決めるのはあなたではない

サンドイッチマンのお二人がシャキットに遊びに来てくれたのは2017年です。人気者なのに威張った感じが全くなく、それどころか緊張する我々を気遣って話しかけてくださったりと、とても優しい謙虚な方々でした。お二人が書いて下さった色紙はシャキットの更衣室内に飾ってありますが、実はもう1枚あるんです。図々しくも特大色紙にもサインをお願いしたところ、嫌な顔を微塵もされずに、ササっとサインをして下さりました。そちらは事務所内に大切に飾ってあります。そんなサンドイッチマンのネタに「カロリーゼロ理論」がありますよね。例えば、

 

😆カロリーには色がついているから、白いものにはカロリーがない。だからご飯もお餅もゼロカロリー

 

😆カロリーは真ん中に集まっている。だから真ん中が穴になっているドーナツはゼロカロリー。

 

😆カロリーは熱に弱い。だから油で揚げたとんかつはゼロカロリー

 

😆肉をミンチにすると小さすぎてカロリーは入らない。だからハンバーグはゼロカロリー。

 

😆ピザにはカロリーがあるけど、トマトソースがカロリーと戦ってくれる。リコピンは最強でいつもカロリーに勝つから、ピザのカロリーは消滅する。

 

などなど。どれほどの人たちがこの「ゼロカロリー理論」に救われて(?)いることでしょう😆では、ここからは現実的な問題に目を向けていきたいと思います・・・。

 

 

たくさん写真を並べましたが、こちらはゼロカロリーではなく、いずれもそれぞれ200kcal分の食べ物です。ところで、今でも私たちを太らせる犯人は「カロリー」だと考えている人は多いと思います。カロリーが単独犯ではないとしても、「主犯格」として捉えられる風潮は根強いように感じます。

 

もしカロリーが犯人だとすれば、写真にあるように、半分のハンバーガーと山盛りのセロリは「同程度」に私たちを太らせるということになります。「あんなにセロリを食べられる人はいない。そんな仮説は現実的ではない。」と思われるでしょうか。では、半分のハンバーガーとアボカド1玉はどうでしょうか?アボカド1玉なら食べられますよね?半分のハンバーガーとアボカド1玉は「同程度」に私たちを太らせるのでしょうか?

 

答えはノーです。「カロリー犯人説」は完全なる嘘ではありませんが、大切な1点を見落としているのです。

 

 

カロリーはイラストのような機器で測定されます。食べ物を酸素で満たされた密閉容器に入れます。さらにその容器は水が入ったタンクに入れられます。食べ物を完全に燃やすと、燃焼によって生じた熱によって水の温度が上がります。もし水が20度上がれば、その食品は20キロカロリーということになります。

 

これは「物理学」です。ところが私たちの体は「物理学」だけをもって理解できるわけではありません。私たちの体がこの機械のように、口から入った食べ物を火で燃やすのならば、カロリーだけを気にすれば良いですが、人体というのは、体内に入ってきた食べ物の「性質」によって、さまざまな反応をします。「カロリー犯人説」に欠けているのは、「人体がどのように反応するか」という「生理学」の視点なのです。

 

 

口から入った食べ物に対し、体がどう反応するかを決めるのは、私たちの「意志」ではありません。もちろんサンドイッチマンの伊達さんでも富澤さんでもありません。決定権は体にあります。

 

私たちが200キロカロリーのコーラを飲もうと、ちょっと気をつけてゼロカロリーのコーラを飲もうと、体にとっては「知ったこっちゃない」のです。体は入ってきたものが「何キロカロリーか」なんていうことは察知しません。

 

食べ物に対して体がどう反応するかは、その食べ物に含まれる「情報」に関係しています。

 

例えば、ドーナツに含まれるのは、「ほぼ100%精製された炭水化物」という情報です。卵に含まれるのは、「精製されていない自然なたんぱく質と脂質、わずかな炭水化物」という情報です。同じく200キロカロリー分のドーナツと卵を食べたとしても、含まれる情報が違うので、体の反応も違います。

 

ドーナツを食べるとインスリン(膵臓でつくられるホルモン)は急上昇し、そして急下降します。結果として、私たちはドーナツを食べても満腹感は得られず、またすぐにお腹が空く、という状態になります。それだけではありません。インスリンは体に脂肪を蓄えようとするホルモンなのです😭

 

一方の卵ではどんな反応が起こるのでしょうか。卵に含まれる情報ではインスリンは急上昇しません。摂取した200キロカロリーも蓄えられることなく、エネルギーとして使われるのです😄更に更に、卵に含まれるたんぱく質や脂質はインスリン以外のホルモンの分泌を促します。例えば、コレシストキニン(十二指腸や空腸から分泌)やペプチドYY(消化管から分泌)です。これらのホルモンには満腹感を与えるという働きがあります。

 

丸1個にも満たない200キロカロリー分のドーナツで満腹感を得るのは難しいですが、200キロカロリーに相当する3個の卵はけっこう満足感を得られますよね?同じ「200キロカロリー」であったとしても、含まれる「情報」によってこれほどの違いを生むというわけです。

 

 

私たちが食べ物を食べている時には、カロリーだけではなく、「情報」も一緒に食べているんですね。カロリーだけを気にして、大切な情報を見落とさないようご注意を~😄

 

文:真木

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    Etsuko.S (火曜日, 02 11月 2021 17:41)

    以前、ダイエット迷子になった末に辿り着いたのがPFCバランス計算でした。その時にカロリーではなく
    バランスの大切さを知りました。
    今ではもう面倒くさくてやってませんが笑 それでも口に入れる物は
    お陰で意識するようになりました。
    以前、blogで仰ってた超加工食品も
    意識して食べないようになると
    それが普通になるし素材の美味しさがわかるようになりますよね(*Ü*)

    シャキットを続けて
    運動と食事は本当に大切だと
    実感させて頂いてます
    感謝(*´ω`人)感謝

  • #2

    シャキット真木 (火曜日, 02 11月 2021 21:51)

    PFCバランス計算というのは初耳でした。タンパク質と脂質と炭水化物の比率を出すんですね。大変そうですが、意識づけには良さそうですね。

    「何を食べるか」ばかり考えがちになりますが、「何を食べないか」を決めると良いということを聞いたことがあります。それこそ超加工食品や人工甘味料、アミノ酸や○○エキスといった添加物を避けるだけでも、体に及ぼす悪影響は減らせられると思いまします。おっしゃる通り「素材の美味しさ」を感じられるようになりますね!

    今後も色々な体験談お聞かせ下さい!