日本人なら是非ともマスターしたい

日本が世界に誇る武士道。武士道と聞いて、思い浮かぶ人物はいますか?私は吉田松陰です。長州藩の藩士であり、教育者であり、明治維新の精神的指導者でもあった吉田松陰。

 

幼い頃から厳しい教育を受けていた吉田松陰は、なんと10歳の頃には藩校明倫館の兵学師範として教壇に立ち、11歳で藩主に兵学抗議をしていたそうです!すごすぎる!

 

その後、清がイギリスによって攻め込まれ、国が滅茶苦茶になっているという話を聞いた松陰は、日本も危ないと思うようになったそうです。日本を強くするためには、外国のことを知る必要があると考え、24歳でアメリカの黒船に乗り込むという命がけの計画を決意。残念ながら、計画は失敗に終わり、松陰は投獄されてしまいました。

 

釈放された後には、身分に関係なく学問を学べる「松下村塾」を開き、志のある若者を育成しました。1858年に幕府が日本にとって不利益な日米修好通商条約に調印したことを、松陰は死刑を覚悟の上、激しく非難し、江戸で29歳の若さで処刑されました。

 

一見、吉田松陰自身は何も成しえなかったようにも見えますが、この行動に勇気づけられた人たちによって、明治維新が起き、松下村塾で学んだ若者の多くが、その後、日本を強くするための政治をしました。吉田松陰がいなければ、日本は欧米諸国の植民地になっていたかもしれません。吉田松陰が日本の未来を開いたと言っても過言ではないと思います。

 

非常に頭の良い方だったにもかかわらず、計算高さが全くなく、自らの損得や利害を度外視して、「誠でもって公のために戦う」という吉田松陰の精神に武士道を感じます。吉田松陰や坂本龍馬といった偉人に関する記載を教科書から削るというニュースがありました。その後、どうなったかはよくわかりませんが、本当だとしたら個人的には非常に残念です・・・😭

 

 

武士道のような高尚な精神が今の日本に残っているかと言えば、自分自身も含めて、とてもそんな生き方は出来ていないように思います・・・。

 

でも、現代日本にも残っているのかな~と思われるのが、「礼」です。武士道は「義」「仁」「勇」など精神に関するものが多いですが、「礼」は唯一、「型」の教えなんだそうです。

 

日本特有の礼儀作法と言えば・・・お辞儀!

 

 

お辞儀にも色々とありますが、一般的に、上体を約15度倒すのが会釈、30度が敬礼、45度が最敬礼になるそうです。

 

 

上体の角度に関わらず、美しいお辞儀と美しくないお辞儀があると思います。例えば、画像のお辞儀はお世辞にも美しいとは言えません。背中は丸まり、落ちているのは頭だけ。せっかく心を込めたとしても、このお辞儀ではその心が伝わりにくいかもしれません。

 

 

一方、こちらのお辞儀は背筋が伸びていますし、頭も落ちていなくて綺麗です。もちろん、心の中まで見えるわけではないですが、礼儀作法としてのお辞儀である以上、「型」にこだわることも大切なのかもしれません。

 

ところで、美しくないお辞儀と美しいお辞儀、どちらも上体は倒れているのに、何が違うのでしょうか?それは・・・「どこから倒れているか」だと思います。

美しくないお辞儀はみぞおちの辺りから、美しいお辞儀は鼠径部(そけいぶ)から倒れています。

 

鼠径部から倒れることで、背骨を真っ直ぐ一直線に保つことができます。また、鼠径部から倒れるためには、お尻を後方へ引く必要もあります。

 

付け根から倒れる(もしくは起きる)、お尻を後ろに引く、実はこれ、トレーニング中もたくさんやっていることなんです。(正しくできていればという前提はありますが)

 

 

 

 

例えば、スクワット。お尻が後ろにしっかりと引けてていますね~👍

ちなみに、お尻が後方に引けているだけでは不十分、というのがこちらの画像です。どちらもお尻は後ろに引けてはいるのですが、右は鼠径部から上体が真っ直ぐ起きていますが、左は上体が鼠径部から完全に寝てしまっています。これでは、背中や腹部といった上半身の筋肉には効きません。

 

 

この姿勢はさまざまなレッスンで登場しますが、これも「お尻が後方へ引かさって、鼠径部から体が起きている(倒れている)」状態です。

 

美しいお辞儀とトレーニングの際の美しい姿勢は、体の使い方が案外同じだというわけです。

 

日本人であるならば、お辞儀同様に、スクワットやヒップヒンジ(お尻を後方に引いて、鼠径部から上体を倒す動き)を美しく行いたいものです!

 

文:真木