理想と現実

前回のブログでプチ断食のことを書きました。ブログで書いたことに関して、いろいろと感想をいただくことがあるのですが、プチ断食に関してはいつも以上に皆様からの反応があり、すでにプチ断食を始めたとおっしゃる方もいらっしゃいました。ブログだけでなく、レッスンの内容等に関しても、お客様から感想などをいただくのは大変にありがたく、勉強になるので、どしどし意見を頂戴したいと思っています。もちろんクレームも大歓迎でございます!ただクレームの際には、一応人並みに落ち込んだりもしますので、怒鳴らないで普通の口調で申しつけ下さい・・・😅

 

また、レッスンはもちろん、ブログでご紹介していることを試してみて、何かしらの変化があれば、良い点も悪い点も含めて、ぜひぜひ教えていただければと思います。というのも、私たち店側が発信したいことと、お客様が求めていることがかけ離れていると、いつまでもお客様の理想を叶えるお手伝いができないので、「こうなりたい!ああなりたい!」はどんどん教えてください!もちろん私たちの力でどうにもならないことも多々ありますが、微力ながら頑張りたいという気持ちは常々持っていますので・・・

 

 

と、なぜこんなことを書いたかと言いますと、先日お客様にある言葉を言われたんです。その言葉というのは、「もっと早く教えてほしかった!」です。ちなみにこの言葉を言われた方は怒っていたわけではありません。文章だと伝わらないですが、笑いながらおしゃっていました。

 

まずは経緯の説明を。このお客様をA様とさせていただきます。A様はワークアウト第1を受けられました。

 

レッスン前にA様が「内ももの肉が気になる、どうすればよい?」と質問される⇒A様はかなり気にされているものの、客観的に見て内ももに特別ぜい肉が付いているとは思えない、部分痩せというのは存在しない、それでも気になるなら食べ物を見直して全身の脂肪を落とす必要がある、といったことをお伝えする⇒ワークアウト第1のメニューの1つである「立ち乗り」の時につま先の向きを変えて「辛い方でやってみてください」とお伝えする⇒今まで何十回とやってきた動きなのに、A様が気にしている内ももの上の方がいつもより痛くなる⇒「もっと早く教えて欲しかった!」

 

とこんな感じです。ちなみに、ワークアウト第1をされている方ならご存知かと思いますが、立ち乗りの動きでは、脚を閉じていく時、つま先は外を向いていても、正面を向いていても、どちらでもOKと言ってます。どちらの方法でも内ももは働きます。ただし、苦手な向きというのはどなたでもあり、それは個々人のよって違います。A様は普段はつま先を正面に向けて行っていたので、つま先の向きを外に変えたところ、いつも以上に効いた(いつも以上に辛かった)となったわけです。

 

「もっと早く教えて欲しかった」と言われ、真木反省しました。パーソナルトレーニングではないので、1人のお客様をずーっと見ていることはできないですが、せっかく時間もお金もかけてレッスンに参加されているお客様が「最大限の効果」を出せるお手伝いを十分にできていなかったと思いました。なので、皆様、「こうなりたい!」という目標があれば、もっともっと教えて下さい!そしてその目標がより具体的だとありがたいです。

 

と、自分の思いのたけをダラダラと書きましたが、今回のブログの本題はここからです!散々、ご意見募集中みたいなことを書いた後になんなんですが、皆様がいくら「こうなりたい!」と願っても叶わないこともあります。例えば、成人がトレーニングしたからといって背が伸びることはありません。もちろん姿勢が良くなって1・2㎝変化するということはあるかもしれませんが、150㎝だった人が170㎝になることは100%ありません。なぜかと言うと、背の高さというのは骨の長さと関係があるからです。筋肉は鍛えることで形状が変わりますが、骨は鍛えても骨密度は上がりますが、長さは変わりません。トレーニングによって骨格を変えることはできないということです。変えられるのは骨格の上についている筋肉です。

 

実現可能な目標とそうではないものの具体例を挙げていきたいと思います。

 

①ヒップアップ、桃尻、小尻

これはもちろん実現可能です。お尻は骨盤についた筋肉で作られています。骨盤にはたくさんの筋肉が付いていますが、中でもお尻の代表格である大殿筋はとても大きな筋肉です。この筋肉が鍛えられれば、お尻は確実に上がり、形も良くなります。お尻はトレーニングの成果が出やすい部位だと思います。

 

 

②内ももの間に隙間

 

上記のA様が気にしていたことです。これは実現可能かというと、YESでもありNOでもあります。

 

そもそも脂肪量が多めの方であれば、脂肪を落とすことで内ももに隙間が出来ることはあるかもしれません。ただし、それも絶対にそうなるというわけではありません。

 

下記の1枚目の画像を見てみてください。黄色が骨盤、黄緑は大腿骨(だいたいこつ)です。骨盤は左のように横幅が広めの方もいれば、右のように狭い方もいます。また、骨盤と大腿骨は股関節でつながっていますが、大腿骨のつく角度も人によって大きな差があります。

 

2枚目の画像は1枚目を簡潔化したものです。左の方が赤の面積が明らかに大きくなっています。これは左右の内ももの脂肪量が多くても、そもそものスペースが大きいため隙間ができる可能性があることを表しています。一方の右のタイプの方はそもそものスペースが小さいため、それほど太ももの脂肪量が多くなくても、太ももがくっついて隙間ができない可能性があります。

 

こちらはオーストラリアのトレーナーのマダリンさんです。マダリンさんは簡潔化させた絵で言うと、赤いスペースが広いタイプの骨格をされています。太ももの間に隙間がありますね。彼女いわく、体重が増えた時でも太もも同士がくっつくということはないそうです。ということで、内ももに隙間ができるかどうかは脂肪の量のみならず、骨格も影響するということです。

③くびれ

 

くびれはどうでしょうか。こちらもYESでもありNOでもあります。

 

お腹周りのぜい肉が取れればくびれるというイメージがあると思いますが、そうならない場合もあります。

こちらの女性はトレーシー・アンダーソンというアメリカのパーソナルトレーナーです。マドンナやジェニファー・ロペスなどの大スターのトレーナーを務めたこともある方で、100億以上稼いだとも言われています。

 

トレーシーさん、見事な腹筋をされています。縦線が入って綺麗ですが、「くびれ」とは少々違いますね。どちらかと言うと「寸胴」タイプです。お腹周りの脂肪はほとんどないと思われるので、これ以上脂肪量を落としてもトレーシーさんのお腹はくびれることはありません。ではくびれをつくる要素はなんなのでしょうか?

 

こちらの画像、同じ女性の腹部ですが左より右の方がくびれています。この女性、ある手術を受けたのですが、何だと思いますか?ちなみに脂肪吸引ではありません。この女性が受けた手術は肋骨の形を変えるというものだそうです。

 

 

上の画像は胸郭です。12本の肋骨、胸骨(ネクタイみたいな骨)、胸椎(背骨の一部)で囲まれている部分を指します。中に心臓や肺などがあります。胸郭は骨で構成されており、当然ながらその形には個人差があります。

 

 

左の絵の胸郭は下の方が広がり気味で、右は下が狭まっています。絵をご覧いただければ分かるように、くびれができやすいのは、胸郭の下の部分の横幅が小さいタイプの方です。

 

上述の女性は胸郭の下の方についている肋骨2本を短くするという手術をして、くびれを手に入れたというわけです。

 

 

ということで、3つの例えを出させていただきました。個人的には運動の本来の目的は、強い健康な体をつくることだと考えていますので、見た目の変化は副産物くらいに思っています。そうは言っても、どうせ運動するなら健康かつ美しくなりたいですよね。実現可能な目標なのかを見極めつつ、楽しく運動していただければと思います!

 

文:真木