運び屋を操るには

クリント・イーストウッドが監督・主演を務めた「運び屋」という映画、見たことありますか?私はクリント・イーストウッドの映画は大体見ており、こちらも映画館まで足を運んだ記憶があります。

 

実際の事件を題材にしている映画です。イーストウッド演じるアール・ストーンは地域の人々から尊敬される有名な園芸家でした。仕事一筋で、娘の結婚式よりも仕事を優先させるという一面もありました。

 

園芸家として賞を受賞するなど、成功を収めていたのですが、時代が変わりインターネットが普及し始めると、その波に乗り遅れたアールは園芸で生計を立てることが難しくなり廃業します。

 

家族と別居していたアールが、ある日、自宅に立ち寄ると、そこでは孫娘の婚約パーティーが行われていました。娘(孫娘の母親)はアールが来たことに、あからさまに嫌な顔をします。そんなアールにある青年が声をかけてきます。「仕事をしないか?」と。胡散臭いと思いつつも、廃業したアールは背に腹は代えられないと、指定された場所に向かいます。

 

その場所には見るからに怪しい男たちがいました。アールの仕事は「車で指定の場所まで行く」それだけです。指定先に着いた後は、車を降り、その場をしばらく離れます。車に戻ってきた時には、車に大量の札束が入った紙袋が置かれています。

 

家族との仲を修復したいアールは、孫娘の結婚式の費用を捻出するために、犯罪に加担していることに気づきつつも、仕事を引き受け続けます。高齢者であり、安全運転だったこともあり、アールが警察に麻薬の運び屋だと疑われることはありませんでした。

 

ちなみにこの映画のモデルとなったリオ・シャープは2009年に運び屋をはじめ、2011年に逮捕されるまでに、1トン以上を運び、100万ドル以上稼いだそうです。3年の実刑判決がでましたが、病気のため1年で釈放、92歳で亡くなるまで自由を謳歌したそうです。

 

撮影当時87歳のクリントウッドの圧巻の演技、犯罪者の話であるにもかかわらず随所に流れる軽妙な感じ、勧善懲悪ではないグレーな内容なのに「スッキリしない」感じもなく・・・不思議な魅力的な映画でした。クリント・イーストウッド好きにも、そうでない方にもおすすめです😊

 

 

アールが運んだのはコカインですが、私たちの体の中にも「運び屋」がいるんです。その名も、グルコース・トランスポーター・タイプ4です!なんだかカッコいい名前ですね。略してGLUT4(グルット4)と呼ばれています。

 

GLUT4が運ぶのは炭水化物です。そしてその配達先は主に2つ・・・筋肉と脂肪細胞です。筋肉に運ばれれば、炭水化物はグルコーゲンとしてエネルギー源になります。一方、脂肪細胞に運ばれるとグリコーゲンとして貯蔵されます。早い話が脂肪になるということです。だとしたらGLUT4には、脂肪細胞には立ち寄らずに、筋肉に直行してもらいたいですよね?でもそんな都合の良いことは可能なのでしょうか・・・?

私たちが食事をすると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは寝ているGLUT4を叩き起こし、「運べ!」と指示します。そのためGLUT4を働かせるためには、インスリンは必要不可欠だと考えられてきました。ところが、インスリンがなくてもGLUT4が輸送作業をすることが分かったのです。その方法とは・・・

 

運動😄毎度お馴染み運動😄😄筋肉を動かすと、インスリンが分泌していなくても、GLUT4が活性化し、血中のグルコースを筋肉に運んでくれるんです。脂肪細胞へではなく、筋肉へ直行してくれます😊

 

 

運動以外では何か方法はあるのでしょうか。可能性があるかもしれないと言われているのが・・・緑茶!これはマウスでの実験によって出された仮説なので、もしかしたら人間では同じようにはいかないかもしれませんが、期待を込めてご紹介です。

 

緑茶に含まれるカテキンの一種であるEGCgにはGLUT4を活性化させる作用があるそうです。GLUT4が活性化しているか否かは、血糖値をコントロールする意味でとても重要です。運ばれるグルコースが、EGCgの働きかけによって、筋肉に届くのか、脂肪細胞に届くのか、そのあたりは不明でしたが、少なくともGLUT4が寝ている状態よりはずっと良いようです。

 

ちなみに私は、EGCgがインフルエンザ予防に効果があると聞いてから、冬になるとよく飲むのですが、おかげかどうかは分かりませんが、周りにインフルが続出しても、かかることなく過ごせています。インフルエンザ予防になり、なおかつGLUT4を活性化してくれるのなら、一石二鳥のありがたい話です。

 

 

GLUT4は炭水化物の運び屋ですが、炭水化物と言っても、精製されたものとそうでないものがあります。「炭水化物は太る」と思われがちですが、個人的には精製されていない炭水化物はそれほど怖がる必要はないと思っています。精製された炭水化物を余分に摂ってしまったな~という時には、緑茶でも飲んで、運動してください!

 

なんだかいつも運動賛美の内容になってしまいますが、シャキットのブログだからというのもありますが、運動って調べれば調べるほど良いことしか出てこないんです😊

 

文:真木