みっともない裸体ですが

さて、シャキットに足しげく通われているお客様にとっては、毎度お馴染みかと思いますが、画像の黄色の部分の名称、わかりますでしょうか?

 

「胸椎(きょうつい)」です。レッスンで「腰椎じゃなくて、胸椎を反れ~、胸椎を反れ~」と呪文のように言われても、「反らせたくても、反らせられないんだよ!」という方もいらっしゃいますよね?

 

なぜ胸椎を反らせる(胸椎伸展とも言います)ことができないのでしょうか?

こちらの絵は、加齢とともに背骨が、どのように変化していくかを表しています。もちろん誰もがこうなっていく、というわけではありません。一番左の若い時代であっても、胸椎は少し後ろに凸(後弯)の形をしています。その出っ張りが年齢を重ねるごとに、強くなっていくのは珍しいことではありません。こういった変化は40~50代から出てくると言われています。

 

顔にしわが出来たり、髪が白くなるのと同様に、背骨も年を取ります。そうすると、背骨と背骨の間の軟骨(椎間板)が潰れたり、背骨を支える筋肉が弱くなっていき、このような加齢性の変化を起こします。

 

「潰れた軟骨」はおそらく今の医学では、元に戻すことはできません。再生医療の研究がもっともっと進めば、注射1本で、丸まった背中が伸びる!なんていう時代も来るかもしれませんが。でもそんな時代が来るのを、待っているのはもったいないです。なぜなら、「背骨を支える筋肉」を強くすることは、何歳からでも可能だからです。人体の中で唯一、年齢に抗う(あらがう)ことができる臓器が「筋肉」だと思います。

 

 

このみっともない裸体は、我が家のカイワレ息子です。

 

「普通にただ立ってみて」と伝えたところ、こんな姿勢になりました。顔もみっともないので非公開にしましたが、頭部が少し前に出て、胸椎の後弯が少し強くなっています。

 

耳たぶが肩の真上くらいにあるのが、理想的な姿勢と言われていますが、息子は肩より耳たぶが前に出ています。上の絵のおばあさんの頭の位置が、だんだんと前に出ていってますが、息子は18歳にしてこのありさまです。そして、前に出た頭の重さを支えるためなのか、胸椎の後ろへの凸が強めになっています。

 

胸椎が丸まるから頭が出るのか、頭が出るから胸椎が丸まるのか、これは「にわとりが先か、卵が先か」のような議論になると思いますが、いずれにせよ、胸椎の丸まりと、頭部の前方へのずれというのは、セットで生じることが多いのです。

 

息子の場合は18歳なので、さすがに背骨が潰れているとは考えにくく、実際に「背中を伸ばす」ことは可能です。単純に、「だらけた姿勢」がクセになっているパターンです。

 

もし皆さんが、うちのカイワレ息子のように、日常的にだらけた姿勢がクセにはなっているけど、意識すれば背骨を伸ばせる(立たせる)ことができるのであれば、やるべきことはただ一つです。それは、意識的に姿勢を正し、正しい姿勢でいる時間を徐々に長くし、正しい姿勢を「クセ」にすることです。そうすれば、背骨を支える筋肉が弱化することはなく、年を重ねても、丸まっていない背中でいることは、十分に可能です。

 

 

一方、胸椎を反らせる感覚が分からない、反らせているつもりだけど反らない、という方は、反る練習から始める必要があります。

 

ワークアウト第1の最初のストレッチで画像のような姿勢になりますが、あの時に背中が丸まる方(もしくはテーブルのように真っ平になる)は、胸椎伸展が苦手な可能性大です。

 

加齢以外で、胸椎伸展がしづらくなる理由はいくつかあります。少々難しい言葉で言えば、肩甲骨の可動性が小さい、胸郭の動きが悪い、肩関節の外旋の可動性が小さい、などがあります。要は・・・胸椎が動く時には肩の関節や胸郭も一緒に動くため、胸椎を反らせることだけをしていても、胸椎を反れるようにはならないかもしれない、ということです。

 

 

これは4月から始まる新しいレッスンの道具「スティック・モビリティ」を息子に持たせた画像です。

 

姿勢は何も指示をしていません。ただ、背中の後ろで持たせただけです。本人も意識することなく、胸椎の伸展が出来ています。(背中に縦線が入っていますが、胸椎が丸まっている状態では、この線は入りません。)

 

これは、棒の高さと持ち方に秘密があります。この持ち方をすると、胸椎は伸展せざるを得ないのです。ちなみに、だらけた姿勢がクセになっている息子は、この姿勢をしただけでも辛そうでした😅

 

 

ちょっと分かりにくいですが、レッスンではこんな動きもします。しっかりと胸椎伸展が出来ています。もちろん、カイワレ息子の身体機能が高いのではなく、スティック・モビリティが良いんです😊

 

この時の息子、「痛たたたたたたたた!!腕もげる!もげる!」と叫んでましたが、何回かやったら、少し楽になったようでした😂

 

 

胸椎の伸展がよく分からんという方はもちろん、猫背さんや巻き肩さん、肩甲骨が硬い方から股関節が硬い方まで、ぜひスティック・モビリティ挑戦してみて下さい😊ちなみに柔軟性のある方も大歓迎です。ご自分の弱点が発見できると思います。

 

文:真木

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コメント: 2
  • #1

    西谷 (土曜日, 20 3月 2021 23:18)

    ピチピチ息子ちゃま御披露ありがとうございます。

    肩下げて〜肩甲骨真ん中によせて〜とのご指導の賜物で、もっさりした背中にピキっと縦線入り姿勢は劇的に改善しました。あくまで当社比ですが。

    ちょっと試した時にスティックモビリティは猫背・巻き肩の改善の最強兵器だと思いました。前屈ひねりのポーズはワイヤー入っているみたいに固い股関節や脚裏の柔軟性改善になるのでは?と多いに期待しています。

  • #2

    シャキット真木 (日曜日, 21 3月 2021 07:25)

    背中の縦線は嬉しいですよね!

    そうなんです!私もスティックモビリティは猫背改善の最強兵器になれるんじゃないかと思っているんです!というか、それがスティックモビリティをレッスンに入れたいと思った1番の理由なんです。

    もちろんレッドコードが私にとってはNo. 1トレーニング器具ですが、ロープであるがゆえの「自由度」が、「逃げる」ことも可能にしてしまいます。(その自由度がレッドコード最大の売りなのですが)

    反面、スティックモビリティの「強制力」はなかなかのものです!強制力がある分、最初は辛いかもしれませんが…