誰もができるべき②

前回のブログで「誰もができるべき」の第1弾として、立位での前屈をご紹介しました。今回の動きは「オーバーヘッド・スクワット」と呼ばれるものです。

 

 

オーバーヘッド・スクワットはバーベルを頭上に持ち上げたまま行うフルスクワットです。ちなみにワークアウト第1などで最初にやるスクワットは、膝を90度くらいまで曲げるハーフスクワットと呼ばれるもので、フルスクワットではそれよりも深くお尻を落とします。(股関節が膝より下になるまで落とす)

 

ということで、第2弾ではオーバーヘッド・スクワットに挑戦していただきたいと思います!「家にバーベルなんてないわ!」とお叱りの声が聞こえそうですが、もちろんバーベルを持つ必要はありません。長い棒状の物があればそれを握って行っても良いですし、何も持たずに万歳するだけでもOKです。

 

ちなみにバーベルを持つ本当のオーバーヘッド・スクワットは単純そうに見えて、実は難易度はかなり高く、正確に行うためにはトレーニング上級者でも練習が必要と言われています。上半身と下半身を同時に鍛えることができるオーバーヘッド・スクワットは上半身と下半身の連動性を高めることができます。また、頭上に重いものを持つということは、重心のコントロールも必要になるので、この動き1つでバランスや体幹の強化も可能です。正しくできれば絶大な効果があるけれど、正しく行うことが非常に難しい、それがオーバーヘッド・スクワットです。

 

 

オーバーヘッド・スクワットが難しい1番の理由は足関節(足首)、股関節、肩関節、脊柱というほぼ全身の可動性・柔軟性が必要だからです。どこか1ヵ所でも可動性が不十分な所があると、正しいオーバーヘッド・スクワットは完成しません。画像のように上半身を完全にストレートに保った状態で限界まで体を落としていきます。下の画像はダメな例です。

 

 

 

かかとが浮いてしまい、膝もつま先より大きく前に出てしまっています。足首の硬さが原因です。

こちらは一見、できている感じもしますが、骨盤が後傾して背中が丸まっています。おそらく、やりがちな間違いで一番多いのはこのパターンだと思います。お尻の筋肉の硬さや脊柱の可動性不足が原因です。

 

そしてもう一つの間違いが手の位置です。「オーバーヘッド」は「頭の上」という意味です。頭の上に手がありませんよね?これは肩回りの可動性不足が原因です。ちなみに肩回りが柔らかい方は、頭より後方に手を挙げたままオーバーヘッド・スクワットができるかと思いますが、それは問題ありません。

 

 

 

こちらは膝が内側に入っています。(股関節の外旋不足)膝のお皿はやや外向きにするように意識して下さい。

深くおしりを落としていくとどうしても正しい姿勢を保てないという方は上記のエクササイズから始めてみて下さい。安定性のある物につかまってしゃがみます。この時点では1枚目の画像のように背中が丸まっても構いません。そこから可能限り背中をまっすぐにしていきます(骨盤を前傾させる)。支えがあるのでバランスを崩すことなく、足首や脊柱の可動性を鍛えることができます。

 

 

 

 

肩関節の可動性不足で頭上での万歳ができない方はこちらをやってみて下さい。脇を足指に近づけていきます。画像のように膝は曲がっていてかまいません。背中から腕を一直線にするイメージです。

いかがでしょうか?きれいなオーバーヘッド・スクワットできましたか?

 

文:真木