力を抜く練習

何事も力み過ぎるとうまくいかないものですよね~。ストレッチを習慣にしているのに柔軟性が上がっていく気配がないという場合には、もしかして原因は「力み」かもしれません。

1枚目の画像は筋肉の断面図です。細~い線維を束にし、その束を集めたものが筋肉であるということがわかります。2枚目の画像は筋肉の「収縮」を表しています。向かい合った矢印が近づいていっていますが、これは筋肉に力を入れると、筋肉の線維は縮むということを示しています。

 

この機序を知ったのなら、ストレッチをして筋肉を伸ばしたい時には筋肉を縮めない、つまり「力まない」ということが大切であることが理解できます。少なくとも頭では・・・🙄

 

シャキットのストレッチ系のレッスンと言えば、スロー&フローとソフトSMです。真木が担当しているソフトSMで、私が皆様にもっとも意識していただきたいことが、「力んでいないか、踏ん張っていないか、力が抜けているのを感じられるか」という点です。

 

レッスンで皆様の動きを見ていると毎回思うことがあります。それは「形がみ~んなばらっばらだな~」ということです(笑)でもこれは別に良いんです。良いというか、当然のことなのです。柔軟性も可動性も筋力も骨格も誰一人として同じ人はいませんから、同じ形にならないのは当たり前です。ソフトSMではそれが筋トレ系のレッスン以上に強く表れる、というだけの話なのです。

 

ただ、どんな形であったとしても共通して言えることが、力んでいるうちは筋肉の線維は伸びないので、動きに慣れてきたのなら力を抜いていくということに重点を置かなければならない、ということです。

 

力を抜くことが大切だとうことは頭では分かっていても、それを体で行うことができないという方も多いかと思います。ということで、今回は脱力の練習方法を1つご紹介したいと思います。

 

 漸進的筋弛緩法(progressive muscle relaxation, PMR)は1920年代に内科・精神科医であり、生理学者でもあるエドモンド・ジェイコブソンによって開発されました。

 

 

どんな方法かを一言で説明すると、「筋肉の緊張と弛緩を意識的に繰り返す」です。要は、力を入れる・抜くを繰り返す、それだけです。やることはそれだけなのですがポイントがあります。それは弛緩していく時(力を抜いていく時)に意識を向けて、筋肉の緊張が緩んでいくのを感じ取り、最も弛緩した状態ではどうなるのかという感覚を掴み取る!ということです。「弛緩した状態がどういうことなのかを実感できるようになる」というのがこの方法の最大のポイントです。

 

ちなみに漸進的筋弛緩法の効果はさまざまな研究によって検証されており、癌患者の不眠症や痛みが軽減したり、サッカー選手の疲労が軽減したり、長期的な効果としては集中力の改善、自己肯定感の向上、不安感の低下、自発性の向上なども挙げられているようです。

 

実際に漸進的筋弛緩法を始める前に、まずはご自身の呼吸を確認してみて下さい。椅子に座っても良いですし、寝転がってもOKです。

 

体をより弛緩した状態に持っていくためには、副交感神経を刺激することが大切になります。呼吸によって副交感神経の働きを高めたい時、鍵を握るのが横隔膜です。肺の下にある横隔膜を上下させることができるか、これが重要になってきます。

 

鼻から息を吸った時に胸郭と腹部が膨らみ、横隔膜は下がるのを感じ取れますか?また息を吐き出した時に、胸郭・腹部・横隔膜が元に戻っていくのを感じ取れますか?分からないという場合には・・・練習あるのみです。

 

呼吸の確認・練習が終わったなら、いよいよ本番です!YouTubeで漸進的筋弛緩法を検索すると、音声ガイドがついた動画がいろいろと出てきますが、その中の1つを貼ります。17分弱です。ちなみに真木はこれを最後まで出来たためしがありません。途中で飽きるか、寝落ちしてしまうのです😅最後までいけるでしょうか・・・


上記の動画がお好みでなければ、他にもいろいろとあるようなので探してみて下さい。時間がなければ、全身行う必要はなく、特に気になる部位、力を抜くのが苦手な部位のみ行うと良いそうです。

 

弛緩する感覚をつかめたのなら、その感覚をストレッチをする時やソフトSMやスロー&フローに参加される時にもぜひ活かしてみて下さい😊

 

文:真木