色心不二(しきしんふに)

痛みにはさまざまな種類があるので、ひとまとめにすることはできません。外傷などによって急激に出る痛み、慢性的な痛み、時々現れて気づけば収まっている痛み、比較的短期間で治る痛み、数年も数十年も続く痛み、忙しくしていれば気にならない程度の痛み、我慢できないほどではない痛み、のたうち回るほどの痛み・・・今、どこかになんらかの痛みがある方というのは、割と多いのではないでしょうか。

 

真木も時々悩まされるのが股関節の痛みです。「あ、来たかも・・・」と気づき、次の日の朝には収まっていることもあれば、数日、数週間と続くこともあります。寝ていてもじんわり痛いこともあれば、歩いている時にだけ痛みを感じたり、さまざまです。病院恐怖症なので😅受診したことはありませんが、うまく付き合っていかなければと思っています。

 

 

自分の話が続いてスミマセン。もう10年以上前ですが、自転車に乗っていて顔面から転んだことがありました。前歯2本が折れ、顔面血まみれで救急病院を受診したところ、歯がない顔を見て、受付の女性が笑いを堪え切れず吹き出してしまうという辱め(はずかしめ)を受けたことがあります😅そんなことはどうでも良いのですが・・・翌日、改めて整形外科を受診し、レントゲンをとりました。歯が折れ、若干むち打ちのようにはなりましたが、幸い大したことはありませんでした。「下手したら頸椎損傷だったよ。」とお医者さんに言われ、ゾッとした記憶があります。

 

その時のお医者さんにもう一つ言われたことで、今でも忘れられないことがあります。それは・・・「首に骨棘(こつきょく)がある。将来、首が痛くなるよ。」という言葉です。骨棘というのは、骨の出っ張りみたいなものです。あれから10年以上経ちましたが、まだ首に痛みは出ていません。とても優しいお医者さんでしたが、「先生の『不幸の予言』は受け入れません!」と心の中で思いました。そして、今でもその予言は受け入れていません。

 

 

お釈迦様の教えに「色心不二(しきしんふに)」というのがあります。色(肉体)と心は不二、つまり別々のものではなく、相互に影響し合っている、密接につながっている、という教えです。

 

心が明るく、積極的、建設的、感謝の想いに満ちていれば、肉体は健康になり、反対に心が暗く、悲観的、愚痴や不平不満、怒りなどが満ちていれば、体も病んでいく、そんな風に私は捉えています。

 

痛みが出てくると、ついつい「嫌だな~」と暗くなりがちなのですが、そういう時には、できるだけ「痛い」という事実から目をそらし、「まだまだシャキットで働きたい。シャキットのお客様の美と健康づくりのために貢献させてもらいたい。」と考えるように心がけています。そうすると気持ち的に少し楽になるものです。

 

 

嘘か本当か分かりませんが、こんな話を聞いたことがあります。「バナナを食べると死ぬ」と考えられている地域の人が、何かの間違いでバナナを食べてしまったそうです。食べ終わった後も元気で、「なんと美味しい食べ物だろう。」と思っていたところ、その食べ物がバナナだと聞き、その途端に死んでしまった・・・そんな話です。これなんて正に色心不二、心がバナナを食べたから死ぬと絶望した結果、肉体が本当に死んでしまった、というわけです。

 

これは極端な例かもしれませんが、こういった話は他にもあるようです。そして、それは私達の身近にもあるのかもしれません。

ある論文をご紹介したいと思います。

 

20歳から80歳の3110人の腰椎のMRIを調べたそうです。その3110人は腰痛がない人たちです。

 

椎間板(背骨と背骨の間にあるクッションのようなもの)に変性(裂隙など)があった人は、20代で37%、30代で52%、40代で68%、50代で80%、60代で88%、70代で93%、80代で96%でした。

 

椎間板が膨隆(膨らんで裂隙が大きくなる)していた人は、20代で30%、30代で40%、40代で50%、50代で60%、60代で69%、70代で77%、80代で84%でした。

 

そして椎間板の突出(外に出てしまう。いわゆるヘルニア)があった人は、20代で29%、30代で31%、40代で33%、50代で36%、60代で38%、70代で40%、80代で43%でした。

もう一度言います。この3110人は腰痛が「ない」人たちです。

 

私は理学療法の学校で「ヘルニアは椎間板が飛び出して神経に触れるから、手足の痛みやしびれが出る。」と習いました。でも、上記の論文の結果はこの理論に全く沿っていません。椎間板が飛び出していても痛みのない人は3~4割もいるという事実は、「ヘルニアだから痛い。」のではなく、「痛い人を調べたら、ヘルニアがあった。」という風に捉える方が正しい気がします。ヘルニアと診断された人が手術をしたものの、術後も痛みが取れないという話は珍しくありません。これはやはり、ヘルニアそのものが痛みの原因なのではなく、他に何らかの原因がある、と考えるべきなのではないでしょうか。私は医者ではないので、確定的なことを言える立場にありませんが・・・。(ヘルニアと診断され、手術で全快という方も大勢いらっしゃると思います。)

 

 

こちらはアメリカで、指1本触れずに30万人の腰痛患者を完治させたサーノ博士です。(残念ながら数年前に逝去されました。)

 

サーノ博士は元々は小児科医だったのですが、後にリハビリテーション医学に取り組まれるようになりました。

 

サーノ博士は多くの患者さんを診る中で、検査所見と臨床症状が一致しないことを疑問に感じるようになったそうです。例えば、椎間板のわずかな変性でも、激痛に悩む方もいれば、椎間板は無残なまでに変性しているのに全く痛みを感じない人もいる、といった具合です。

 

多種多様な症状を呈する患者さんと接する中、サーノ博士は痛みの原因が心にあるのではないか、と考えるようになったそうです。痛みの原因が心にある、という仮説を打ち立てたサーノ博士は、診察の際に何気なく心理的要因を探るようになったそうです。そうすると、早く治る患者さんとなかなか治らない患者さんを、ほぼ正確に予測できるようになったそうです。また、痛みの原因が心にあると認めた患者さんは、それを否定する患者さんよりも、早く改善するということも分かったそうです。

 

サーノ博士のこの理論も、色心不二、肉体と心は二つに分けることはできないという釈尊の教えそのもののような気がします。

 

 

ちなみにこちらの書籍「腰痛は怒りである」はシャキット文庫の中で最も人気のない1冊だと思いますが、サーノ博士の治療理論をご紹介した内容となっています。(サーノ博士の著書ではありません。)ご興味あれば、手にとってみて下さい。

 

 

健康のために、食事・運動・睡眠に気をつけるのは当然ですが、本物の健康を目指すには、その3要素だけでは足りず、いつなんどき人様に見られても恥ずかしくないような、心の状態をつくるための心磨きも大切なのかもしれません。

 

文:真木

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コメント: 7
  • #1

    柿沢 (日曜日, 20 6月 2021 19:08)

    筋トレ出来なくなって1ヶ月半�
    激痛と闘いだいぶ楽に動けるようになりました。病院に行けば手術を勧められます。
    真木先生もサーノ博士の言う心の状態の乱れ。まさか❗️と始めは思いました。
    しかし良く考えたらその時は激務の中不平不満タラタラでした。
    歳だけ取り人間として成長は出来てなかった様です。時間があるうちに見つめ直したいと思います。

    痛みが取れたら、またレッスンに参加することを強く思い、心色不ニ
    精進します

  • #2

    シャキット真木 (日曜日, 20 6月 2021 20:03)

    柿沢さん、こんにちは!柿沢さん、お元気にされているかな~と思いつつ今回のブログ書いていましたので、コメントとても嬉しかったです!ありがとうございます!

    少し楽になったとのことで、本当に良かったです。日々のお仕事もお忙しいことと思いますが、どうか無理なさらずに。柿沢さんはストイックな方なので、自分自身に厳しくし過ぎないで下さいね・・・。

    夜、寝る前に、自分自身の体に、「今日1日頑張ってくれてありがとう。目ありがとう、耳ありがとう、心臓ありがとう、腸ありがとう、腰ありがとう、膝ありがとう、etc」という具合に体に感謝してあげるのも、痛みや疲れの改善に良いと聞いたことがあります。私はそれをやると大体、寝落ちしてしまって、あまり感謝できずにいますが・・・(笑)

    また柿沢さんとトレーニングできる日を楽しみに待っています!

  • #3

    吉村 (日曜日, 20 6月 2021 20:27)

    痛みにはホントに様々なものがありますよね。
    私も一昨年に2度、坐骨神経痛で苦しみましたが、幸い1年8ヵ月くらい再発はありません。夜も痛くて眠れず歩けず、、、病院で処方された薬が効くまで3日間は大変だったのを覚えています。
    昨年1月(コロナ感染の少し前)に行った台湾で、コラーゲン(フィッシュコラーゲンが良いそう)がいいと聞き、価格がお高めでしたが買って帰り飲み続けています。そのお陰?なのか元気に過ごせています。
    以前コメントに記載させて頂きましたが、「自分の為に動いてくれる道具は、自分の体だけ」なのです。メンテしながら、感謝しながら過ごしましょうね。

  • #4

    柿沢 (日曜日, 20 6月 2021 20:35)

    ありがとうございます�
    忘れずに心配してくださり本当嬉しいです�
    自分の体に感謝なんて考えたこともなかったけど、良くなる事は何でもやってみようと思います。

    毎回ブログ楽しみにしてます

  • #5

    シャキット真木 (日曜日, 20 6月 2021 20:47)

    吉村さん、連続コメント投稿ありがとうございます!坐骨神経痛も辛いと聞きます。コラーゲン様様ですね!妊娠中に台湾人の元夫の両親から、ロイヤルゼリーが大量に届き、毎日食べなさいと言われたこと思い出しました・・・。台湾人の健康に対する思いの強さは、日本人より上のような気がします。

    自分の為に動いてくれる道具は、自分の体だけ!本当にその通りなのに、ついつい忘れてしまいます。大事にせねば、ですね。

  • #6

    シャキット真木 (日曜日, 20 6月 2021 20:57)

    柿沢さん、お店に一度お邪魔したいね~といつも山内さんと話してます。

    ぜひぜひ、ご自身の体に感謝してあげて下さい。かなり頑張っていることと思いますので!
    ブログ読んでくださり、ありがとうございます。

  • #7

    柿沢 (火曜日, 22 6月 2021 19:19)

    たくさん心配して貰い嬉しいです。

    コラーゲン、ローヤルゼリーなど良いものは利用していこうと思います

    お店は8時から営業してるので、シャキット行く前に寄ってください