ゆっくり、静かに、でも大きく

シャキットがオープンして9月で8年になります。さまざまなことがありました・・・。今でも思い出すと「やっても~たなぁ~😅」と思う出来事があります。オープン間もない頃に来ていたお客様の話です。その方にある質問をされたのです。その方が通い始めて3か月くらい過ぎた頃だったかと思います。

 

「運動っていつまでしないといけないんですか?」という質問でした。私の答えは・・・「死ぬまでですよ😀やめれば元に戻りますからね😀だから死ぬまでです😀」

 

そしたら・・・その方がイラストののび太みたいな顔をしたのです。そして、その方、間もなくしてシャキットに来なくなりました😅

 

その方はもしかしたら運動するのが嫌いだったのかもしれません。嫌いだけど、少しの間だけ頑張ってみようと思っていたのかもしれません。それなのに、真木に「死ぬまでだ」なんて言われたのでショックを受けて、「死ぬまでこんな辛い思いをしなきゃいけないなら、いっそうのことやめよう・・・」となったのかもしれません。申し訳ないことをしてしまいました😭

 

あの時の私の言葉のチョイスや言い方は間違えていたかもしれませんが、「死ぬまで運動すべき」というのは今でもそうだと思っています。そういう意味では嘘はついていません😅もちろん年齢を重ねていけば、運動の内容は変わっていくとは思いますがね。

 

辛いことを死ぬまで続けるのは現実的ではありません。運動というものは「定期的・継続的」でなければ効果は出ないですし、効果の維持もできません。であるならば、大切なのは「楽しく」だと思っています。

 

ちなみに「楽しい=楽」という意味ではありません。シャキットのお客様はドMが多いのか、辛いレッスンほど楽しみを見出す方が多いようなので、私が言うまでもないのかもしれませんが、「楽な運動だから楽しい」のではなく、効果や変化を感じられたり、達成感や充実感を味わえたり、そういうことが本当の「楽しさ」なのではないかな~という気がします。結局のところ、人間という生き物は向上していくことに喜びを感じるようにつくられているんだと思います。

 

と、ここまでは前置きでした。運動に楽しさを見出すのは良いとして、「いくら楽しくてもこれはどうかな~」という運動の仕方があります。例えばこんな感じです👇

 

動画の皆さんが「楽しく」運動できているかどうかは知る由もありませんが、ひと言、声をかけさせていただけるなら、こう言いたいです。

 

落ち着いて

 

と・・・😅これではせっかくがんばってもイマイチ効果が出ないような気がします。それどころか、あちこち痛くなりそうです😭(転んでない方も含めて)では、どうしたら改善できるのでしょうか?それは・・・

 

『ゆっくり、静かに、でも大きく』です😄

 

上の動画はどちらも「バイセップス・カール」という上腕二頭筋(力こぶ)を鍛える動きです。女性は力こぶを鍛えることにあまり興味はないかもしれませんが、男性には人気のトレーニングではないでしょうか。

 

上の2枚の動画を、「ゆっくり、静かに、でも大きく」の観点から深掘りしてみたいと思います!まず「ゆっくり」についてです。1枚目の方は明らかにスピードをつけすぎです。筋トレにもスピ―ドを使うもの、反動を使うものがないわけではありませんが、そういうものの多くは特定のスポーツのパフォーマンスを上げるためのトレーニングです。シャキットのお客様の大半は、運動の目的が「痩せたい、体を引き締めたい、筋力や体力をつけたい」だと思います。であるならば、反動は不要です。むしろ避けるべきものです。

 

外国の方が日本語を勉強する時に苦戦するものの1つに「擬音語」があるそうです。例えば、「ズボンがきつい」と「ズボンがパッツンパッツン」を比べると、パッツンパッツンの方がよりきつそうというのは日本人なら感覚でつかめると思います。

 

なぜ急に擬音語の話をしたかと言いますと、もう1度バイセップス・カールの動画を見比べてみて下さい。1枚目の方の動きは「ガチャガチャしている」と思いませんか?比べて2枚目の方は「静か」です。そうです、筋トレの時に「ガチャガチャ」はダメなんです!動きをコントロールすることがとっても大切なんです。

 

3つ目の「大きく」は上記のローイングと呼ばれるトレーニングを参考にして考えてみたいと思います。1枚目と2枚目の動画を比べて、どう思いますか?2枚目の画像は「ゆっくり」も「静かに」も不十分だと思いませんか?では「大きく」はどうでしょうか?

 

そもそもトレーニングにおける「大きく」ってどういうことでしょうか?1枚目の方と2枚目の方、どちらが「大きく」動いているように思いますか?答えは1枚目の方です。トレーニングにおける「大きく」動くは、関節の最終可動域まで動くということです。つまり、1枚目の方のように膝は伸ばせられるところまで伸ばす、肩甲骨を寄せれるところまで寄せる、背骨は腹圧を保ちながら伸ばせられるところまで伸ばす、といった具合にです。2枚目の方は膝は伸びきっていませんし、肩甲骨も寄せれていません。背骨も丸まったままです。関節の最終可動域を意識できておらず、大きく動けていないということです。

 

筋トレを始めたばかりの方は、回数をこなすことに精一杯だと思います。最初はそれで充分だと思います。慣れてきたら、「ゆっくり、静かに、でも大きく」です。さぁ、ご一緒に・・・

 

ゆっくり、静かに、でも大きく😊

 

文:真木