代償は払いたくない!

皆さん、過去に「代償を払った」経験はありますか?ちなみに代償には下記の意味があるそうです。

 

①本人に代わってつぐなうこと。

②他人に与えた損害に対して、金品や労力でつぐないをすること。

③目的を達するために、犠牲にしたり失ったりするもの。

④欲求などが満たされない時に代わりのもので欲求を満たそうとすること。

 

車を運転する方であれば、程度の差はあれ、一度くらい事故を起こしたり、違反をしたりなんてことはあるかと思います。私もたくさんやらかしてます😓千歳に住んでいた時にできたばかりの道路(人通りゼロ&車もほとんどなし)を80キロくらいで「気持ちいな~😄」なんて思いながら飛ばしていたところを御用となりました😭罰金&違反講習、これもある意味「代償」と言えますかね?

 

実は、トレーニングにも「代償」という概念があるんです。代償運動とか代償動作と呼ばれます。ある動きをしようとした時に、その動きをするために本来働くはずの筋肉が弱くて働かなかったり、本来動くはずの関節が硬くて動かなかったり、本来伸びるはずの筋肉が硬くて伸びなかったりすると、それを「代償」つまり補うために、働く必要のない筋肉や関節を使ってしまうことを言います。要は・・・「Aが弱いから、代わりにBを使っちゃえ~!」ということです。これを続けると、いつまでもAは強くならず、Bばかりがどんどん強くなって、更にバランスが悪くなるということが起きます😱

 

皆さんもレッスン中に知らず知らずのうちにいろ~んな代償運動をしているかもしれません・・・😱ということで、今日はレッスンで行っている動きの中で代償運動をしているかどうかがとってもわかりやすい「あの動き」をご紹介します😁

 

 

 

ワークアウト第1では必ずやる「立ち乗り」です。体幹では鬼教官・山内が50回を2セットとかいう恐怖メニューを時々やっているようです。ワークアウト第1と体幹では鍛える部位が若干違いますので、今回はワークアウト第1の視点で書いていきます。

 

この立ち乗りで1番に意識していただきたいのが内転筋と呼ばれる太ももの内側の筋肉です。正確には1つの筋肉ではないので、内転筋群(ないてんきんぐん)です。

こちらが内転筋群です。たくさんの筋肉が集まっています。ワークアウト第1では脚を4秒で開いて4秒で閉じるという形で行っています。

 

特に頑張っていただきたいのが「4秒で閉じる」の方です。なぜなら閉じる時にこの内転筋群が働くからです。4秒かけてゆっくり閉じるのがポイントです。勢いと筋力は別物だからです。

 

図をご覧になっていただけると分かりますが、長内転筋や大内転筋などの大きな筋肉も意識しやすいと思いますが、全ての筋肉が集まる恥骨周辺は脚を閉じるにつれ、力が入っていくのを感じ取りやすい部位だと思います。「感じ取れる」かどうかは筋トレの効果を上げる上で非常に大切です😊

 

ちなみにごくまれに、スロー&フローでも立ち乗りをすることがあると思いますが、スロー&フローで頑張っていただきたいのは「大きく開く」ことです。なぜならスロー&フローは柔軟性を高めるためのレッスンだからです。同じ動きでもちょっとした形や秒数を変えるだけで、効かせる部位が変わってくるので、どちらかが正しく、どちらかが間違っているというわけではありません。

 

 

ではいよいよワークアウト第1の立ち乗りで1番多く見られる代償のご紹介です~😁

 

脇をがっちり固めています!女性がやるとかわいらしく見えるのですが、画像はこれっぽっちもかわいくないですね~😆

 

立ち乗りの時に「肘をできるだけ脇腹に近づけて」ということは言いますが、この近づけ方は違います。これは弱い内転筋群を腕の力で補ってしまっています。腕がたくましくなるのが嫌な女性は是非ともこの代償は避けていただきたいと思います。ちなみに肩も上がりやすくなり、下手すりゃ肩こりや猫背、巻肩を助長してしまうかもしれません😭

上記の2枚がおすすめの持ち方です。親指で軽くひっかける、もしくは親指と人差し指でつまむ形です。この形で肘をできるだけ脇腹に近づけ、肩を落として脚の開閉を行うことができると、な、な、なんと背中にも聞かせることができるんです~😄内転筋群だけじゃなく、背中も同時に鍛えれるなんて、なんてお得な持ち方なんでしょう♡

 

この持ち方で20回の開閉を行えれば、胸椎や肩甲骨も動き、背中がじわ~と熱くなってくるはずです。内転筋群と合わせて感じ取っていただきたいのが、この「背中が熱くなる感じ」です。

 

ちなみにこの持ち方をしても、脚を閉じていく時に一緒に肩や肘、手の持ち位置が上がってしまうと、胸椎や肩甲骨の動きが不十分になるので、肩・肘・手の高さをできるだけ変えないよう意識してみてください。

 

 

少々話はそれますが、上記の立ち方は体幹のレッスンの時にする立ち方です。前述の通り、ワークアウト第1と体幹の立ち乗りでは目的が違います。体幹の立ち乗りは安定性を高めることを最優先にしているので、プランクの時と同様に骨盤を少し後傾させて乗ると思います。結果、画像のように背中は若干丸まる感じになります。手の持ち位置もワークアウト第1とは全然違います。ワークアウト第1の「肩甲骨や胸椎の動きも促す」とは真逆で、体幹の立ち乗りでは背骨も肩甲骨も固定させます。それが安定性につながるからです。「体幹とワークアウト第1の立ち乗りは、立ち方が全然違うのはどうしてなんだろう?」と思われていた方もいらっしゃるかと思いますが、目的によって立ち方を変える必要がある、というのがその理由です。レッスンによって立ち方を使い分けてみて下さい😊

 

 

よく見られる代償の2つ目です。腰がそってますね~😱元々反り腰気味の方のみならず、胸椎や肩甲骨の動きが不十分な方などに見られるのがこのパターンです。骨盤の真上に上半身を乗せることが大切です。

 

頭の片隅に入れておいていただきたいのは、「胸椎をそらせることと腰椎をそらせることは違う」ということです。ただし、この話は長くなるので、また別の機会に・・・。

 

 

ということで、「効かせたい箇所に効かせる」ためには「代償」を使わないことが大切です😊今回ご紹介した立ち乗りのみならず、どんな動きでも代償はできてしまうものです。代償をさせないためには、使うべき所が使われているかを「感じ取る力」が大切になります。50分のレッスン中ず~っと集中力を切らさないというのは大変だと思います。私自身も「今日の夜ご飯、何食べようかな~」とか考えちゃうことありますので😆もし「ヒップアップさせたい、太ももを引き締めたい、背中を引き締めたい」というような明確な目標がある場合には、その部位を鍛える動きだけでも神経を集中させて行えれば、結果が出やすいと思います!

 

文: 真木