今日は2019年11月24日のブログを書き直し、再掲します。
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アスリートは過酷なトレーニングの副産物として、強靭で美しい肉体を、手に入れることができます。画像の福島千里選手は、レッドコードでのトレーニングをされているのが、度々メディアで紹介されていました。
一方、同じように過酷なトレーニング(稽古)をしているのに、他の多くのスポーツ選手とは一線を画す肉体を持っているのが、力士です。
2020年4月の静岡新聞の報道によると、2020年の夏場所の幕内力士の平均体重は160.2キロだったそうです。政府の統計サイトによると、26~39歳までの日本人男性の平均体重は約70キロ(2017年時点)でした。ということは、力士は、一般的な男性の約2.3人分の体重ということになります。
身長にもよりますが、160キロは間違いなく「肥満」に分類される体重です。力士ではない一般の方で、160キロの体重を有している人がいるとして、その人と力士の体の内部には、どんな違いがあるのでしょうか?
左は肥満に分類される一般の方のCT画像、右が力士です。黒く写っている部分が、脂肪です。
イラストでは脂肪が黄色で表されています。一般の方は、「内臓脂肪」の言葉通り、内臓の周りに脂肪がたっぷりです。一方の力士は、内臓周りの脂肪はさほどなく、皮膚の下の「皮下脂肪」だけが厚いのが分かります。
同じ脂肪でも、付く場所によって、体に与える影響は大きく異なります。皮下脂肪は、外見的なものはさておき、病気には直結しにくく、ある意味「安全な脂肪」です。しかし、内臓脂肪は、血糖値や血圧の上昇、中性脂肪の増加、血管の損傷などを起こし、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高める「危険な脂肪」です。
力士の1日の平均摂取カロリーは8,000kcal(!)ほどだそうです。そんな大食漢の力士を、危険な脂肪である内臓脂肪から守っているもの、それが「過酷な稽古」です。摂取カロリーが多い人でも、運動量が多い、もしくは筋肉量が多いと、内臓脂肪が付きづらいということが、実証されています。
内臓脂肪は男性に多く、皮下脂肪は女性に多いという傾向性はあるようですが、もちろん女性も安心はできません。ウエスト(おへそ周り)の周径を、ヒップ(お尻の最も周径が大きい所)の周径で割った時の値が、男性で1以上、女性で0.9以上(男性が0.9以上、女性が0.8以上という説もあり)だと、内臓脂肪の可能性が高いそうです。
わざわざ周径を測るのが面倒くさいという場合には、見た目でもある程度の判断ができます。脚は割と細いのに、お腹周りに脂肪が多い場合には内臓脂肪、反対に、お尻や太もも周りの脂肪が、他の部位より多い場合には、皮下脂肪の可能性が高くなります。
内臓脂肪は「危険な脂肪」ではありますが、皮下脂肪に比べて、運動で落としやすいという利点があります。活動量を上げることで、危険な脂肪から自らを守ることができます。
文:真木
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