膝の痛み

膝の痛みの原因で圧倒的に多いのは「変形性膝関節症」です。東京大学医学部22世紀医療センターが行った調査によると、日本には2400万人もの変形性膝関節症の方がいるそうです。変形性膝関節症とは加齢などにより膝の軟骨がすり減り、痛みが生じる病気です。膝の痛みを感じ始める年代は4・50代が多いそうです。慢性的な痛みとまでいかなくても、階段の上り下りや、椅子から立ち上がる時にチクりと痛むという方は結構多いのではないでしょうか。

 

膝の痛みが出て、病院に行くと、お医者さんによく言われることに「太ももの筋肉を強くしましょう。」というのがあります。もちろん私もこれには異議はありません。画像でもわかるように、膝にくっついている大腿四頭筋や大腿二頭筋を強くすることは、筋肉で関節を支える上でとても大切です。もう1つ鍛える部位でおすすめなのがお尻の筋肉です。一見、膝の痛みとは関係ないように思えるお尻ですが、実は膝の痛み予防・緩和のためにはとても大事なんです。お尻の筋肉、特に中殿筋は骨盤を安定させる役割があります。ここが弱くなると、歩行時などに骨盤が不安定になり、膝に過剰な負担をかけることになります。

 

ということで、今回はお尻の筋肉を鍛えるエクササイズのご紹介です。「クラムシェル」と呼ばれ、クラムはクラムチャウダーのクラム、あさりやはまぐりなどの二枚貝のことです。シェルは貝殻という意味です。

 

 

まずはよくある方法をご紹介します。1枚目の画像のように横向きで寝ます。頭、背中、お尻、足裏が一直線になるようにして寝て下さい。膝は90度くらいに曲げます。2枚目の画像のように上の膝を開きます。この時に骨盤が後ろに倒れないように気を付けて下さい。骨盤が倒れてしまうと、お尻に全く効きません。

 

 

次に同じクラムシェルなのですが、ちょっと変わったやり方をご紹介です。個人的にはこちらの方法の方がお尻が使われいる感じが分かりやすいです。

 

1枚目の画像のように背中をまっすぐにし、膝と股関節は90度くらいに曲げます。2枚目・3枚目のように背中を丸めたり、腰を反らないよう気を付けます。

 

 

足裏(親指、小指、かかと)を壁につけます。スタンダードな方法と同じように上の膝を下の膝から離します。足裏が壁から離れないようにして下さい。やってみると分かりますが、全然上がりません! 画像でも手が入るくらいの隙間しか開いてませんが、本当に上がりません(笑)

 

 

1枚目の画像のように足裏が壁から離れないようにします。またスタンダードな方法と同じように骨盤が後ろに倒れないように気を付けて下さい。

 

 

このエクササイズで1番大切なのは、膝に意識を向けないことです。膝を上げるということに集中しないで、お尻にドアノブが付いていて、そのドアノブを回すようなイメージをしながら、膝を上げていきます。膝から動きが始まるのではなく、お尻から動きが始まるよう意識して下さい。

 

文:真木

 

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