肋骨の位置、正しいですか?

若かりし頃にこんな裾広がりのズボンを履いていた方いらっしゃいませんか?私と同年代の方でしたら、安室奈美恵さんが大人気だった90年代頃、若い女の子が「アムラー」となって、フレアパンツに厚底ブーツを履いていた記憶があるかもしれません。私ももちろん履いていました😆背も高くなるし、足も長くなるし、急にスタイルが良くなるんですよね(笑)でも家に帰って、厚底を脱ぐと、そこにいる自分は「殿中でござる」なんです😭

「殿中でござる」は、「忠臣蔵」のワンシーンで登場するセリフです。青い袴の浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)を追いかける後ろの人が放った言葉が「殿中でござる」です。「裾が長いよ~」という意味ではもちろんなく、「城の中ですぞ!落ち着いて!」という意味です。江戸城の中では抜刀は厳禁だったそうで、袴の裾を長くしたのも、歩きにくくして刃傷沙汰を防ぐという意味があったそうです。

 

話が逸れましたが、今日のブログは「殿中でござる」とは一切関係ありません。フレアパンツのフレアは「広がる」という意味なのですが、「リブフレア」というのもあります。リブはあばら、肋骨です。つまり「リブフレア」は「広がった肋骨」ということになります。今日は「広がった肋骨とは何ぞや」ということについて書いていきたいと思います。

 

 

肋骨が広がると上記のような姿勢になりがちです。胸を前方へ突き出したような姿勢、胸郭が突き出たような姿勢です。「反り腰じゃないの?ただの骨盤前傾じゃないの?」と思われた方いらっしゃたら、素晴らしい洞察力です😄リブフレアの方は、骨盤が前傾しているケースが多いのです。

 

リブフレアの方は骨盤前傾の他にも、

 

😭ウエストが太くなりがち、くびれがなくなりがち

😭体幹が弱くなりがち(軸がぶれやすい)

😭肩呼吸になりがち

 

などの特徴もあります。

 

普段の姿勢から「リブフレア」の方もいますし、普段はさほど目立たないものの、運動をすると「リブフレアになる」方もいらっしゃいます。シャキットのレッスンで例えを1つ挙げたいと思います。ワークアウト第1の中盤で行う片足をレッドコードに引っ掛けて、その足を後方へ伸ばし、クッションを持って万歳をする動きです。

 

これです!

 

「脛を垂直に!」とか

 

「重心を後方に!」とか

 

「太ももと床が平行になるまで落として!」とか

 

「上半身を垂直にして骨盤に乗せて!」とか

 

「骨盤を少し後傾気味にして!」とか

 

「お腹引っ込めて!」とか

 

「戻る時に大殿筋を意識して!」とか

 

とにかく真木がうるさいあの動きです。あの時、「腹横筋(腹巻)を骨盤に乗せて」というフレーズを私はよく使いますが、それは、本音で言えば、「腹横筋も胸郭も頭部も骨盤に乗せて、上半身を一直線にして!」ということなのです。口が回らないので言いませんが。

絵が下手すぎて内容が入ってこないという声が聞こえますが・・・理想はこんな感じです!上の絵と見比べて下さい。肋骨が出てないですし、骨盤も前傾していない(反り腰になっていない)ですよね?

 

この動きは体幹強化にとても良いのですが、リブフレアの状態では残念ながら体幹にはあまり効きません。腹部も胸郭もしっかりと骨盤に乗せてこそ体幹が働いてくれるのです。

 

 

こんな風に人体をブロックのようにして考えると分かりやすいかもしれません。右のように下のブロックに上のブロックがしっかりと乗っていれば安定性がありますが、左のように上のブロックが下のブロックに乗っていなければ、当然不安定になります。

 

もちろん、あえて胸郭を突き出すような動きをするレッスンもあります。(スティック・モビリティのように)それは胸椎や肩甲骨の可動性を高めるために必要な動きだからです。「あえてリブフレアの状態をつくる」のと「リブフレアになってしまう」のは全く意味が違います。

 

上述のように、スティック・モビリティのレッスンでは意識する・しない関係なしに、リブフレアになっていることもあると思いますが、シャキットのその他のレッスンでは「リブフレア」はほぼ不要です。ご自身の胸郭があるべき位置にあるかどうかを意識しながら、今一度ひとつひとつの動きに取り組んでみて下さい。気づかないうちに、リブフレアになっているかもしれませんよ・・・😱

 

文:真木