神の与えた食物

クイズです!イスラム教の開祖である預言者ムハンマドが好んで食べた食べ物は何でしょうか?!その食べ物(果実)はイスラム教の聖典コーランには「神の与えた食物」と記されています。ちなみにキリスト教の旧約聖書には「エデンの園の果実」と記載されています。エデンの園と言われるとりんごを連想する方も多いかもしれませんが、りんごではありません。日本ではあまり馴染みのない果実ですが、中東の国々では日常的に食べられているそうです。正解は・・・デーツ(ナツメヤシの果実)です。

 

 

ナツメヤシは紀元前6000年頃から栽培されていたと言われています。乾燥した過酷な条件でも生育が可能なその生命力の強さから「生命の木」とも呼ばれているそうです。そんな生命力溢れる木になる果実ですから、デーツもさぞかし栄養豊富なはず・・・!

 

預言者ムハンマドはこんな言葉を残しているそうです。

「デーツは病を追いやる」

「朝7粒のデーツを食べる者は、その日いかなる毒や魔術にも侵されないであろう」

 

毒や魔術からも守られる!これは現代科学では即否定されそうな話ではありますが、デーツが何千年にも渡って砂漠地域に暮らす人々の健康を守ってきたことは揺るがない事実のようです。砂漠を移動する時にはデーツとラクダの乳で長い旅をしていたそうです。また、イランでは妊婦さんが毎日2~3個のデーツを食べると、丈夫な赤ちゃんが育つと考えられているそうです。預言者ムハンマドが断食明けにまず食べていたのがデーツと言われているそうで、今でも多くのイスラム教徒が伝統的にデーツと牛乳をラマダン後の最初の食事として摂るそうです。

 

 

 

 

デーツなんて食べたことがないという方も多いのではないでしょうか。ちなみに「オタフクのお好みソース」はデーツが入っているそうですよ~。

 

 

 

こちら毎度おなじみコストコのデーツです。甘い+ねっちょりです(笑) 甘いのもねっちょりも私は大好きなのですが、好みが分かれそうな感じではあります・・・

 

ドライフルーツというと日本ではプルーンの方が馴染みがあると思いますが、100gあたりの栄養を比べると、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、カリウム、葉酸の全てにおいてデーツの勝ちです。

デーツを日常的に食べることで得られる効果としては、貧血予防(鉄分、葉酸が豊富なため)、ストレスの緩和(ビタミンB5、カルシウム、マグネシウムなどの働きにより)、むくみの解消(カリウムが水分バランス調整をする働きがあるため)などがあります。

 

 

最後にデーツが結腸の健康を保つのに有効だという研究があったのでご紹介です。元の動画を見たい方は、下記に貼っておきます。5分ほどの動画で日本語字幕を表示できます。

 

22人の被験者を2つのグループに分け、1つのグループに1日7つのデーツを食べてもらいました。デーツを食べたグループのみ、腸の蠕動活動が活発になり、排便の回数も増えたそうです。また便のアンモニア濃度が下がり、便の水分に含まれる遺伝毒性が下がったそうです。

 

「遺伝毒性」という言葉、あまり聞いたことがないですよね。国立医薬品食品衛生研究所・安全性生物試験研究センター・変異遺伝部(長い!)のホームページによると、遺伝毒性とは・・・

 

外来性の化学物質や物理化学的要因、もしくは内因性の生理的要因などにより、DNAや染色体、あるいはそれらと関連するタンパク質が作用を受け、その結果、細胞のDNAや染色体の構造や量を変化させる性質をいう。遺伝毒性は他の毒性と異なり、それ自体に毒性の実態はない。肝毒性、神経毒性、発がん性などは症状や病変として認識できるが、遺伝毒性自体の症状や病変はない。体細胞にこれらの事象が起これば、がん化の引き金となり、生殖細胞に起これば次世代につながる遺伝病の原因となりうる。従って遺伝毒性とはそれらの疾患を引き起こす潜在的性質の一つである。

 

だそうです!さっぱり分かりませんが、なんかあまりよろしくないものであることは、なんとなく分かります。

 

前述の研究によると、デーツを食べることで結腸ガンのリスクを下げることができるかもしれないと結論づけていました。預言者ムハンマドの「7粒のデーツで毒や魔術に侵されない」というのは本当なのかもしれません・・・

 

文:真木