝食のフライドチキンに始まり、冷凍ラザニア、シリアル、冷凍ビザ、ハンバーガー、冷凍フィッシュ&チップス、プロテインバーなどなどを食べる様子が動画では見られました。プロテインバーには「食物繊維もたんぱく質も含まれるからヘルシーだね」と言っていましたが、工場で作られた物で複数の添加物が含まれるので「超加工食品」としてカウントされます。

 

 

こちらは10日目、ご自宅のトイレで意気消沈している様子です。💩出ないそうです😅その後も度々、便秘に悩まされたようで、「48時間出てない😭」と言っている場面もありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこちらは25日目の朝4時のご様子。胸焼けと頭痛で眠れないと語っています。その他の変化として、「食欲が抑えられなくなった」とも言っていました。プリンのようなスイーツを食べながら、「エンジョイしているわけじゃないのに、やめられない」と奥さんにもらしていました。

 

 

 

 

 

 

では、いよいよ30日後の結果を見ていきたいと思います。

左が実験前、右が30日後のクリスさんです。実験前の自らの姿に対しては、「一般的な中年男性だね。」と余裕の表情でしたが、30日後の姿を見て「胸が大きくなったね・・・」と苦笑いです。「お腹も出ましたね。」と肥満治療の専門家につっこまれていました。

 

 

体重は6.5キロ増、BMIも2.0上がり「標準」から「軽度肥満」になってしまいました。体脂肪も3.0キロ増です。「この速度で体重が増え続けたら、半年で6ストーン増えてしまう。」とクリスさんは唇をかみしめていました。ちなみにストーンというのはイギリス英語で、私も意味が分からなかったのですが、1ストーンが約6.35キロで、6ストーンで約38キロです。半年で38キロ増は恐怖ですね・・・。結果発表の時に流れるバックミュージックは若干悲壮感があり、超加工食品の恐怖が煽られる感じがありました。

 

専門家からのダメ出しはまだ続きます。クリスさんご自身が一番知りたいと思っていた、「ホルモン」に関してです。30日間で食欲を抑えるホルモンは30%低下し、反対に食欲を増すホルモンが30%上昇してしまったそうです😭実験前より「食べたい欲求」が60%も上がったことになります。「だから食欲を抑えられなかったんだ」とクリスさんは納得の様子でした。

 

脂肪が増えたことや食欲を抑えるホルモンが減ったことだけでも十二分に怖さを感じますが、ある意味、予想の範囲内です。ところが、それ以上の変化があったのです。そして、この変化に関しては、専門家の方すら絶句だったようです。その変化とは・・・

 

 

MRIスキャンによって判明した脳内での変化です。左側では青線、右側では青丸が、脳の各部位が「どのように交互にリンクしているか」を表しています。そして赤い線(左右共に)は30日前には存在しなかった「つながり」なのだそうです。この新たな「つながり」が何と何をつないでいるかと言うと・・・「脳がご褒美だと感じること」と「繰り返し、かつ自動的に行う行動」を結び付けているのだそうです。意味がよく分かりませんね?これは、「自分自身が願ってもいないのに、脳が超加工食品を食べるように指令を出す」脳になってしまったということなのです。つまり・・・中毒!わずか30日の間に「超加工食品中毒」になってしまった、というわけなのです😱通常の食事をしていれば、4週間で脳にこのような変化が生じることはあり得ないそうです。超加工食品・・・やっぱり怖いですね😱

 

動画の最後はクリスさんと専門家の女性が、脳が成長過程にある子供たちが超加工食品を食べることの危険性を憂うという形で終わりました。大人はもちろんのこと、小さなお子さんの保護者の方は、超加工食品には体重うんぬんよりももっともっと深刻な変化を体にもたらす危険性があるということを知っておくべきかもしれません。

 

文:真木

 

⇓字幕ありません。スミマセン。