胸椎を感じ取る

7月に新しいレッスンのワークアウト第3が始まりました。もうすぐ3か月になりますが、この3か月間に感じたことの1つに、「胸椎はとても大事であると同時に十分に使えていない方がとても多い」ということです。

 

レッスン中にもたびたび言いますが、胸椎の動きや背中の筋肉というのは意識するのが非常に難しい部位だと思います。ということで、今回のブログは胸椎にフォーカスしたいと思います!

 

 

脊椎(せきつい)がどんな形をしているかご存知のない方は、まずはこの形を頭に入れていただきたいと思います。形を知らないとイメージしづらく、イメージできなければ意識することも難しいからです。

 

脊椎は緩やかなS字になっています。今回注目したい胸椎は緩やかな凸型、その下にある腰椎は緩やかな凹型です。ここで大事なのは「緩やかな」という点です。

 

では、私たちがダラっと座っている時には胸椎の形はどんな風になっているのでしょうか?

 

 

オーマイガー!これは「緩やか」には程遠い、ぼっこり凸型です😱😱ちなみにこれは座っている時の様子ですが、よほど日頃から姿勢を意識している方以外は、スマホをいじっている時や料理をしている時なども、胸椎がこんな風にぼっこり凸型になっている可能性はあります。

 

残念なことに日常生活というのは胸椎がぼっこり凸型になる動きで溢れています。逆に胸椎を反らせる・伸ばす(胸椎伸展と言います。)は意識的に行わなければ日常の中ですることはほぼないと思われます。

 

日常的に胸椎がぼっこり凸型の姿勢をとっていると何が起こるのか・・・これは胸椎に限った話ではなく、人体全般に言えることですが、ある姿勢を長時間・長期間取り続けると、その形がくせとなり、それと逆方向の姿勢をつるくのが苦手になります。背中を丸めた姿勢(胸椎ぼっこり凸型)がくせになると、その逆である背骨を伸ばした姿勢や胸を開いた姿勢(いわゆる美しく見える姿勢)ができなくなります。まるで「親孝行、したい時には親はなし」のように、背中を伸ばしたいと思った時には、背中を伸ばすだけの関節の柔軟性も筋肉の強さも失われている・・・なんてことに😱!そうなってからでは、時すでに遅しなのです。なので、予防が大切です😊

 

 

ということで、予防の一環として手軽に行える動きを1つご紹介します。胸椎伸展(しんてん)という動きです。この場合の「伸展」は反らせるといった意味です。

 

画像のように手は後頭部に当て、肘を天井の方へ向けるようにして、胸椎を反らせていきます。この時、肩をすくめたり、肩甲骨を上げないように気を付けて下さい。ゆっくりと行って下さいね。

 

胸椎というのは12個あり、一番下の第12胸椎というのが大体みぞおちの裏側あたりになります。そこが動きのスタート地点になります。そこを後方から押されているようなイメージで胸椎を伸展させていきます。

この時、お腹はへこませて力を入れておきます。

 

ここで大切なのは、「胸椎を大きく反らせること」ではなく、「胸椎の凸が凹に近づいていくのを感じ取る」ことです。まずは胸椎の動きを体感できるかどうかを目標にしてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこれはよくある「代償動作」です。「代償」の意味がわからない方は前回(10/11)のブログをご覧ください~。

 

1つ目の画像より背中が反っていますが、これは「胸椎伸展」ではなく「腰椎伸展」です。

 

腰椎というのは元々凹型です。元々凹型なのに、さらに凹を強めるというのは、実は結構関節に負担がかかるのです。レッスン中に時々、「腰を使わないで下さい、腰から反らないで下さい」ということを言いますが、それは腰椎に負担をかけたくないというのが理由です。

 

胸椎と腰椎はつながっているので、区別するのが難しいですし、ついつい使いやすい腰椎を使いがちですが、あくまで伸展させたいのは胸椎だということを忘れないで下さい。

 

悪い姿勢をくせにしないためには、良い姿勢をつくるための筋肉の強さと関節の柔らかさを意識的に保つことが大切です。この動きなら10秒でできます。1日数回(簡単なので数十回でも良いと思います。)をたまにやるのではなく、習慣化させて下さい。習慣の力こそが胸椎ぼっこり凸型を防いでくれますよ~😄

 

文:真木