お腹は縦に割れるのか

11月3日のブログ(理想と現実)で、トレーニングで理想の体を手に入れたいと頑張っている方は、その「理想」がそもそも達成可能なものなのかどうかを見極める必要があるという内容のことを書きました。「おもしろかった」という声を多数頂戴したので、調子に乗って第2弾!今回のテーマは「お腹は縦に割れるのか」です。まずは「縦に割れる」がどういうことかと言いますと・・・下記の画像のような感じです。

 

 

縦にくっきりとした線が入っています。これが「縦割れ」の状態です。「アブクラック」とも呼ばれ、数年前には欧米の若い女の子の間で話題になったようです。ちなみにアブはお腹、クラックはひび、裂け目、亀裂といった意味です。

 

 

まずはこの「縦線」の正体をみていきたいと思います。

 

腹部にはいくつかの筋肉がありますが、その中でも一番表面にある筋肉が「腹直筋」と呼ばれる筋肉です。

 

腹直筋は画像をご覧いただくと分かるように割れています。トレーニングするしないに関わらず、腹直筋は誰でも割れているのです。「私のお腹、割れていない😱」と言う方は、腹直筋が脂肪で覆われているだけなんです😭

 

腹直筋を横断しているのが「腱画」、縦断しているのが「白線」と呼ばれるものです。つまりお腹の横割りを作るのは腱画、縦割りを作るのが白線ということになります。

 

 

こちらのお二人のお腹はいわゆる「シックスパック」と呼ばれるものです。お腹が6つに割れています。(8つに割れる方もいます。)

 

シックスパックにしろ、アブクラックにしろ、お腹に脂肪がついているうちは現れてくれません😭なので、もし「シックスパックが欲しい!アブクラックが欲しい!」という方は腹筋を鍛えることと並行して、脂肪を落とす必要があります。むしろ優先すべきは脂肪を落とすことです。そして脂肪を落とす方法は、腹筋運動をしたり、走ることではなく、食べ物を変えることです・・・。これが一番大変なんですがね😓

 

特に女性はそうだと思うのですが、「シックスパックまではいらない。でも縦線は欲しい!」という方もいらっしゃるかと思います。YouTubeなどで検索してみると、「縦線が手に入る!」というトレーニングを紹介している動画がたくさんあります。

 

では仮に食事で脂肪は落とせたとして、動画で紹介されているようなトレーニングをすると本当に縦線が入るのでしょうか??

 

 

 

 

下の画像を見てみて下さい。

お三方とも脂肪はほとんどついてないように見えますので、第一段階はクリアですね。腹斜筋(脇腹の筋肉)もくっきりと見えているので、腹筋を使うトレーニングもしっかりされていると思います。女性でこれだけの腹筋をお持ちなら「バッキバキ」に近いレベルかと思います。でも・・・縦線がない!脂肪もなし、筋肉も鍛えられている、なのに縦線が全然見えません🙄

 

 

「腹直筋離開」という状態があります。画像の左上が正常な腹直筋の形です。他の4つは「腹直筋離開」を起こしており、腹直筋が左右に開いて、白線が伸びてしまう状態を指します。妊娠したことがある女性に多く見られますが、妊娠したことがない方にも起こりえます。

 

お腹の縦線を作るのが白線なので、白線が伸びた状態では、当然、お腹の縦線は現れません。縦線が出来ない全ての原因がこの腹直筋離開というわけではありませんが、白線の形状が影響するのは確かです。

 

というわけで、「お腹は縦に割れるのか」の答えは、「脂肪をかなり落とせば縦線が入る可能性は高いものの、白線の形状によっては脂肪がなくても縦割れしないこともある」となります。

 

文:真木