お尻なのか腰なのか

ランナーの方やスポーツをされる方なら、ウォーミングアップとしてこの動きをされる方も多いのではないでしょうか。レッグスイングと呼ばれたりするこの動きは、股関節を緩めて動かしやすくする、体温を上げて体全体を動きやすくする、といった意味でとても良い準備運動だと言えます。シャキットのレッスン前に行うのも良いと思います😊

 

ということで、今回はレッグスイングに注目してみたいと思います!

 

 

まずは動きを分析してみましょ~!レッグスイングの名の通り、足を前後に振るわけですが、動きが始まる場所は股関節です。足を前方へ上げることを「股関節の屈曲」と言い、後方へ上げることを「股関節の伸展」と言います。レッグスイングと言うとなんだかカッコいいですが、なんのことはない「股関節の屈曲・伸展」を繰り返しているだけです。

 

関節の動く幅(可動域)というのは大体決まっていて、股関節の屈曲は125度くらい、伸展は15度くらいです。どんなに関節が緩い方であっても、屈曲が200度とか伸展が90度とかはありえません。この動きの幅、頭の片隅に入れておいて下さいね😊

ここで再度、冒頭の男性にご登場いただきました。股関節の屈曲・伸展は何度くらいに見えますか?屈曲の方は125度前後のように見えます。伸展の方はと言うと、どう見ても15度を大きく超えて見えますね。この男性、まれに見る大きな可動域の持ち主なのでしょうか??

 

もちろんそういうわけではなく、股関節以外の部位も使っているために、股関節伸展が15度以上あるように「見える」だけなのです。股関節以外に使っている部位はどこでしょうか?

 

1つには上半身があります。股関節を伸展させた時に上半身が前方へ倒れていますね?上体を前に倒すことで足を上げているのが見て取れます。良かったら試してみて下さい。上半身を真っ直ぐに保ったまま足を後方に挙げようとしてもさほど上がりませんが、上体を倒していくと足は上がっていきますよね?上体を倒す動きを入れてしまうと、それは「純粋」な股関節伸展とは言えません。

 

股関節以外で使っていると思われる部位が他にもあります。それが腰、腰椎です。先ほどの男性よりも、こちらの女性の方が腰椎を使っていることがより顕著に見て取れます。

 

こちらも良かったら試して見て下さい。上体を倒さず、尚且つ腰椎を反らせないように気を付けて、股関節を伸展させてみて下さい。柔らかい方でもいって30度くらいだと思います。そこからゆっくりと腰を反らせていくと足が更に上がりますよね?それも「純粋」な股関節伸展ではありません。

 

では「純粋」な股関節屈曲・伸展だけのレッグスイングはどんな形になるのでしょうか?

 

こんなんです😆イラストかい!と怒られそうですが・・・😅見事なまでに股関節しか動いていない、純度100%の股関節屈曲・伸展です!

 

混ぜ物ありのレッグスイングと混ぜ物なしのレッグスイングでは、働く筋肉にも違いがあります。混ぜ物ありの場合は、おそらくほとんどが「勢い」です😅体を温めるウォーミングアップの一環として行うのであれば、そういうレッグスイングも悪くはないと思います。

 

そうではなく、もう少し「純度を上げたい」という場合には、体幹の筋肉を使う必要があります。腰椎が「持っていかれない」ように、腹筋群が働く必要があります。また、大殿筋にもがんばってもらう必要があります。なぜなら股関節を伸展させる筋肉の主役は大殿筋だからです。腰椎を使ってしまうと、大殿筋は「出る幕なし」となってしまいます。

 

こちらの女性のレッグスイングは純度が高い上に、スピードもあって綺麗ですね~😍

 

レッグスイングをする時には、まずは使う筋肉を意識しながら、ゆっくりと丁寧に動かすことをおすすめします。そして、純度の高い、ごまかしのないレッグスイングが身に付いてから、徐々にスピードを上げていくと良いと思います。そうすれば、画像の女性のような美しいレッグスイングになると思います。

「動きをごまかさない」というのは筋トレにおいてとても重要なポイントです。もちろんシャキットのお客様が「真木を騙すため」に動きをごまかしていると言うつもりは毛頭ないのですが、知らず知らずのうちに・・・ということはあると思います。

 

例えば、ワークアウト第1の最後から2つ目の動き(上体を起こす⇒戻る⇒両足を浮かせる)を思い出してみて下さい。あの動きではレッグスイングと同じ「ごまかし」を入れることができます。

 

それが「腰椎を使って足を浮かせる」です。いかがですか?腰椎使っていませんか?大殿筋「だけ」で上げれていますか?

 

慣れてきた時こそ、ごまかしのない筋トレになっているか、今一度ご自身と向き合ってみて下さい😊

 

文:真木