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今日はある動きを1つだけご紹介します!動き自体は複雑ではないのですが、「使うべき筋肉を使うことができるかどうか」という意味で難しい動きです。
ご紹介する動きで使うべき筋肉は前鋸筋(ぜんきょきん)です。だいぶ前に前鋸筋についてブログで書いたことはあるのですが、書いた本人すら何を書いたか覚えていないので、皆様も記憶にないことと思います。レッスンでは前鋸筋について触れることはほぼないので、初耳の方も多いかもしれません。
肩甲骨の裏面や肋骨に付いており、体の側面からやや前面まで伸びるギザギザのシート状の筋肉です。
前鋸筋が発達している+脂肪が少ない人は1枚目の画像のお二人のように、表面からでもはっきりと「ギザギザ」が見えますね。
ボクサー筋という別名がつくほど、ボクサーは前鋸筋が発達しています。と言うのも腕を前へ押し出す動き、すなわちパンチの時に働く筋肉だからです。
こう書くと、「パンチ力をつけたいわけではないから、前鋸筋には興味がわかない」という方も多いかもしれませんが、前鋸筋はパンチの時以外にも重要な役割を果たしているのです。どんな時かと言いますと・・・
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腕を上げる時です。画像を見ると腕を上げる時には、肩甲骨が一緒に動いているのがわかりますよね?この「連動」がきちんと起きるかどうかで、腕の上がり具合に違いが生じます。肩甲骨が動けば動くほど腕が上がるかと言うとそうではなく、「程よく動き、程よく安定している」ことが大切です。前鋸筋は腕を上げる時の「肩甲骨の安定性」に大きな影響を及ぼす筋肉なのです。
腕を耳の真横まですんなりと上げれない場合には、もしかしたら前鋸筋が十分に働いておらず、それを補うために「あそこ」が過剰に働いているのかもしれません。どこだかわかりますか?レッスンで時々、名前が登場します。
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答えは「僧帽筋の上の方」です。僧帽筋上部の過剰な活動に加え、前鋸筋による肩甲骨の安定が不十分だと、腕があまり上がらない、腕を上げる時に痛みが出る(肩周りで骨と骨がぶつかるような痛み、筋肉が挟まるような痛み)ことがあります。また、痛みが出ないという方でも、腕を肩の高さより上に挙げた時に肩を上げるクセのある方は、前鋸筋が弱くなっているかもしれません。
ということで、腕をスムーズに上げる時の土台作りをしてくれている前鋸筋、でもあまり日の目を見ることがない前鋸筋、そんな前鋸筋が使えているかどうかをチェックしてみたいと思います!
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姿勢はこんな感じです。足は骨盤幅くらいに開きます。両膝は軽く曲げ、骨盤は後ろに引かさっています。上半身はおへそからではなく、鼠径部から倒れています。あまり深くは倒れないで下さい。腰は反らせません。背中を丸めもしません。骨盤は前傾も後傾もしない正中位(ニュートラル)な状態にします。
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絵にするとこんな感じですね。この姿勢作りが案外難しいですね。
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ここからは説明しやすいように右左を明記していきます。右腕を肩と肘が一直線になる高さまで上げ、肘は90度に曲げます。
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左の腕は画像のように背中にのせます。届くのなら右の肩甲骨の動きがわかる位置にのせます。
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右の肘から下を上げられるところまで上げていきます。肘から下を上げていく時に、右の肩甲骨、特に肩甲骨の下半分くらいが右上に上がりつつ(肩甲骨の上方回旋)、体の中に沈んでいく(肩甲骨の後傾)のを感じられますか?その時、前鋸筋に力が入っているのは感じ取れますか?もし入っていなければ、力を入れます。入れれますか?
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肩甲骨の動きをイラストにするとこんな感じです。左のイラストは、右の肩甲骨を後ろから見た絵で、薄く描かれている方が上方回旋した肩甲骨です。
右のイラストは、右の肩甲骨を真横から見た絵で、薄く描かれているのが後傾した肩甲骨です。
ややこしいですね~😱肩甲骨とか肩ってややこしいんです。イヤになっちゃいますね😭でもこのややこしさがあるからこそ、腕はいろんな方向い動かすことができるので、仕方なしです。
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動きに戻ります。肘から下を上げられるところまで上げたら、今度はそこから肘をゆっくり伸ばしていきます。前鋸筋に力を入れたまま伸ばしていきます。
肘を伸ばしきった時、力の入り具合が
僧帽筋上部>前鋸筋
になってしまっていませんか?もしなっていたら、僧帽筋上部の力を抜くことはできますか?ちなみに、僧帽筋上部も多少は働くのでゼロにはなりません。大事なことは
前鋸筋>僧帽筋上部
にすることです。もしできないのなら、少しずつ肘を曲げていき、前鋸筋>僧帽筋上部になるところを探します。前鋸筋>僧帽筋上部になる位置を見つけたら、そのまま20秒くらい止まって下さい。最終的には肘を伸ばしきった状態でも、前鋸筋>僧帽筋上部となれることが理想です。
いかがでしょうか。なんとも地味ですし、もしかしたら最初は「さっぱりわからない」と思われるかもしれません。ただし、前鋸筋>僧帽筋上部の感覚を一旦掴み取ったなら、それはレッスンの時にも応用することが可能です。
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例えば、ワークアウト第1で最初に行うスクワット。クッションが頭と同じ高さになるくらい腕を上げて行いますが、あの時、画像の左側のように肩が上がっている方の多いこと多いこと・・・😭
もちろんスクワットなので、下半身を意識して、上半身はさほど気を付けていないという方がほとんどだとは思いますが、もったいない!です。どうせなら画像の右側のように、僧帽筋上部にばかり頼らない、前鋸筋も活かした形で行いたいものです。
文:真木
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