頭は何キロ?

人間の頭部の重さは成人でおよそ体重の10%くらいだそうです。体重50キロだと約5キロ。でもこの数字、姿勢によって変わるようです。もちろん頭そのものは5キロで変化はないのですが、5キロ以上に「感じる」もしくは5キロ以上の「負荷がかかる」のです。その姿勢とは・・・

 

 

 

 

この姿勢してませんか?首をちょっと傾けるだけで、倍以上の12キロ、角度によって重量はどんどん上がり、60°では27キロ、直立の5倍以上です!

 

上の画像では手の角度や背中の丸まりは変わってないですが、多くの方は肘をしっかり曲げて、背中を伸ばして、携帯を目線の高さに上げたまま画面を見続けるのは腕が疲れるので、おそらく腕が楽な持ち方をしますよね?そうすると、手は床とほぼ平行、必然的に頭を深く垂らし、背中を丸めて画面を見ることになります。そんな姿勢を長く続ければ、姿勢が悪くなることも、肩や首が痛くなることも、全く不思議ではありません。

 

私はマッサージ反対派でもなんでもないのですが(むしろやってもらえるなら毎日してほしいくらいマッサージは好きです。)、日常の姿勢が原因で肩こりや首の痛みが出ているのであれば、マッサージをしてもその効果は一時的で、凝ったら揉む凝ったら揉むのいたちごっこです。根本原因を直さないかぎり、痛みはなくなることはありません。

 

まずは何気ない姿勢の時に頭が理想的な位置にあるかどうかを知ることが、姿勢を正す第1歩です。

 

1枚目の画像の右側の人のように、肩の真上に耳があるのと、頭部の位置は理想的だと言えます。ただし、2枚目の画像の女性のように、一見判別がしづらい例もあります。この女性の場合、赤いタンクトップの姿勢が良い姿勢、黒い方は悪い姿勢となります。どちらも肩のほぼ真上に耳がありますが、黒の方は肩も前に出てしまい、背中の丸まりが強くなっています。肩が理想的な位置に戻ると、耳(頭部)が前に出てしまっているのがわかると思います。

 

 

 

 

頭部が前に出て、背中が丸みを帯びた姿勢、いわゆる猫背は「上位交叉症候群」とも言います。

 

上位交叉症候群では図のように太い線上にある筋肉が過剰に働いて硬くなっています。また細い線上の筋肉は反対に弱く伸びてしまっています。

 

もう少し詳しくみていくと・・・

 

赤の【硬化筋】と書かれているのが必要以上に働いて硬くなってしまっている筋肉です。そして青の【弱化筋】がその名の通り、弱くなっており、十分に働けていない筋肉です。

 

聞いたことがない筋肉がたくさんあると思います。硬くなっている筋肉ひとつひとつをほぐし、弱っている筋肉をひとつひとつ鍛えるとなると大変な手間なので、できるだけ簡単に「硬化筋」をほぐし、「弱化筋」を鍛えるものはないかな~と探してみました。良さそうなのがありましたよ~!

 

 

 

 

手の平を床に向けたうつ伏せになります。

 

 

背骨と首の骨を一直線にするイメージで、あごを引いた状態で、体を起こします。足は床から浮かせる必要はありません。

 

 

床についていた手を浮かせて下さい。

 

 

浮かせた手の親指を天井に向けます。

 

 

女性が左手で触れている辺りの筋肉(大胸筋など)が伸びますので、感じ取って下さい。

 

背中は女性が右手で触れている辺りの筋肉(僧帽筋中部や菱形筋)が働いてます。肩甲骨をしっかりと背骨に寄せて下さい。(肩甲骨内転)

 

また動画の中では言われていないのですが、上げている手を後ろから引っ張られているイメージで、肩甲骨を足の方向へ下げると弱化筋の1つである僧帽筋下部も働きます。

 

おすすめは3分間キープ(!)なのだそうですが、3分間はなかなか厳しいと思います。30秒を6セットとか、90秒を2セットのように分けてもOKだそうです。

 

 

エクササイズ中は親指の向きに気をつけて下さい。寝ない状態で言うと、女性が行っているように手の平を上に向けることで硬くなっている胸の筋肉が伸びていきます。ちなみにこの肩の動きは「外旋」と言います。GLAYのTERUがよくやるあのポーズが「肩の外旋」です。古いでしょうか・・・

 

上位交叉症候群では肩が「内旋」していることが多いので、逆方向に動かすことが大切です。内旋はいわゆる「巻き肩」です。肩が内旋して親指が下がってしまうと、エクササイズの効果が半減してしまうのでご注意ください。

 

それじゃなくても頭は重いので、余計な重さを支えずに済むよう、しっかりと姿勢を正していきたいですね!

 

文:真木

 

↓引用動画