汗をかけばかくほど良い?

わたくし真木は30年来のマイケル・ジャクソンファンなのですが、マイケル・ジャクソンが来日の際に使っていたキャピトル東急ホテル(2006年に解体)の支配人の方がテレビでこんな話をしていたことを思い出しました。宿泊している部屋でもダンスの練習を希望したマイケルのため、ボードを床に敷き詰めたそうなのですが、清掃の方が部屋に入ったところ、ボードに水たまりができていたと。何かと思ったら、なんとマイケルの汗だったそうです。水たまりができるほどの練習量って・・・才能に驕ることなく、努力していたんですね。

 

何故、この話を思い出したかと言いますと、先日、お客様に「汗をあまりかかないのだけれど、がんばりが足りないのか」というようなことを聞かれました。この質問は何度か聞かれたことがあるので、せっかくなのでブログに書こうと思いたちました。

 

結論から言えば、汗の量と運動の効果は関連性はありません。運動で汗をかくのは気持ちが良いですし、汗をかくこと自体は良いことだと思いますが、「汗をかくか否か」という点のみで、その運動の良し悪し、効果の有る無し、頑張りの有無は判断できないということです。

 

発汗量は体質、気温・室温、湿度、水分摂取量などが大きく影響します。残念ながら、汗をたくさんかいた方が、脂肪がより多く燃焼しているというわけでもありません。残酷な言い方かもしれませんが、体の水分が抜けているだけです。もっと言ってしまえば、汗を流すことに「デトックス効果」などありません😭

 

 

デトックスというのは有害物質の排出ということですが、その役割を主に担っているのが腎臓と肝臓です。例えば、肝臓はアンモニアなどの有害な老廃物を解毒し、毒性の少ない尿素に変換します。また、肝臓は赤血球で作られるビリルビンを胆汁に変換し、それはやがて便となって排泄されます。

 

腎臓はフィルターのような役割を担っています。残った老廃物は血流に乗って腎臓に運ばれ、そこで必要な栄養素などは再吸収され、肝臓で分解された老廃物や薬品の微量の成分、その他さまざまな微量の毒素を濾過し排出しています。腎臓と肝臓という2大臓器がデトックスの主役です。デトックスを担っているのは「汗」ではないのです。

 

 

 

お客様に質問されても、わからないことは山ほどありますし、間違えることもあります。知識も経験もまだまだ不足していますが、お客様に対して正直でありたいという気持ちはあります。ですから、わからない時は調べる時間を頂きたいですし、間違えれば謝りたいと思います。

 

悪口を言いたいわけではないのですが・・・

 

〇ヵ月で〇キロ痩せる!!

ホットヨガでデトックス!!

 

こういう謳い文句を見ると、なんだかな~という気持ちにはなります。運動「だけ」で減量するのは無理だと思いますし、汗にはデトックス効果はないと思っています。自分がそう考えている以上、お客様にも「汗いっぱいかいたから毒素が出ましたね!痩せますよ!」とは言えません。

 

確かに、汗にも重金属や薬品、農薬などの毒素が含まれてはいますが、それは「ごくごく微量」であり、健康にとって有益と言えるほどの量ではありません。発汗の主な役割は体を冷やすことであり、腎臓や肝臓のような毒素を排出するという高機能は備わっていません。デトックスを重視するなら、腎臓と肝臓を健康に保つことに専念した方が良いと思います。(例えばアルコールを控えるのように・・・。汗をかいてもアルコールは抜けませんよ😣)

 

 

では、「汗」以外で、「良いトレーニングができた」と判断するための指標は何かあるのでしょうか?

 

1979年に発刊(現在はオンラインマガジン)の女性向け雑誌SELF(セルフ)に

 

『汗と筋肉痛以外で、トレーニングが成功していると言える21の指標』

 

という記事がありましたので、21のうちのいくつかをご紹介します😀

 

①気分が良くなった

トレーニングというと、身体面の変化にばかり着眼してしまいがちですが、精神面への影響も忘れないで下さい。トレーニングを開始した当初より、気分が良い、不安を感じることが減った、建設的・肯定的な気持ちでいられる、こういった精神面での変化はトレーニングによって幸福ホルモンであるセロトニンの分泌が促されている証拠だと考えられます。

 

②楽にできるようになった

これはトレーニングを継続している全ての方が通過していることと思います。500円で受けた最初の1回目のレッスン、「地獄、死ぬ、殺される」そんな言葉が頭をよぎりませんでしか?トレーニングを継続していれば、1回目に感じたあの苦しみを味わうことは二度とありません。それほどあらゆる点において(筋力、体力、持久力、柔軟性、たぶん根性も)成長しているということです。

 

③更にきつくすることができる

2番目と一見矛盾しますが、「何回やってもきつい」という感じもあると思います。これは意識的であるにせよ、ないにせよ、「より効く」形で行えている証拠です。それは単純に重りを重くするとか、回数を増やすとかもありますし、足をより高く上げる、腰をより深く落とすというように、動く幅を大きくすることによっても可能です。「成長していないから何回やってもキツイ」のではなく、「成長しているからこそキツイ」んです😊

 

④形が綺麗になった

どんな動きをやっても上がっていた肩が上がらなくなった、いつもいつも内側に倒れてしまっていた膝が倒れなくなった、スクワットしても膝が痛くなることがなくなった、こういった変化は筋力がついたからでもありますし、ご自身の動きをコントロールできるようになってきている証しでもあります。

 

⑤スピードについていけるようになった

シェイプアップのようなリズム感を必要とする動きはもちろんのこと、ワークアウト第1などでも少し早く動くメニューがありますよね?ああいう動作の時にそのスピードについてこれるようになったのは、筋肉の反応速度(脳から動くよう指令が出て、それに筋肉が反応する速度)が上がっている証拠です。

 

⑥自信がつく

これは1番と重なる部分もありますが、トレーニング中だけの話ではなく、日常生活のあらゆる面で「自信を持てる」ようになるということがあります。これは体型に変化が出て、それが自信につながるという意味でもそうですし、上述のセロトニンやドーパミンなどのホルモンによってポジティブ思考になれるからということでもあります。また、ハードなトレーニングをこなせているということが自信につながるという面もあるかもしれません。

 

⑦可動域が上がった

可動域と柔軟性は厳密には意味が違います。説明すると長くなるので、ここでは省きますが、簡単に言うと「大きく動けるようになった」ということです。大きく動くためには柔軟性はもとより、それを支えるだけの筋力が絶対に必要になります。最初の頃より動きが大きくなった、その1点だけを見ても筋力が上がったことは確実です。

 

 

⑧睡眠の質が改善した

メラトニン(睡眠を促すホルモン)はセロトニンから作られます。トレーニングを始めてからよく眠れるようになったという方は、十分な肉体疲労を得られているということもありますし、メラトニンの分泌が良くなっているということもあると思います。

 

⑨使っている筋肉を感じ取れるようになった

初めてのレッスンを受けると「どこに効かせるのかわからなかった」ということをよく言われます。最初はそれで良いんです。回数をこなすごとに感じ取れるようになってくるはずです。「感じ取る」の更に上を行って、「効かせたいところに効かせられる」ようになれば、もうこっちのもんです!

 

 ⑩時間を耐えらえるようになった

わかりやすい例で言えばプランクです。初めてやった時は30秒しかもたなかったけど、1分もつようになった。これは筋力、筋持久力(心臓や肺のように筋肉にも持久力があります。)が向上した証拠です。プラス根性でしょうか😁

 

⑪疲れなくなった

初回はワークアウト第1を受けられる方が大半ですが、帰り際の言葉で多いのが「靴がはけない」です。足がガクガクして上手く靴がはけないそうです。「皆さん、よく平気な顔して帰りますね・・・」といった言葉もよく聞きます。新規の方から見ると、皆さんはスーパーマンのように見えるようです。日常生活においても体力の向上を感じられていますよね?

 

⑫楽しめる

トレーニングを楽しむことができる、これこそ成長の最大の証かもしれません。だって、あんな辛いこと楽しいわけないですからね~😁

 

⑬身近な人にすすめたくなる

この視点は私は気づきませんでしたが、言われてみればそうかもしれません。本当に良いと思えればこそ、家族や友人など身近な人にすすめたくなりますよね。

 

ということで、21の指標のうち13点をご紹介でした。いくつ当てはまるものがありましたか?

 

文:真木

 

 

 

 

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コメント: 6
  • #1

    吉村 (日曜日, 07 2月 2021 14:47)

    ガ~ン!!
    汗を流すことにデトックス効果があると思っていました。体の構造を考えるとそうですよね、水分が出てるだけですよね(笑)

    上記の指標ですが、全てではありませんがなんとかなり当てはまります。初めて受けたレッスンの後は本当に足がガクガクしましたし吐きそうにもなりました。辛くて次のレッスンを相当考えましたが「今のままじゃ駄目だ!」という強い思いで続けてこれました。もう5年半以上経ちましたね。
    汗をかくことにデトックス効果がなくても、健康診断の結果が飛躍的に改善されましたので、やはり運動は必要だと思っています。
    レッスンに通っているほとんどの方は上記の指標のほぼ全てに当てはまっているのではないでしょうか。

  • #2

    柿沢 (日曜日, 07 2月 2021 16:44)

    私の最近の悩みを取り上げてもらい有難うございます。
    汗は出ませんが筋肉痛と指標を見て少し安心することができました。

    レッスン中のお腹へこます、足の指伸ばして開く、肩甲骨下げる等
    ひとつ出来れば、他が出来なくなったり、フラフラしたり。
    高齢に足を踏み入れてる私には
    脳のトレーニングも必要のようです

  • #3

    シャキット真木 (日曜日, 07 2月 2021 17:36)

    吉村さん、5年半以上ですか!それはそれは・・・もう感謝感謝です!吉村さんは2レッスンを平然とこなされるので、5年半前はどんなだったのかな~と初回の記録を見てみましたところ・・・「頑張ってはいたものの、ちょくちょく休んでいた」と書かれていました。今となってはそんな吉村さんを想像することすらできません。努力の賜物ですね(^O^)

    汗とデトックスが関係ないというのは、少々悲しいですよね。でも気分的には汗をかくとスッキリするので、気持ちのデトックスにはなるのかもしれませんね!

  • #4

    シャキット真木 (日曜日, 07 2月 2021 17:48)

    柿沢さん、ネタのご提供ありがとうございました(^^)

    1つやると1つできなくなる・・・わかります!私も鏡を見て、ハッとなります。レッスン中に皆さんに「〇〇して、△△して」と言いますけど、あれほとんど私自身に言っているんです・・・。
    気づいては直す、気づいては直すの繰り返しです。直す余地がたくさんあるからこそ、それを少しづつ少しずつ改善させていくのが楽しい・・・と前向きに捉え(ただの言い訳かもしれませんが)頑張っていきたいと思っています。



  • #5

    西谷 (日曜日, 07 2月 2021 19:18)

    ゼーゼーハァハァなのに、冷え性で寒がりのワタクシは汗かきません。代謝は関係ないのですか?ホットヨガは年払いで2月までの契約なので、それまではシャキットは週1でと思っていたのですが、11月から行かなくなりました。暑い中で延々と下向きの犬ポーズするのは気持ち悪くて吐きそうで、体力消耗するわりには運動量少なくて時間の無駄なので。あたかも汗と一緒に老廃物がたっぷり出ている気になっていましたねぇ〜悪口は言いたくないですけど( 笑 )ホットヨガ8年の成果は堂々と披露させていただきましたので。

    指標は見事に当てはまりますね!加齢なのにこんなにキツいことを頑張っている自負。今まで巻き肩や背中を意識したことなかったけど、立ち姿や歩く姿勢が変わったことが大きいです。

  • #6

    シャキット真木 (日曜日, 07 2月 2021 20:03)

    代謝と汗の量というのも、実は関係ないそうですよ。たくさん汗をかく=代謝が良いと考えがちですがね。

    西谷さん、ホットヨガされてましたね…失礼しました…。年会費もったいなかったですね…。でも姿勢は本当に変わりましたよね!着ぐるみ着てたのかなってくらい変わりましたね(^^)