20g増やすと・・・

今日は、「あるものの摂取量を16gから37gへと約20gアップさせたら、こんな恩恵を受けた~!」という話です。

 

と言っても、参考にした論文の被験者は27名と少なく、なおかつ2型糖尿病と診断された人です。ということで、誰もが「あるもの」を37gに増やしたところで、これからご紹介する恩恵を受けられる、という話ではありません。ただ、「あるもの」が健康を考える上で重要な役割を担っているということを理解するための一助になる気がしたので、今日のブログに書くことにしました。

 

 

糖尿病患者の方が受けた恩恵、それは、「HbA1cが7%以下になった」です。

 

HbA1cはヘモグロビンエーワンシーと読むそうです。ヘモグロビンは聞いたことありますが、HbA1cは初耳です。

 

ヘモグロビンは赤血球の中に存在する酸素の運び屋です。一方のHbA1cは糖尿病の診断の際に用いられるそうです。健康診断や人間ドッグの結果表を見ると記載されているかもしれません。

 

糖がくっついたヘモグロビンがHbA1c(糖化ヘモグロビン)であり、糖尿病の人の血中はHbA1cが多いのだそうです。

 

血糖値が高い状態が続くと糖尿病のリスクが高まりますが、血糖値を「今日のテストの点数」とするなら、HbA1cは「学期末の成績表」のようなもの、ととある病院のブログに書かれていました。HbA1cは約2ヶ月間の平均的な血糖値コントロールを表しているのだそうです。ちなみに、HbA1cが5~5.5%は健康、5.8~6.4%は糖尿病予備軍、6.5%以上で糖尿病と診断されるそうです。糖尿病予備軍は成人の5人に1人、日本に約2000万人もいると言われています。決して他人事ではありません。

 

ここからは糖尿病と診断された方が、食事や運動、薬などで治療を行っている場合のHbA1cの読み方です。

 

5%台は「その調子で行こう!」

 

6%台は「ちょ~と危ないよ!ほっといたら動脈硬化起こしちゃうかもよ~。」

 

7%は「危ない!糖尿病合併症が起きちゃうよ!」

 

8%は「めちゃんこ危ない!合併症だけじゃなく、感染症やらいろいろ重症化しちゃうよ!」

 

となるそうです。糖尿病と診断されたなら、合併症を予防するためには、HbA1cを常に7%未満に保つことが重要なのだそうです。

 

話を冒頭の論文に戻します。27人の糖尿病の被験者のHbA1cを7%未満に下げた「あるもの」、その正体は・・・食物繊維です。

 

食物繊維は糖尿病の方のHbA1c値を下げるだけでなく、健康な人の場合であっても食物繊維の摂取量が多い方がHbA1cの値は低いという報告があるそうです。誰にとっても食物繊維は大切ということですね。

 

ところで皆さんは日にどれくらいの食物繊維を摂取できているかご存知ですか?厚労省による目標量は男性で21g以上、女性で18g以上です。理想的には24g以上という説もあるようです。ところが、日本人の平均摂取量は約15g程度にとどまっているそうです。

 

例えば、下記のような食事で摂れる食物繊維はどれくらいだと思いますか?

 

1日3食のメニューとしては特段珍しい感じはないですよね。この3食で摂取できる食物繊維量は、なんとたったの約11gです。理想量の半分以下、目標量にすら全く届いていませんね😭

 

上記の3食だとどうでしょうか。パスタにサラダも加えて、少しは食物繊維量が増えたかなと思いきや・・・同じくたったの11gです。

 

こう考えると、食物繊維37gってなかなか大変ですね。食物繊維の摂取量を増やすには、今の食事内容にもうひと工夫加える必要がありそうです。一般的に生よりも乾燥させたものの方が食物繊維は豊富なので、例えば大根なら大根おろしの形で食べるより、切り干し大根の方が食物繊維を多く摂れます。(生の大根100gに含まれる食物繊維は1.4gに対し、切り干し大根100gに含まれる食物繊維は21.3g!)

 

キノコ類は優秀ですよ。100gの乾燥きくらげは57.4g、100gの干し椎茸は46.7gもの食物繊維を含んでいます。食物繊維が多いイメージのあるゴボウ(生)は100gで5.7gなので、乾燥きくらげ・干し椎茸の圧勝ですね。

 

画像は51g分の干し椎茸です。これを全部食べれば約24gの食物繊維が摂れることになります。半分でも12g・・・優秀ですね~。真木的には余裕で食べられる量ですが、皆様はいかがでしょうか。

 

白米を食べる時には納豆や海苔と一緒に食べる、パンを食べる時にはライ麦パンを選ぶ、といったちょっとした工夫を組み合わせることでも食物繊維量を増やすことは可能ですね。

 

食物繊維を増やすために行っている工夫が何かあれば、ぜひ教えてください~😊

 

文:真木