このブログでなにかとダメ出しを喰らう「骨盤前傾」ですが、今日は骨盤前傾が役に立つ場面もある!という話です。骨盤前傾の皆様、今日ばかりはその前に傾いた骨盤を慈(いつく)しんであげてください😆
まずはこのテストをやってみて下さい。仰向けで片足のみ膝を90°に曲げます。膝の位置がずれないよう両手で抱えます。そこから膝をゆっくりと伸ばしていきます。どこまで伸びますか?完全に伸びた状態からマイナス20°くらい(黄色の線と赤い線が成す角度が20°くらい)までいけばまずまずかと思います。黄色線と赤線の成す角度が20°を上回っている場合には、おそらくあそこが硬いですよ~。どこだかわかりますか?
ハムストリングです。
ハムストリングが硬いと判明したなら、やるべきことはただ1つ。もちろんハムストリングのストレッチです。でもストレッチもただやれば良いというわけではなく、正しくできていなければ当然効果も期待できません。
ハムストリングのストレッチとしてお馴染みなのは前屈です。誰でもやったことありますよね?手の指が足指に届くことが「柔らかさの証明」になっている節がありますが、これは間違いです。足先の手が届くこととハムストリングの柔らかさはあまり関係がありません。
さて本題に戻ります。骨盤前傾が役に立つ場面はどこなのかという話ですが、結論から言っちゃいますと、ハムストリングのストレッチをしたい時に役立つんですね~😄
こちらのイラストは体を覆う膜(ファシア)がどんな風に付いているかを表しています。他にもいろいろなファシアがありますが、体の後ろ側はこんな感じです。ハムストリングのついている辺りと骨盤や腰の辺りがつながっているのがわかります。
ここから少しややこしい話になりますが、まずは輪ゴムをイメージしてみて下さい。輪ゴムをめいっぱい引っ張たら、その輪ゴムをそれ以上伸ばすことは難しいですよね?切れてしまいます。でも緩んでいる輪ゴムは簡単に伸ばすことができます。
同じことをファシアでイメージしてみて下さい。骨盤が後傾している方というのは、多くの場合、背中はやや丸まっています。背中が丸まっているということは、背中のファシアは伸びた状態だということです。
ファシアにも伸張性はありますが、輪ゴムと同様に既に伸びているものを更に伸ばすということは難しいのです。つまり背中のファシアを緩めたほうが、そのファシアにつながっているハムストリングを伸ばしやすくなる、というわけなのです。
では背中のファシアを緩めるにはどうしたら良いのでしょうか。骨盤後傾で背中のファシアが伸びるのなら、その逆をすれば良いのです。つまり骨盤を前傾させれば、背中のファシアは緩み、結果としてハムストリングが伸びやすくなるというわけです。
最後に本気でハムストリングを伸ばしたい方にストレッチを1つご紹介します。このストレッチのポイントは「正確に、そして正直に!」です😄
正直なストレッチってなんやねーん!かと思いますが、このストレッチをする時には是非、嘘・偽りがないかを自問自答しながら行っていただきたいのです。
何を自問自答するかと言いますと・・・「腰椎は本当に伸展しているか?」という点を自らに問い詰めていただきたいのです。
画像はMRIで体の側面を写したものですが、赤い線の辺りが腰椎です。左は腰椎が丸まった状態(腰椎の屈曲)、右は腰椎を反らせた状態(腰椎の伸展)です。腰椎と骨盤というのは一緒に動くことが多く、骨盤が後傾すれば腰椎は屈曲しやすく、骨盤が前傾すれば腰椎は伸展しやすくなります。
話があちこちに行き、頭がグチャグチャになりそうですが・・・言いたいことはこういうことです。「ハムストリングを伸ばしたいのなら、骨盤は前傾させた方が効果的。骨盤を前傾させたら、腰椎は伸展する。だからハムストリングのストレッチをする時には、腰椎は伸展させると良い。」
ではこの結論を踏まえて、ようやくストレッチのご紹介です。
椅子等に足を開いて座って下さい。足は骨盤より外に開いて下さい。膝は曲げても良いですし、画像より伸ばしてもOKです。
次がこのストレッチの最大のポイントです。骨盤前傾+腰椎伸展の姿勢をつくります。言葉を変えれば、出っ尻にして、腰を反らせて、胸を突き出すということです。
骨盤前傾+腰椎伸展のまま上半身を倒していきます。手は画像のように腰椎とみぞおちの辺りに当てると良いと思います。腰椎の手は腰椎が丸まっていっていないかを感じ取って下さい。みぞおちの方はみぞおちが体の奥に入っていっていないか、しっかりと胸を開いたままでいられているかを感じ取って下さい。
ハムストリングが硬い方は1枚目の画像くらいしか上半身が倒れないかもしれませんが、それで十分です。大切なのは正直に!です😊腰椎を丸めて深く倒れても意味はありません。試しに背中を丸め倒れる形と腰椎を反らせて倒れる形を比べてみて下さい。ハムストリングの伸びが全く違うことを感じられることと思います。
文:真木
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