真っ直ぐは危ない

運転をする時はぐねぐねとカーブした道よりも、真っ直ぐの道の方が走りやすいですが、カーブがあった方が良いという場合もあります。特に、あそこは・・・

あそこというのは・・・首です。皆さんの首はカーブしていますか?

我々人間の首の話をする前に、首と言えばキリンということで、キリンの首の話をしたいと思います。あんなに長い首を持つキリンも、頸椎(けいつい、首の骨)の数は人間と同じ7個なんです。よくあの長さをたった7つの骨でカバーしていますね~。ところで、画像のキリンの首の付け根あたりを見ていると、ボコっと盛り上がっていますね。

 

 

 

 

これは棘突起(きょくとっき)と呼ばれる骨の出っ張りです。(イラストではHumpと書かれている部位)人間の背骨にも棘突起はあるのですが、キリンの棘突起ほど立派ではありません。キリンのように首が長い動物や、頭が重い動物の棘突起はこんな風に長いそうです。この長い突起に沢山の筋肉が付いているから、キリンはあんなにも長い首を支えていられるのです。

 

 

我々人間の棘突起はキリンのように長くないので、棘突起で頭を支えることはできません。人間の頭を正しい位置に保つために大切なのが頸椎のカーブです。

 

上の画像は頸椎のレントゲン写真ですが、左側がノーマル(正常)、右に行くほどにアブノーマル(異常)となっています。左端の画像は、薄緑の線が示すように頸椎が綺麗なカーブ(前方に凸)を描いています。ところが、2枚目・3枚目と右に進むにつれカーブが直線になり、4枚目では直線が傾き、5枚目では直線ですらなくなっています。

 

カーブを失った頸椎は、頭を支えるために過剰な努力を強いられます。結果、首や肩周りの筋肉が張ってしまい、肩こりや頭痛といった症状として表れたりします。また本来であれば、背骨の中で一番よく動くはずの頸椎の動きが制限されてしまうこともあります。

 

 

頸椎のカーブ(前方に凸)はあごを上げることで強まります。(1枚目の画像のExtensionと書かれている方)

 

肩こりや頭痛持ちの方、首の動きが悪い方はもちろん、首の付け根周りの盛り上がりが気になる方も、もしかしたら頸椎のカーブが消えかかっているのかもしれません。

 

そんな方は2枚目の画像のエクササイズがおすすめです。タオルを首に当て、あごを上げていきます。タオルは軽く引っ張って圧を加えます。くれぐれも強い力で引っ張らないように気を付けて下さい。毎日10~20回ほど繰り返してみて下さい。

 

 

首を動かすエクササイズをする以外に、日常生活で気を付けるべきことがあります。それは、スマホをいじる時やパソコン作業をする時です。

 

ついつい下を向いていませんか?下を向くと、頸椎は後方に凸のカーブを描きます。これは頸椎の本来のカーブとは逆のカーブです。逆カーブで数十分・数時間と過ごせば、頸椎やその周りについている筋肉にかかる負荷は相当です。

 

スマホをいじる時は、画面と目線の高さを揃え、頸椎の前方に凸のカーブを意識してください。画像のような製品もあるようです。下を向くのがクセになってしまっている方は、こういった製品を活用するのも1つの手かもしれません。

 

文:真木