65歳以上の日本人の何人に1人が認知症だと思いますか?現在は約6人に1人だそうです。2025年には約5人に1人になると言われているそうです。
経済協力開発機構(OECD)に加盟している先進国35ヵ国中、日本は認知症患者数が最も多く、「認知症になりやすい国」と言えるのかもしれません。
認知症の原因はさまざまですが、衛生環境が良い国では発症率が高い傾向があるそうです。と言うのも、衛生環境が良いと免疫が衰えてしまい、アルツハイマーに関係する免疫細胞が作られなくなってしまうらしいのです。これは真木、初耳でしたので驚きました。(アルツハイマー型認知症は日本人の認知症の中で最も多い)
若い頃なら物忘れも笑い飛ばせますが、ある程度の年齢に達すると、物忘れが続くとドキッとする方もいらっしゃるかもしれません。ただし、老化現象としての物忘れと認知症による物忘れは別物なので、物忘れが多いから認知症のリスクが高いとは言えないようです。
老化現象による物忘れと認知症による物忘れの違いを具体例で挙げると
老化:眼鏡を置いた場所を忘れる、認知症:眼鏡を置いたこと自体を忘れる
老化:旅行先の地名が出てこない、認知症:旅行に行ったこと自体を忘れる
老化:何を食べたかを忘れる、認知症:食事をしたこと自体を忘れる
というように認知症による物忘れは自分が体験した出来事そのものを忘れてしまうという特徴があるようです。
レッスンのご予約をされて、当日それをすっかり忘れて「忘れてました!スミマセン!!」という方はそれなりにいらっしゃいます。これはセーフというか、単なる老化現象ということですね。「え、私、予約してましたっけ??」となるという方は危ないかも・・・?!
物忘れのみで認知症のリスクを予測することは難しいそうなのですが、物忘れにもう1つの尺度を加えると予測の精度が上がるらしいのです。それは・・・
歩くスピード
です。60歳以上の認知症と診断されていない8,699人を被験者とした研究で判明したこと、それは・・・
①定期的な物忘れがある人は、そうでない人と比較し、認知症になるリスクが2.2倍~4.6倍高い。
②歩行速度が遅い人は、そうでない人と比較し、認知症になるリスクが2.1倍~3.6倍高い。
③定期的な物忘れがあり歩行速度も遅い人は、そうでない人と比較し、認知症になるリスクが5.2倍~11.7倍高い。
ということです。物忘れ+遅い歩行速度で認知症のリスクがグ~ンと上がることが分かります。この2つの要素が揃うと将来的に認知症になるリスクが高い、ということを予測できるというわけです。早めに予測できれば、早くに対策を練ることもできます。早期予測、早期対策が進行を遅らせるための一助になるのではないでしょうか。
歩行速度の低下が認知症を予測するための尺度の1つであるならば、逆は言えるのでしょうか?つまり早歩きをしていたら、認知症のリスクを少しでも下げることはできるのでしょうか?
残念ながら早歩きと認知症の関連性を調べたものは真木には見つけることはできなかったのですが(存在するのかもしれませんが)、運動や歩くことが認知症のリスクを下げるとする研究はいくらでもあるようです。
例えばイタリアの749人の男女を被験者とした研究では、散歩や運動をよく行う上位3分の1の人たちは、下位3分の1の人たちに比べ、認知症にかかるリスクが24~29%ほど低い、という結果が出ていました。
真木の人生に多大なる影響を与えて下さった渡部昇一先生(英語学者、歴史家)は、顔が売れていたということもあり、日中はなかなか散歩するということが出来なかったそうです。80代になってからは、週に1回、夜に自宅からタクシーに乗って吉祥寺まで行き、喫茶店でコーヒーを飲みながら読書し、数キロの道を歩いて帰るということをされていたそうです。誰でも仕事、家事・育児などなどで「歩かない理由」はいくらでもあるとは思いますが、「歩くための態勢づくり」も大切ですね。これ自分自身に向けて書いています・・・😅
文:真木
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