胸椎を動かす!

脊椎(せきつい、いわゆる背骨)は5つに分かれ(図では4つですが、仙椎の下に尾椎もあります。)、緩やかなカーブを描いています。個人差があったりもするのですが、一般的には頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、その下に仙椎と尾椎があり、約30個の骨が重なり合って脊椎ができています。

 

今日は胸椎を動かすエクササイズのご紹介です。エクササイズに入る前に、胸椎を動かす時に「これだけは忘れないで!」というポイントがあります。

 

1つ目は他の部位で「代償」しない。ということです。代償というのは本来、胸椎がすべき仕事を他の部位にやらせないということです。一番多いのは腰椎です。脊椎はつながっていますので、胸椎を動かそうとすれば、腰椎も一緒に動くのは当然のことではあります。ただ、過剰に動かしてはいけないということです。腰椎が大きく動くと、胸椎も一緒に大きく動く気がしますが、そうではありませんので、胸椎の動きを意識するようにして下さい。

 

 

 

 

2つ目は肩甲骨の動きにも意識を向けるということです。画像のように肩甲骨は胸椎の2番から7番と同じくらいの高さに付いています。胸椎を動かせば、必然的に肩甲骨も動くことになります。背中の筋肉はご自分からは見えない分、意識するのが難しい部分です。中でも肩甲骨は動きが複雑なため、特に意識しづらいとは思いますが、慣れが大事ですので、めげずに意識し続けてみて下さい。

 

 

 

1つ目のエクササイズはこちらです。この動き自体は見たり、やってみたことがある方も多いかと思います。お腹を下方向に押し付けるイメージで落とし、肩甲骨は背骨に寄せます。(肩甲骨の内転)視線は上の方に向けます。この時は鼻から息を吸います。

 

次は背中を丸めていきます。この時は肩甲骨を限界まで背骨から離していきます。(肩甲骨の外転)あごは引いて下さい。この時は息を吐きます。どちらの動きも深い呼吸をしながら、ゆっくりと動きます。

 

 

画像のように台などに手をのせた状態でも行うことができます。この場合も意識する部分は同じです。肘が曲がらないように気を付けて下さい。いずれの方法も10回程度やってみて下さい。

 

 

次のエクササイズはフォームローラーを使います。なければ、バスタオルなどを重ねて丸めて、胸椎の下に入れます。画像のように肩甲骨の下あたりに当てるのが良いと思います。息を吸いながら、床に近づけるように上体を倒し、吐きながら元の姿勢に戻ります。このエクササイズで最も大切なポイントは、常にお腹は力を入れて、腰椎を反り過ぎないようにすることです。腰椎を使えば、もっと上体を反らせることは可能ですが、それでは胸椎の動きは促進されませんので、あくまで胸椎の動きを意識して行ってみて下さい。思いのほか反れないと思います。

 

上体を反らせることを「伸展」という言うのですが、背骨がどれくらい伸展できるかと言うと、大体35°~40°くらいが正常な可動域です。そのうち胸椎が20°~25°、腰椎が15°くらいと言われています。つまり体を反らせる時に腰から反るというのは、元々可動域が狭い腰椎に過剰な負荷をかけることになりかねません。胸椎から反る意識をつけれると腰椎を守ることができますので、腰痛持ちなどの方は是非このエクササイズ挑戦してみて下さい。

 

ちなみに動画は字幕はないですが、他のエクササイズも紹介されていますので、ご興味のある方は見てみて下さい。

 

文:真木

 

↓引用動画