自助の精神

「天は自ら助くる者を助く」はイギリスの医師・作家であるサミュエル・スマイルズの著作の中の言葉です。原著のSelf-Help(セルフ・ヘルプ)は日本では「西国立志編」という題名で中村正直によって翻訳・刊行されました。最近は「自助論」というタイトルでさまざまな人によって翻訳・刊行されているようです。「西国立志編」は福沢諭吉の「学問のすすめ」と共に、明治時代の2大啓蒙書と言われているそうです。

子供には「努力は報われる」といったことを教えたとしても、大人であれば、世の中には理不尽なこともあると知っていますし、必ずしも努力が100%報われるわけではないことも分かっています。そうであっても、なお、社会や環境や人のせいにすることなく、自助努力を続けることで、どこかの段階で天(神様)が手助けしてくれる、それが「天は自ら助くる者を助く」ということだと思います。

 

 

 

大変おこがましいことですが・・・神様の立場になって考えたら、「そりゃそーだ」という気もします。これと言った努力もせず、「神様お願いしま~す!助けてくださ~い!どうにかしてくださ~い!」という人間がいたら・・・「少しは自分で頑張れよ!」となる気がします・・・。

 

そう言えば、もうだいぶ前の話ですが、塾で中学生に英語を教えるバイトをしていました。一生懸命の子もいれば、親御さんに無理矢理行かされているという感じの子もいました。私の力不足と言われれば、それまでなのですが、本人が最低限の文法や単語を覚えてくれないことには、いくら教える側が頑張ってもどうしようもない部分があります。文法・単語の暗記は本人が努力するしかないことです。時々、親御さんからなかなかの剣幕で電話がくることもありました。「どうしてうちの子、英検に受からないんでしょうか!」と・・・😅「おたくの息子さんが単語を覚える気が全くないからです。」とは言えませんでした。私も若かったので。今だったら言えるんですがね(笑)何事も、他力本願では叶わないということだと思います・・・。

 

 

なぜこんなことを書いたかと言いますと・・・このご時世、私たちは今一度、自助努力について考えるべきなのではないかという気がしたからです。

 

2021年現在の日本の人口は約1億2700万人、世界の人口は約79億人です。日本人は世界の人口の2%にも満たないということになります。コロナが始まってから、すっかり影をひそめたインフルエンザですが、世界人口の2%にも満たない日本人がどれほどのタミフルを消費していたかご存知ですか?な、なんと約70%です😱また、厚生労働省によると75歳以上の40%以上が5種類以上の薬を飲んでいるそうです。

 

我々日本人は、どこかで「病気は医者が治すもの、病院が治すもの、薬が治すもの。」と考えている節がある気がします。現に、今も、ワクチンが良い、イベルメクチンが良い、抗体カクテルが良い、等々の薬や治療法に関する話ばかりが盛り上がっているようですが、一番大切な観点が抜けて落ちている感じがしてならないのです。「自助努力によって、自己の免疫力を高める」、これがどんな病気であっても(先天性の病気などは別として)、また病気を防ぐ意味でも一番大切なことだと私は思っています。

 

先日、兵庫県の尼崎でコロナの患者さんを沢山救っていらっしゃる長尾和宏医師の動画(YouTubeでは長尾医師の動画はどんどん削除されているようなので、ニコニコ動画で見ました)を見ましたが、その中で長尾医師がおっしゃっていたのは、高齢者以外で重症化している人のほとんどは「5・60代の肥満の男性」とのことでした。肥満がコロナ重症化のリスクであることは、前々から指摘されていました。肥満以外にも、喫煙や過度の飲酒など、重症化のリスクを高める要因として挙げられていることはいくつかあります。こういった要因はどれも自助努力で解決できることばかりです。

 

 

個人的にはコロナにかかること自体は大きな問題ではないと思います。(もちろんかからないに越したことはないですが。)大事なのは、かかっても重症化しないということだと思います。重症化するかしないか、それを左右するのは個々人の免疫力です。

 

食生活を改め体重・体脂肪を落とす、禁煙する、過度な飲酒をやめる、という以外にもできる自助努力はあります。

 

今年の4月に出た論文をご紹介します。日本で行われた研究ではないのですが、コロナが重症化しやすいリスクを、被験者の普段の運動量ごとに比較した実験です。被験者は2020年1月1日から2020年10月21日までにコロナと診断された48,440人の成人です。いずれもワクチンは未接種です。

 

被験者は3つのグループに分類されました。Aグループは1週間に150分以上運動していた人たち、Bグループは1週間の運動時間がに11分以上149分未満の人たち、Cグループは1週間の運動時間が0~10分の人たちです。

 

重症化のリスクを判定するにあたっては、年齢・性別、喫煙者か否か、糖尿病を持っているか否か、肥満か否か、高血圧か否か、心疾患や腎臓疾患を持っているか否か、といった項目も数値化されました。そして、分析の結果わかったことは・・・Cグループが最も重症化しやすく、死に至る危険性も高いということです。そして、最も重症化しづらいグループがAでした。ちなみにBグループはCグループよりは重症化の危険性が低いものの、Aグループほどではない、という結果でした。

この研究はシャキットのお客様にとっては朗報だと思いましたので、今回ご紹介させていただきました。皆様の自助努力は無駄になっていないということです😄

 

文:真木