「慢性」は怖い(再掲)

今日は2019年10月27日のブログを書き直し、再掲します。

 

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「炎症」という言葉は聞いたことがあると思いますが、どんなイメージがありますか?私は画像のようなイメージです。単に「炎」という字に引っ張られているだけかもしれませんが・・・

 

 

炎症の典型的な症状には、

 

発赤(赤み)

腫脹(腫れ)

発熱(熱感)

疼痛(痛み)

 

の4つです。炎症は細菌やウイルスへの感染、外傷などによって起きます。これは生体防御反応、つまり体を守るメカニズムであり、免疫機能が正常に働いている証拠です。

 

例えば、足首をひねると(捻挫)、画像のように腫れたり、赤くなったり、熱を持ったりします。それが炎症です。組織が傷つき、毛細血管から出血が生じることで炎症が起きます。

 

ところで、炎症には2つあるのはご存知でしょうか?捻挫の時のように、はっきりとした症状を出すものは「急性炎症」と呼ばれます。これは時間が経過すると症状が沈静化します。一方で、急性炎症のような明確な症状が出ないものが「慢性炎症」です。

 

 

WHO(世界保健機構)は、不健康な食事、運動不足、喫煙、過度な飲酒などが原因であり、生活習慣を正すことで予防ができる病気をまとめて

 

非感染性疾患(NCD)

 

と定義付けました。NCDには心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、呼吸器疾患などが含まれます。

 

NCDによる死亡者は全世界の死亡者の70%を占めているそうです。日本では、その値は若干さがりますが、それでも死因の50%以上を占めているそうで、NCDは世界的な問題になっています。

 

 

このNCDが慢性炎症と深く関係していることが近年、注目を集めています。

 

慢性炎症とは簡単な言葉で書いてしまえば、「ちょっとした炎症が長く続いている状態」です。この「ちょっとした炎症」が「長~く長~く」続くことで、臓器や組織が少しずつ少しずつ傷つけられ、最後には壊れてしまってNCDを生じるというわけです。長い年月をかけてダムに雨水がたまり、それがやがて決壊するような感じでしょうか。

急性炎症のようにはっきりとした症状が出ないがゆえに、「気づいた時には時すでに遅し」という危険性もある慢性炎症。『サイレント・キラー』や『シークレット・キラー』とも呼ばれるのは、背後からゆっくり、ゆっくり、そ~っと、そ~っと近づいてきて・・・・・ぎゃああああ😱!となるからです。

 

不健康な生活を続ければ、いつか病気になるかもしれないということ自体は、昔から分かり切ったことです。何がその病気をもたらすのか、それが「慢性炎症」であるということが、近年の研究でわかってきたということです。

 

では、慢性炎症と関連性が疑われている疾患にはどんなものがあるのでしょうか?生活習慣病(がん、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞など)以外にもアトピー性皮膚炎、肝炎、肝硬変、アルツハイマー病、認知症、うつ病、潰瘍性大腸炎、ぜんそく、関節リウマチなどなど、一見、炎症とは関係のなさそうな病気も含まれています。慢性炎症、怖いですね😱

 

 

慢性炎症を引き起こす要因は様々ありますが、普段から気を付けておきたいという5点をご紹介します😀

 

①AGEs(終末糖化産物)

 

体内の過剰な糖分がタンパク質と結合することでAGEsが作られます。AGEsは「老化の元凶」と考えられており、食品を加熱調理することで、10~100倍ほども増えます。AGEsは調理法によって変わり、最も増えるのは「揚げる」です。AGEsを蓄積させない最も簡単な方法は、AGEsを多く含む食べ物を体に入れないことです。また、筋トレも有効です。筋肉量が増えれば、糖そのものの消費も増やすことができます。

 

 

②肥満

 

脂肪細胞からは様々な物質が分泌されるのですが、そのうちの1つにアディポネクチンというものがあります。アディポネクチンには炎症を抑える働きがあるのですが、肥満によって脂肪細胞が肥大化してしまうと、アディポネクチンの分泌が減り、炎症が起きやすくなってしまいます。お腹のぜい肉は指でつかめても、その奥で進行している炎症はつかみどころがないというのが怖いところです😣

 

 

③腸内細菌叢(さいきんそう)の悪化

 

人体には数百兆個の細菌が存在し、そのうちの90%が消化管にあり、「腸内細菌叢」をつくっています。腸内細菌叢でつくられる最も強力な炎症誘発物質にLPSがあります。LPSが血液内に流れ出ると炎症が起こってしまうのですが、これは乱れた食生活を続き、腸内細菌叢のバランスが崩れることで生じます。

 

 

④長引くストレス

 

副腎皮質から分泌されるホルモンであるコルチゾールは健康維持のために必要不可欠ではあるのですが、過剰に分泌されると免疫機能を抑制してしまい、慢性炎症につながります。ストレスを感じる状態に長いことおかれるとコルチゾールが過剰に分泌されてしまいます。

 

 

⑤睡眠不足

健康診断などの血液検査を受けたことがある方は、結果の表を見てみると「CRP」という欄があるかと思います。CRPは正常な血液の中にはごく微量にしか見られないのですが、体内で炎症が起きているとその数値が上がります。そしてこのCRPは睡眠不足によって増えるとされています。

 

 

慢性的に疲れを感じる、頭がぼーっとする感じがある、慢性的な頭痛、うつ症状、常に鼻が詰まっている感じがする、筋肉痛ではない慢性的な痛み、顔や目の下が腫れぼったい、肌荒れ・肌のかゆみ、便秘・お腹の張り、こんな症状は慢性炎症があるという体のSOSサインかもしれません。

 

始めは小さな火でも、それが延焼して全身を焼き尽くす前に、我々現代人は生活習慣を見直す必要があるのかもしれません。

 

文:真木

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コメント: 4
  • #1

    吉村 (土曜日, 16 1月 2021 21:51)

    「炎症」のイメージはやはり「日焼け」ですね!
    冬は特に寒さ厳しい北海道に住んでいるからか、冬にハワイやタイなど暖かい国に行きたくなります。そして調子に乗って日焼けしてさんざんな目に遭います。今は日焼け後のシミが気になるので日焼け止めを必ず塗ったりと、かなり注意しますが、若い頃はビーチでも気にしない為、火傷状態で大変でした。今思うと怖いですね~。

  • #2

    シャキット山内 (日曜日, 17 1月 2021 09:22)

    一時的な日焼けは、楽しさの思い出として仕方ない部分もありますが、慢性炎症は日々の生活習慣が大きく左右するので、やっぱり食事・睡眠・運動の三本柱を気にすることが大切ですよねぇ�

    それにしても、火傷してでもハワイには行きたーーい���

  • #3

    西谷 (月曜日, 18 1月 2021 12:32)

    やはりAGEsが恐いです。数値の高い加工肉(ベーコン・ソーセージ)は食べないようにしているのですが、母親が糖尿病なので、ワタクシも正常なうちに血糖値対策と併せて気をつけないと!

    筋トレは目先のスタイルアップを目指してはいますが、脳トレや老化対策含めて、10年後20年後の自分へのプレゼントのつもりで励んでおります�

  • #4

    シャキット真木 (月曜日, 18 1月 2021 15:54)

    カリッと焼いたベーコン、おいしいですが、AGEsのこと考えたら控え目にしなきゃいけないですね…
    筋トレは10年後20年後の自分へのプレゼント!ステキな言葉ですね!次回のチラシの謳い文句に使いたいです(笑)