ローテーターカフ

ローテーターカフ(回旋筋腱板)は肩甲骨の前面と後面にくっつく4つのインナーマッスルの総称です。

 

前面につくのが肩甲下筋(けんこうかきん)、後面には棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょっかきん)、小円筋(しょうえんきん)という3つの筋肉があります。

 

 

大きな筋肉ではありませんが、肩の健康を保つためにはとても大切な筋肉です。

 

肩の関節というのは、人体の中でも特に動きが大きいため、筋肉や靭帯でしっかりと支えられることが必要です。画像を見ていただけるとわかるように、ローテーターカフは肩の骨を囲むようにしてくっついている筋肉のため、肩の安定性を保つために非常に重要な役割を担っています。

 

当店のお客様でお悩みの方も多い四十肩や五十肩はこのローテーターカフが原因のことがあります。

 

 

 

肩の関節の動きに「外旋」と「内旋」というものがあります。

 

画像のように肘を体の横につけた状態で手を外側に開いていくのが外旋、反対に内側に入れていくのが内旋です。

 

内旋の動きを行う筋肉にはローテーターカフの1つである肩甲下筋のほかに、大胸筋(胸の筋肉)、広背筋(背中の筋肉)など大きな筋肉があります。

 

一方の外旋を行う筋肉というのはローテーターカフの中の棘下筋と小円筋です。肩回りには大きな筋肉を含むたくさんの筋肉が存在するのに、外旋を行えるのは棘下筋と小円筋という小さな2つの筋肉しかないのです。

 

「モビリティ」というレッスンを受けていらっしゃる方は、レッスン中に私がよく「肩を外旋してください」と言うのを聞くと思いますが、これは内旋は大胸筋や広背筋などの大きな筋肉が使われるので容易にできるのに対し、外旋は小さな筋肉を使うので、意識的に行わなければ、肩は内旋しがちになるからです。強い内旋の筋肉と弱い外旋の筋肉のアンバランスを整えるためには、外旋を意識的に鍛える必要があります。

 

ということで、外旋筋のトレーニングのご紹介です。どちらかと言うと地味であまり楽しくはないとは思いますが、寝ながらできるので、楽っちゃ楽です。

 

 

横向きで寝て、肘は90度に曲げます。画像ではダンベルを持ってますが、ペットボトルなどで大丈夫です。軽めから始めて下さい。骨盤が後ろに倒れないように気を付けながら、手を開いていきます。肘の下にタオルを入れ、そのタオルを押しつぶす感じで、いけるところまで開いて下さい。棘下筋と小円筋が働くのを感じ取って下さい。ゆっくりと動きを繰り返して下さい。

 

 

 

こんな感じでダラッと寝ながら行っている方もいました。外旋筋が使われる感じが分かれば、こんな感じのくだけた姿勢でも問題ありません。大切なのは継続することですので、特に肩に痛みのある方や巻き肩(肩が内旋している)の方はぜひ続けて行ってみて下さい。

 

文:真木

 

 

 

↓引用動画