2014年にカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部のロバート・ナビオー教授が断食が体にもたらす利益について論文を発表しました。
現代は食べ物がすぐ手に入る時代ですが、それは人類の長い歴史から見れば、比較的最近の話です。それまで人類は生き残るために2つの代謝システムを進化させてきました。
1つは夏の代謝です。夏は食べ物が豊富です。植物が茂り、穀物の収穫や狩りもできます。夏の間は食べ物を体内に蓄え、体重を増やします。それが夏の代謝です。
もう1つの代謝が冬の代謝です。食料が不足する時期です。夏と同じような代謝をしていては、人類は死に絶えてしまいます。そこで夏の代謝を冬の代謝に変化することで、冬の食料の少ない季節を生き延びました。
夏の代謝というのは栄養素をたくさん使って体の成長を促進させる代謝、冬の代謝というのは損傷したタンパク質や脂質、DNAを修復して再利用する代謝です。
夏の代謝は理解できますよね。「栄養を摂って体を成長させる」というのはよくわかります。冬の代謝の「損傷したものを修復して再利用」というのがよくわからない部分だと思います。これは「オートファジー」によるものだと思われます。
オートファジーとは細胞の自食作用です。古くなったり壊れたタンパク質やミトコンドリアを自ら分解し、その分解したものを材料に新たなタンパク質を作るという、人体に備わった素晴らしい仕組みです。古くなったものを取り除いて、新しい状態にしてくれる細胞のお掃除係がオートファジーです。そんなありがたいオートファジーですが、ある状態にならないとスイッチがオンにならないのです。それは、空腹状態です。体内に栄養が十分にある時にはオートファジーは働いてくれないのです。
お腹が鳴るほどの空腹を日々感じていますか?それほどお腹がすいたわけではないけど、「食べる時間だから」と食べていませんか?暇な時についつい間食していませんか?飴玉1つ、チョコ1粒といった感じで常に何かしら口に入っているなんてことはありませんか?オートファジー働いてくれてますか?
冬の代謝ではオートファジーが働きます。では現代のように、生まれてから死ぬまでずーっと夏の代謝という場合には、体にどんなことが起こるのでしょうか?
💀ストレスホルモンであるコルチゾールの増加
💀ビタミンD濃度が低下し、炎症や自己免疫リスクが増加
💀アレルギー反応の原因となるヒスタミンの増加
💀うつや不安の原因となる物質が増加
💀有害金属の蓄積が増加
などなどです💀他にもたくさん怖~いことが起きるようです💀💀
逆を言えば、冬の代謝状態にすれば、これらのことから体を守れるということです。