プラトーとの付き合い方

こちらはユーラシア大陸中央部に広がる世界最大級の高原、チベット高原です!その大きさ、日本の国土の6倍!

 

もしこの広大な高原に置き去りにされ、歩いて帰って来い!って言われたらどんな気持ちになるでしょう・・・。仮に十分な食料や必要な道具類を持っていたとしても、果てしなく広がる高原を目の前に自分だったら絶望してしまう気がします。

 

話は変わりますが、ユダヤ人がナチスドイツによって強制収容所に入れられた時に、多くのユダヤ人にとって最も辛かったことは、空腹や強制労働や死への恐怖ではなく、「この状況がいつまで続くかがわからない」ということだったと聞いたことがあります。我々人間は「先が見えない」ということに恐怖を感じるようです。

 

ユダヤ人が強制収容所で感じた苦痛と比較はできませんが、「先が見えない」というのは場合によっては嫌なものです。

 

シャキットのお客様の中にも、経験したことがある、正に今そう感じている、という方がいらっしゃると思うのですが、トレーニングにもダイエットにも「先が見えない状態」が存在します。「停滞期」です。

 

 

筋トレや脳梗塞のリハビリなどで使われる用語に「プラトー」というものがあります。語源は「高原」で、停滞状態のことを指します。

 

筋トレを始めると、数週間~数か月(人によってはもっと早く)で1回目の筋力や体力の上昇が見られます。その後、一定の期間を経て、「プラトー、停滞期」に入ります。プラトーの期間は個人差がありますが、筋トレを続けていると誰でも感じることだとは思います。

 

たとえその筋トレがハードなものだとしても、同じことを繰り返すと、体がそれを日常生活の一部であると誤って認識してしまうことがプラトーが生じる原因です。

 

筋トレに限らず、何かを習得・体得しようと努力している時、私たちはつい「右肩上がり」を望んでしまいますよね?ところが、たいていの物事には停滞期があり、上がっては止まり、上がっては止まりを繰り返してゴール地点に近づいていきます。

 

ダイエットもそうですよね?最近、プチ断食をやっているお客様がだいぶ増えてきましたが、プチ断食も何カ月も続けていると体の変化を感じづらくなってきます。

 

 

 

プラトーは長く続くと、モチベーションの維持が難しくなるので、できるだけ早く脱却したいものです。では、トレーニングやプチ断食でプラトーに入ってしまったら、プラトーから脱却するためにできることはあるのでしょうか?

 

一番手っ取り早いのが、「変化をつける、強弱をつける」です。例えば、16時間断食を長いこと続けていて、体の変化が感じられなくなっているのなら、週1回とか10日に1回でも良いので、食べない時間を延長してみることです。私自身、1年以上18時間断食をしているので、体調は極めて良いですが、「変化」という意味ではあまり感じることはありません。なので、最近は余裕があれば20時間断食やOMAD(one meal a day、1日1食)をすることもあります。18時間くらいではお腹が鳴ることも少なくなってきているのですが、20時間やOMADをやるとお腹が鳴り、下腹部が凹む感じがあります。

 

トレーニングにおける変化のつけ方・強弱のつけ方は色々と方法があります。シャキットで行えることの例えをいくつか書いてみます。

 

●週に1回のワークアウト第1を、週に2回に増やしてみる。

 

●週に2回ワークアウト第1を、週に1回のワークアウト第1と週に1回のワークアウト第3に変えてみる。

 

●筋トレ系のレッスン(ワークアウト第1~3など)を中心に受けている方が、月に数回、有酸素系のレッスン(シェイプアップ)やストレッチ系のレッスン(スロー&フロー)を受けてみる。

 

●「全力で行うメニュー」を絞る。例えば、ワークアウト第1でやっているメニューの全てに「全力」を注ぐのは難しいと思います。「今日は〇〇と△△だけは全力でやる。そのために◎◎は少し力を抜く」という風にレッスン内で「強弱」をつけてみる。

 

などなどです。ただし、「変化をつける」時に気を付けていただきたいポイントもあります。それは「常に変化させる」というのはトレーニングには適さないということです。トレーニングの3大原理・5大原則の1つに「反復性の原則」というものがあります。これは、トレーニングで効果を出すためには(筋力であれ、体力であれ、技術の向上であれ)、同じ刺激を繰り返し繰り返し体に与える必要がある、という原則です。たとえどんなに良いトレーニングだとしても、「時々やる」では効果が出ないということです。定期的かつ継続的、これを抜きにして、効果を出すことはできません。

 

基本原則を徹底しつつ、時々変化をつけ、あとは時間を耐えられれば、必ずプラトーを乗り越えて、頂上に近づいていける!と信じています😊

 

文:真木

コメントをお書きください

コメント: 6
  • #1

    西谷 (土曜日, 06 2月 2021 14:52)

    先の見えないコロナ禍はまるでチベット高原を彷徨っているかのようです。最近スロー&フローとシェイプアップを久しぶりに受け、ベーシックと第2(予定)初チャレンジなので、これからもバランスよく取り入れて行きたいと思います。自分が今何期なのかの余裕もないですが、成長の目安にしているのが第1の立ち乗りです。ただ立っているだけなのに、くまなく全身の筋力を試されている感じで必死です。つくづく凄いメニューだと思います。

  • #2

    吉村 (土曜日, 06 2月 2021 16:50)

    自分の頂上は???

    いろいろなレッスンを試してみても、数ヶ月で辞めてしまうのはもったいないですよね。以前に何種類か受けたレッスンのなかで自然と自分に合うなあと思ったのを続けていますが、たまに違うレッスンを挟むのはいい気分転換にもなりますし、新たな筋肉痛にもなります(*_*)
    何事にも「継続は力なり」

  • #3

    シャキット真木 (土曜日, 06 2月 2021 18:04)

    本当に、2020年から日本のみならず地球全体がとんでもない時代に突入して、私なんかはチベット高原どころか宇宙空間を彷徨っているかのような恐怖を感じることがあります。
    とは言え、日常生活は一歩一歩前進するしかありませんので、自分ができることを進めるのみです・・・。

    前進と言えば・・・西谷さんはこの半年で大進歩を遂げられましたね!今だから言えちゃいますが・・・実は初めてのレッスンの様子を記録しているのですが、西谷さんのものを先ほど見返してみたら、「レッドコードに太刀打ちできてなかった」って書いてました。ひどいことを書いて、申し訳ありません!!今では、あの頃の面影もないほどに、筋力・体力ともにレベルアップし、レッドコードを見事に使いこなされています!立ち乗りも当初よりもだいぶ余裕が出てこられ、姿勢は確実に改善しています。これからも更なる高みを目指して、前進していって下さい!

  • #4

    シャキット真木 (土曜日, 06 2月 2021 18:13)

    吉村さん、たまに違うのやると筋肉痛が大変なことになりますよね(笑)

    私自身がそうなのですが、苦手な動きはやっぱり嫌いで、つい「自分には合わない」と思いがちです。ですが、トレーニングにおいては、「嫌い」と「合わない」は本当は同義語ではなく、嫌い・苦手というのは、要するにそのトレーニングを行えるだけの筋力や体力、柔軟性などが足りていないということなので、本当は苦手なもの嫌いなものこそやるべきなのかもしれません。

    私はどちらかというと有酸素運動が苦手なので(心肺機能が弱いのだと思います。)、時々、Youtubeでビリー隊長のブートキャンプなんかをやったりしますが、もう吐きそうになります(笑)

    嫌いなトレーニングを毎週毎週というのは辛いので(トレーニングを継続するにあたり、「楽しんで行える」というのは非常に重要な要素だと思いますので。)、気が向いた時に挟んでみるのが良いのかもしれませんね。

    吉村さんのおっしゃる通り、継続は力なり!ですね。

  • #5

    西谷 (土曜日, 06 2月 2021 20:21)

    あははは〜半分はマットに突っ伏していましたからね〜いくらお腹が気になるとは言え、体験レッスンでレジトレは無謀でした。こりゃリピート無いなと思ったことでしょうね( 笑 )

    立ち乗り初回はコードにしがみつく腕の痛さに耐えられず途中で降ろしてもらいました。確かにあの頃の自分とは別人かも。

    筋トレで今まで気づかなかった自分、違う自分に出会えました。

  • #6

    シャキット真木 (土曜日, 06 2月 2021 21:12)

    そうですね、正直なことを言えば、まさか継続していただけるとは思っていませんでした。

    この仕事をしていて、お客様が変わっていかれるのを見られることが一番の喜びです。これからも西谷さんの変化を楽しみにしています。