あと1つを加える

「今日はうまくいった」と息子から送られてきた写メ・・・この写真の一体何が上手くいったのかと思いきや、2回目の「火を使った料理」に挑戦し、鶏肉をうまく焼けたという意味だったようです。

 

お湯を注ぐだけのインスタント味噌汁、レンジでチンしただけのご飯、焼いただけの鶏肉・・・カップ麺よりは良いかもしれませんが、それにしても・・・

 

「コンビニ弁当はできるだけ避ける、買い物する時は原材料ラベルをチェックして添加物がより少ないものを選ぶ、インスタント味噌汁にはせめてふえるワカメちゃんを入れる、肉を炒める時にはせめて椎茸くらい入れる、塩は食卓塩はダメ、飲み物は水とお茶で十分、野菜を料理するのが面倒ならせめてトマトとか果物とか生で食べられるものを食べる、チンご飯を買う時は白米より雑穀米とか玄米を選ぶ、白砂糖を避ける、人工甘味料はもっと避ける、あーでもないこーでもない」と私が口酸っぱく言うと、「何にも食べるものない」と言い返してきます。

 

そうなると私も応戦体制に入ります。息子は将来は医療に携わる職業に就きたいらしいので、「自分自身の健康管理にも関心がないような人間が、ひと様の健康について語れると思うな。」と言うと、「学校の友達はみなマックもコンビニ弁当も食べてる。」と息子。「だったら学校の友達全員で今から食生活を見直して、健康について語る資格のある人間を目指せ。」と私。このやり取りを何度したことか・・・。

 

画像はイギリス人医師のルピーさんです。昨日、ルピーさんのTED講演の動画を見たのですが、「よくぞ言ってくれました!」となんとも清々しい気持ちになりました。

 

ルピーさんはこう言っていました。「あなたの健康に最も影響を及ぼすのはロングセラーの薬でもなければ、最新の手術でもありません。最大の影響力を及ぼすのは、我々が我々自身の体にどんな食べ物を与えるか、です。」

 

さらにルピーさんの話は続きます。「食事は私たちの健康を考える上で最重要であるにも関わらず、医学教育ではたった数時間の授業を受けるだけです。」

 

日本の医学教育事情は分かりませんが、少なくとも理学療法の学校では栄養に関する授業は皆無でした。今思えば、筋肉や骨、関節の健康を守るための食事というのはどういうものかという授業があっても良いのではないかと思います。

 

何度かブログに書いたことがありますが、真木は子供の頃はひどいアトピー持ちでした。ステロイドをたっぷり塗った後に掻かないようにと包帯でグルグル巻きにされていました。母が東京のお茶の水クリニックのことを知ったのは、ステロイドの治療を始めて1・2年後のことだったと思います。私は子供だったのであまり記憶はないのですが、お茶の水クリニックに通うようになってからは、ステロイドも包帯グルグルもなくなりました。その代わり、食生活がガラッと変わりました。給食も食べず、毎日玄米が入ったお弁当を持たされました。お菓子も市販のものはほとんど出ず、焼き芋、とうきび、果物、昆布・・・母が揚げたポテトチップスがたま~に出てくると、それはもうテンション爆上がりでした😆

 

お茶の水クリニックに通い始めてほどなくして、アトピーもついでに便秘もすっかり完治しました。子供時代の経験ではありますが、多くの病気は食事によってつくられ、食事によって治せるということを実体験できたのは貴重だったと感じています。当時は給食もお菓子も食べられないのは辛かったですが。

 

ちなみにルピーさんは医学生に食事の重要性を伝えるべくブリストル大学やロンドン大学で学生を指導したり、『The Doctor's Kitchen』や『Eat to beat illness(食べて病気をやっつける)』といったベストセラー本を出されているそうです。

 

 

 

世の中にはいろいろな食事法があります。ベジタリアン、ビーガン、低炭水化物ダイエット、パレオダイエット(旧石器時代の狩猟採集型の食生活)、地中海食、ケトダイエット、フルタリアン(果物のみ)、肉しか食べないなんていうのまであります。

 

ルピーさんによれば研究が進んでいるのはビーガン、パレオダイエット、地中海食、低炭水化物ダイエットの4つだそうです。ビーガンは心疾患のリスクを下げ、パレオダイエットは腸の状態を改善し、低炭水化物ダイエットは2型糖尿病を改善し、地中海食は長寿食と言われています。

 

人間にとってベストな食事法は何なのか、この論争に終わりがくることはないのかもしれません。上記の4つだけを見ても、どれがベストかを判断することは難しいですよね。

 

ルピーさんはこの4つの食事法に共通することがあると言います。それはいずれも①食物繊維、②植物性食品、③良質な脂質、④カラフルな食材、の摂取量が高いということです。また加工食品や砂糖の摂取が抑えられているという点も共通していると言っていました。

 

やっぱり結論はそうなるのか~と妙に納得しました。工場で過剰に加工されていない、精製されていない、自然界にある食べ物をできるだけそのままに近い形で食べる、これがベストな食事なのではないでしょうか。

 

ルピーさんは講演をこう締めくくっていました。

 

「食事をする度に、あと1つ加えられないかを自らに問うてみて下さい。あと1つカラフルな野菜を加えられないかを問うてみて下さい。カレーを食べるならほうれん草を入れられないか、オムレツを食べるならならグリーンピースを添えられないか、コーニッシュパスティをカボチャと一緒に食べられないか、問うてみて下さい。」

 

ちなみにコーニッシュパスティはイギリス・コーンウォール地方の玉ねぎ、じゃがいも、牛肉などが入った家庭料理だそうです。イギリスの料理はイギリス人ですらまずいと言うくらいまずいらしいですが、これは美味しそうに見えますよね・・・😊

 

文:真木

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    西谷 (月曜日, 12 9月 2022 12:14)

    まさに、you are what you eat、医食同源ですね。今でこそ予防医学と言われているけと、基本医療機関は病気になるのを待ってるだけですからね。早期発見の前に予防だと思います!最近は昼も外で揚げ物多めで、玄米は1日1食ですが一生続けます。食べものだけでなく実は経皮吸収も侮れないなと思う今日この頃です。

  • #2

    シャキット真木 (月曜日, 12 9月 2022 13:30)

    You are what you eat、医食同源、至極当然だと思うのですが、西洋医学はここをないがしろにし過ぎてきたように思います。「早期発見の前に予防」に200%賛同です!

    経皮吸収・・・食べ物ほど意識したことがないですが、確かに侮れないですね・・・。陰謀論レベルかもしれませんが、電磁波とか5G とかはどうなのかな~なんて思ったりもします。普通に電子レンジで温めますが・・・。

    西谷さんは詳しそう。ご存知であれば教えて下さい。