睡眠の質を上げるミネラル

5大栄養素であるミネラル、意識的に取っていますか?日本では厚生労働省が、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、リンの13種を「健康増進法の基づく食事摂取基準の対象」として定めているそうです。ミネラルは体内で作ることができないので、食事から摂る必要があります。

 

今回ご紹介するミネラルは約300種の酵素の働きを助ける役割があります。また、体温調整、血圧調整、ホルモンの分泌、筋肉の収縮に関わったり、カルシウムの沈着を防いだり、神経の興奮を鎮めたり、などなど1人で何役もこなす大忙しのミネラルです。ちなみにこのミネラルが不足すると、肝炎、不整脈、発育不全などの原因になったり、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病とも関係があるとする研究もあるそうです。このミネラルなんだか分かりますか?

 

 

 

正解はこちらです!

 

画像を見ただけで、「あれね!」となった方はなかなかのミネラルマニアですね~(笑)

 

マグネシウムです。ちなみに産地であるギリシャのマグ二シア県にちなんで命名されたそうです。苦いそうです。

 

 

 

日本人はマグネシウム不足の人が多いそうです。マグネシウムに限ったことではありませんが、原因は「食の欧米化」です。大麦や雑穀などの全粒穀物の摂取減少がマグネシウム不足に影響しています。また、「塩」の影響もあるそうです。

 

 

画像は昭和初期に撮影された入浜式塩田の様子です。

 

塩田に砂をくまなく広げます。潮が満ちて砂が海水に浸り、潮が引くと水分が乾いて、砂に塩の結晶が付きます。塩分の付いた砂を集め、「ツボ」に入れ、海水をかけます。砂をろ過した後、平窯で煮詰め、水分が蒸発して塩ができます。塩田で作られた精製されていない粗塩にはミネラルが豊富に含まれていたそうです。

 

この方法は日照時間が比較的長い瀬戸内地方や能登半島などで発達しました。農家の余暇の副業としても行われていたそうです。ところが、1972年に天候に左右されやすく、多くの労力と大きな面積を必要とする塩田は事実上全廃となり、それ以降はイオン膜を利用して塩を作る方法が採用されているそうです。

 

 

脳の松果体から分泌されるメラトニンが睡眠と深い関係があることはご存知の方も多いかと思います。メラトニンは概日リズム(体内時計)に関与しており、深部体温を下げて、眠気を促すホルモンです。画像のようにトリプトファン→セロトニン→メラトニンという段階を踏むのですが、セロトニン→メラトニンの部分でマグネシウムが使われます。なので、せっかくトリプトファンからセロトニンが作られても、マグネシウムの一押しがないとメラトニンが分泌されづらいということになってしまうようです。「寝る」という1つの作業を見ても、これだけのことが体内で起こっているなんて、人体って神秘的ですね・・・

 

ちなみに食べ物から摂取する必要のあるトリプトファンはタンパク質が多いほど含有量が多いそうです。なので、肉、魚、豆、種子、ナッツ、乳製品などに多いそうです。

 

ちょっと話はそれますが、小中学校の休校により、当然給食も中止で、生乳の余剰が深刻というニュースが出てました。生乳は「需要に合わせて減産」ということが難しいそうです。トイレットペーパーが不足中らしいですが、トイレットペーパーの在庫は十分あるそうですから、そちらよりも乳製品を買った方が供給側も嬉しいし、買った方も乳製品でトリプトファンを摂取して、そこからメラトニンを作って、夜はぐっすり寝ることで、免疫力が高まる!という嬉しい循環になるのではと思います。

 

 

 

 

ということで、マグネシウムと乳製品でコロナウイルスに負けない体づくりをしましょう!

 

無理やりご時世ネタを絡めた感が否めないですが(笑)、睡眠不足には普段以上にお気をつけ下さい。

 

文:真木