ティムさん(左)とトムさん(右)は一卵性双生児です。体重も身長も体脂肪率も全く同じです。二人はダイエットを始めることにしました。
全く同じ運動をし、運動の後は全く同じ物を食べました。
8週間後、ティムさんはダイエットに成功し、トムさんは失敗しました。遺伝的に近い2人が同じことをしたのに、どうして違いが出たのでしょうか?
答えは「ニート」にあります。ダイエット中の2人が、ジムに来ていた時間以外をどのように過ごしていたかを見ていきます。
ティムさんは階段を使い、トムさんはエレベーターに乗ります。
ティムさんは仕事中、スタンディング・デスクを使い、電話で話しながら、歩き回っています。トムさんは仕事中は座っています。姿勢も良くありません。
ティムさんは歩いて夕食を買いに行き、トムさんはごろっとしながらテレビを見て、夕食は出前を頼みます。
ニートはNEAT、Non Exercise Activity Thermogenesisの頭文字をとったものです。Non Exercise Activityは運動以外の活動、Thermogenesisは熱発生です。合わせると「非運動性活動熱産生」となり、早い話が運動ではない日常生活の中の動き・活動で消費するエネルギーのことを指します。通勤や通学、掃除洗濯などの家事などなど、あらゆる活動が含まれます。貧乏ゆすりもNEATに含まれます。
1日の消費エネルギーを振り分けると、基礎代謝が60~70%、NEATが25%、食事が10%、運動が5%となります。なんと運動の5倍ものエネルギーがNEATで消費されるのです。そうなると、ティムさんとトムさんの違いが生じた理由がわかりますよね。
「毎週運動しているから大丈夫!」と油断して、その他の時間をぼ~っと過ごしていると、消費エネルギーが思いのほか落ちるなんてこともあり得ます。
エスカレーターやエレベーターを使わない、歯磨きや電話をする時は座らないで立ってする、テレビを見る時には時々姿勢を正す、地下鉄やバスでは座らないようにする、そんな小さな積み重ねが、トータルで見ると大きな消費エネルギーの差をつくります。横着しないで、こまめに動く!それがNEATを高めるコツですよ~。
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