茶色い脂肪

今の季節、レッスン前にじ~っと座っていると寒いと感じることありますよね?レッスンが始まるまでは上着を着ていらっしゃるお客様も見受けられます。私自身も、レッスンが終わったら、すぐに1枚着るようにしています。

 

熱を作るのは筋肉、その筋肉は動かさないと熱を作らない、なのでじっとしていると、熱が作られず寒くなる、というのは当然と言えば当然です。

 

寒さで震える新生児って見たことありますか?言葉を発せられないので本人の正直な気持ちはわかりませんが・・・寒さで鳥肌が立っている新生児ってあまり想像できません。首が座って、自分で座れるようになったり、ハイハイができる月齢までいった赤ちゃんが汗をかく、というのは理解できます。たくさん動いて、熱が発せられたから、汗をかいているのです。でも自らほとんど動くことのない新生児が、体温を保っていられるのは、何故なのでしょうか?

 

 

その秘密が「褐色脂肪細胞」です。絵の赤い部分に多くある細胞です。私たちが考える「いわゆる脂肪」というのは「白色脂肪細胞」です。同じ脂肪細胞でも働きは全く違い、白色は脂の貯蔵庫😭で、茶色は脂の燃焼組織なのです!!

 

赤ちゃんはこの褐色脂肪細胞が成人より多いため、脂肪を燃焼させて、熱を作ることができるのです。なので新生児は、動かないでいても、寒さを感じないというわけです。

 

この褐色脂肪細胞は、成人には存在しない、と考えれていたそうなのですが、減少はするものの、全くなくなるわけではない、ということが近年わかったそうです。

 

 

成人における褐色脂肪細胞の量は、20代で新生児の6割程度なのだそうですが、個人差が大きく、もっと減ってしまっている方もいれば、比較的保てている方もいるそうです。

 

褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼させる・・・ならば褐色脂肪細胞たくさん欲しいですよね😆嬉しいことに、一度減ってしまった褐色脂肪細胞でも、再び増やすことができるそうです😄

 

ちなみに褐色脂肪細胞は健康にも関与しており、褐色脂肪細胞が保たれている成人の方が、2型糖尿病、心臓病、高血圧、心不全、冠動脈疾患のリスクが低いそうです。

 

 

では褐色脂肪細胞を活性化させるための手段を3つご紹介です!

①寒冷曝露

 

寒い地域に住む人の方が褐色脂肪細胞が多いとする報告があるそうです。やりましたね!でも北海道住んでいるからと言って、無条件に褐色脂肪細胞が増えるわけではありません。寒いと家の中でぬくぬくしたいですが・・・時々、薄着で外に出ましょう😄冷水シャワー、乾布摩擦、寒中水泳なんかも良いそうです!私は絶対できませんが(笑)

 

 

②プチ断食

 

人間での研究報告は、残念ながら見つけられなかったのですが、ラットを使った実験がありました。

 

ラットを、普通にエサをやるグループと、プチ断食をさせるグループに分けました。どちらもトータルの摂取カロリーは同じなのですが、4か月後、プチ断食グループの白色脂肪細胞が、褐色脂肪細胞に変化する、という結果が出ました😄

 

この結果を見て、プチ断食をされているあるお客様が、お腹の冷えを感じなくなった、と以前行ったアンケートに書かれていたことを思い出しました。もしかしたら褐色脂肪細胞が増えたのかも・・・😊

 

 

③運動

 

運動をすると筋肉からIrisin(アイリシン?イリシン?ほとんどの論文が英語表記でした。日本語が確定していないのか、何なのか、理由は分かりません。)というホルモンが分泌されます。そして、このホルモンには、白色脂肪細胞を「褐色脂肪細胞化」する働きがある、ということが分かったそうです!

 

ホルモンに関しては、まだまだ不明なことも多いですし、まして筋肉からホルモンが分泌されることが判明してから、まだそう歴史は長くないので、これからどんどん解明されればな~と期待が膨らみます😊

 

 

巷にあふれるダイエット方法で、「肩甲骨を動かして痩せる!肩甲骨はがしで痩せる!」みたいなものがあります。確かに、肩甲骨を動かすのはとても良いことです。私もトレーニング中はもちろん、日常生活の動きでも、肩甲骨を意識的に使っていただきたい、とは思っています。でもそれで痩せる・体重が減る、というのは、はなはだ疑問です。そういうダイエット法の根拠は、肩甲骨周りには褐色脂肪細胞が多い、だからそこを刺激すると脂肪が燃える、ということだと思うのですが、そういう仕組みではないと思います・・・😭

 

なので、これから説明することも、褐色脂肪細胞が多い部位だから、ここを意識するとより脂肪が燃焼しますよ!ということではないと、前置きをさせて下さい。

 

ワークアウト第1の動きです。上記の画像を見ていただければ、あ~あれね、となると思います。前半の方でやりますね、20回😄しつこいですけど、これを頑張れば痩せる!ではありません。褐色脂肪細胞が存在する肩甲骨周りを中心に鍛えるので、おまけで載せているだけです😅これだけで痩せるわけではありませんが、でも大事です。背中を鍛えるのはなかなか難しいですが、ワークアウト第1の中では、これが一番背中に負荷がかかる動きだと思いますので。

 

理想は2枚目の写真です。つま先が浮き、体の軸が若干後方に倒れており、レッドコードがピーンと張ってます。3枚目のように体の軸が真っ直ぐになってしまうと、いくらつま先を浮かせても、レッドコードはたわんでしまい、背中には負荷はあまりかかりません。言ってしまえば・・・3枚目のように直立になってしまうと、「レッドコードの意味なし😭」となんです。せっかくなので、レッドコードを活用していただきたく思います😊

 

この「若干後方に倒れた姿勢」がとれるようになったら、次は「ゆっくり動く」ことを頑張って下さい。特に頑張っていただきたいのは帰り(腰を落としていく方)です。褐色脂肪細胞の話は抜きにして、肩甲骨周りが熱~くなってくれば、申し分ありません!筋肉を使えている証拠です😊

 

文:真木