肩を上げないで!

 

この筋肉の名前、ご存知ですか?

 

英語ではtrapeziusと呼ばれ「台形」を意味する言葉に由来します。

 

日本語では「僧帽筋(そうぼうきん)」と呼ばれ、字のごとく僧侶の帽子に似ているかららしいのですが、僧侶の方は帽子なんてかぶってますかね?気になったので調べてみました~。

 

お坊さんも帽子(?)かぶるってますね~。でも僧帽筋の由来となったのは、どうやらこういった帽子ではなく・・・

 

 

こちらの帽子だそうです。

 

カトリックの一派であるカプチン会の修道士のコートのフードに似ているということで「僧帽筋」らしいです。

 

こういう風に見ると、確かに僧帽筋と似た形をしていますね。

そんな由来はさておき、この筋肉、ついている場所によって上・中・下に分かれます。

 

そしてその働きも場所によって全然違います。

 

 

ざっくり言うと・・・

 

上部は肩甲骨を耳に近づける感じで上方向にあげます。肩甲骨の拳上と言い、見た目は肩が上がって見えます。

 

中部は肩甲骨を背骨に寄せます。肩甲骨の内転と言います。

 

下部は肩甲骨を骨盤に近づける感じで下方向に下げます。肩甲骨の下制と言い、見た目は肩が下がって見えます。

 

要するに、同じ筋肉なのに、上部分と下部分が真逆の働きをするのです。

 

 

 

2枚の写真、同じ女性が棒を持ち上げていますが、どこが違うかわかりますか?

 

1枚目の写真は肩が上がって、肩と耳の距離が近くなっています。2枚目は肩が上がっていませんね。

 

この「肩の上がり」はレッスン中でも非常によく見かけられる光景ですし、おそらく日常生活でもやってしまっている方はけっこういらっしゃると思います。棚の上の方から何かを取ろうとしている時や洗濯物を干す時など手を上げる動作の時もそうですし、運転中やパソコンを使っている時、ドライヤーで髪を乾かしている時など、手を頭上に上げていなくても、肩が無意識のうちに上がってしまう方はけっこういらっしゃると思います。

 

 

ちなみに腕を上げる時に使われるのは、主に上の図にある3つの筋肉です。細かい名前はさておき・・・「僧帽筋」は入っていませんよね?つまり肩を上げる時は、僧帽筋は本来であれば使う必要がないということです。また上の図の筋肉を使って手を上げる場合には、肩が上がることはありません。

 

それなのに、手を上げる時に一緒に肩を上げてしまうのはなぜでしょうか?

 

原因はさまざま考えられます。

 

①図の3つの筋肉が弱くて、その弱さをカバーするために僧帽筋を使ってしまう。

 

②3つの筋肉は弱いわけではないけど、僧帽筋の力を抜くことが不十分で、余計な時にも働いてしまう。(僧帽筋の上部が過活動の状態になっている。)

 

③肩甲骨を安定させる筋肉(例えば肩甲骨を下方向に引っ張る僧帽筋の下部分など)が弱くて、肩甲骨が上がってしまう。

 

などです。②、③あたりが原因の方は結構多いのではと思います。

 

ということで、最後に僧帽筋の上部分と反対の働きをする僧帽筋の下部分を強化する動きをご紹介します。肩が上げるくせのある方は僧帽筋の下部分が弱くなっている可能性大です。おうちで簡単に出来ますのでやってみてください~。

 

 

字幕はありませんが、動き自体は動画を見ていただければわかると思います。壁に背中・頭をつけ、あごは引いて下さい。足は壁から20~30㎝離します。腕は肩の高さで肘を曲げます。お腹に力を入れ、肘を下げていきます。肘の上げ下げをゆっくりと2分間ほど行います。僧帽筋の下部分が働くのを感じ取って下さい。

 

最後に宣伝です♪今月から始まった「バートレ」は全身の筋トレですが、肩甲骨を正しく動かせるようになるメニューをたくさん盛り込んでますので、肩が上がっちゃう方はもちろん、猫背の方や肩こりの方も大歓迎ですよ~。是非一度ご参加ください❤

 

文:真木