減量のためにやめた5つのこと

「痩せるために〇〇をする」のように「目的を達成するために何かをする・始める」というは一般的な思考のあり方だと思います。反対に「目的を達成するために何かをやめる」ということには、なかなか考えが至りません。時には発想を逆転させることで、新しい突破口が見えてくれるかもしれません。

 

ということで、今日は45ポンド(約20キロ)痩せた自らの経験を活かして現在はトレーナーとして活躍しているケイティ・ダンロップさんの動画「減量のためにやめた5つのこと」の抜粋をご紹介します。

 

 

左側が75キロだった頃のケイティさんです。小学校の高学年の頃あたりから体重が増え始めました。高校生の頃にはダイエットをするようになり、大学生の時にはダイエットサプリにも頼るようになりました。その時の人生の唯一の目標は、「痩せること」だったそうです。

 

痩せてはリバウンド、痩せてはリバウンド、を繰り返し、大学卒業時には、すっかり「人生の迷子」状態に。自らの外見のみならず、内面にもうんざりしていたそうです。アメリカでは、多くの人が大学生になると家を出て、大学卒業後も親と同じ家に住むというのは、「恥ずかしいこと」と捉えられる傾向があります。ケイティさんは大学卒業後も実家で暮らしていましたが、ある日、お父さんと大喧嘩をしました。お父さんは「世界一優しい人」で、そういう人に八つ当たりをした自分の内面の醜さにほとほと嫌気がさし、「いい加減、変わらなきゃいけない」と「生まれ変わる」決意をしました。

 

まずは自分の内面を見直すことから始めました。そして、それまでの「痩せるためだけ」の滅茶苦茶なダイエットを改め、「自らの体をいたわること、心からハッピーと思えることを実践する」ことに決めました。

 

 

ケイティさんがやめたことの1つ目は「運動のし過ぎ」です。それまでは運動をするとなったら、「毎日2時間も3時間もやらなきゃダメ」と思っていたそうです。ところが、大抵は3週間も続かずに「電池切れ」になってしまい、「パタッとやめる」というパターンを繰り返していました。やる時は極端にやり、体も心もボロボロになったら、完全に止まるというそれまでの方法を改め、まずは「毎日10分」と決め、そこから少しずつ時間を伸ばし、運動することを「習慣化」したそうです。

 

以前のケイティさんのやり方、実は「シャキットあるある」なのです😅書いて良いものかどうか正直迷いましたが・・・初めて来られるお客様が、レッスンを受けられる前に「回数券買います!」と来店早々に回数券を購入されたり、初回のご予約の際にまとめて2回目・3回目以降の分も予約されたり、1回目のレッスンの後に「毎日来ます!」とおっしゃられたり、とにかく「勢いのある方」というのは、9割がた長続きしません。正に急発進からの急ブレーキ・・・「この人、続かないだろうなぁ」と心の中で思っています。そしてその予測は大体当たります😭

 

 

ケイティさんがやめた2つ目のことは、「毎日体重計に乗る」です。体重計に表示される数値に、一喜一憂することは精神衛生上よろしくない、と気づいたそうです。

 

体重計の代わりにケイティさんが始めたことは、メジャーで周径を測ることと、写真を撮ること、です。これは私も大賛成です。体重計で得られる情報というのは非常に限られています。体重が分かったところで、そのうち筋肉量がどれくらいなのか、体脂肪がどれくらいなのかということは分かりません。(体脂肪率が表示される体重計であっても、家庭用の体重計で正確な数値を導き出すのはほぼ不可能です。)であるならば、ケイティさんのように周径がおすすめです。脂肪が筋肉に変われば、必ず周径は小さくなります。(筋トレで筋肉が肥大し、周径が大きくなることもありますが、シャキットでのトレーニング程度で筋肉が肥大することは考えにくいです。)

 

自分では見づらい後ろ姿やお尻の上がり具合などは、写真にすると変化を追いやすくなると思います。ご自身の姿勢を客観視するためにも写真という方法は良いと思います。

 

もう1つおすすめするなら体温です。体温が上がった場合には、筋肉量が増えたことが一因として考えられます。毎日毎日体重計に乗って大して役にも立たない情報を得るくらいなら、ご自身の平均体温を知る方が良いと思います。もちろん自己管理のために、時々体重計に乗るのは良いと思いますが。

 

 

3つ目は「ネットの情報洪水に飲み込まれないようにした」です。それまではインスタグラムなどでモデルやインフルエンサーの投稿を一日中見ては、自分と比較し、自己嫌悪に陥るということをしていたそうです。毎日体重計に乗ることと同様に、心にネガティブな思いを積もらせるだけだと気づき、ネットサーフィンの時間を減らし、「自分にフォーカスする」と決めたそうです。また、ネットでそういった投稿を見たとしても、「みんなそれぞれ頑張っている」という風にプラスに受け止めるように努力したそうです。

 

「己心(こしん)の魔」という言葉を聞いたことがあります。人間はどうしても「外」に原因を求めなくなります。自分の苦しみ・悲しみ・不幸の原因を、自らの外側で探したくなりますが、その苦しみ・悲しみ・不幸を呼び込んでいるのは、自分自身の中にある「己心の魔」であって、他ならぬ自分自身が手引きしてしまっている、という意味だそうです。嫉妬の感情が全くない、人をうらやむ気持ちが微塵もない、という人間はいないと思いますが、そういう気持ちが沸いた時には、ネガティブな思いを抱くのではなく、「自分もこうなりたい・こうありたい」と願えるよう人間になれるよう、ケイティさんのように努力したいと感じました。

 

 

4つ目は「ネットフリックスをやめた」です。ソファにダラッと横たわって何時間もネットフリックスを見て、時間を無限に無駄にすることをやめようと決心したそうです。ネットフリックスを見ると、ついつい間食をしてしまう、ということもあったようですが、それ以上に、「建設的な時間の使い方をしたい」という思いがあったようです。ネットフリックスを見るなら、必ず運動後、もしくは室内バイクなどで有酸素運動をしながら見る、というルールを自らに課したそうです。

 

 

5つ目はケイティさんが「最も大事なこと」だと言う「ダイエットをやめた」です。ケイティさんはあまたのダイエットを試してきました。アトキンスダイエット(炭水化物を減らし、タンパク質・脂質を積極的に摂る)、パレオダイエット(旧石器時代の食事、農耕に頼らない食事)、ケトダイエット(糖質を1日のエネルギー摂取量の10%以下に抑える)、キャベツダイエット、ジュースクレンズ(一定期間、固形物を摂らずジュースのみ)などなど。こういった「極端」なダイエットをすると、一時的には体重は落ちるものの、やめれば体重は元に戻り、「ローラーコースターのように体重が変動して、体に可哀想なことをした」と言っていました。何かを極端に減らすとか、何かだけを重点的に食べるというのではなく、普段の食事に野菜などの健康的な物を加える、水を飲むようにする、ジャンクフードや甘い物を食べ過ぎないようにする、といった「当たり前の健康的な食事」を習慣にしたそうです。

 

いかがですか?こうやって並べてみると、特段、目新しいことはなかったようにも思いますが、ついついやってしまうことでもあると思います。食事も運動も気持ちの持ち方も、極端を避け、「淡々と粛々と」が心身ともに健康でいるための秘訣のように感じました。

 

文:真木